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デス・ストランディングをやってほしいという話(ネタバレなし)

ようやく、デス・ストランディングをクリアした。めちゃくちゃ自分に「刺さる」ゲームだった。繋がりを意識した新しいゲーム体験、それに連なる重厚なストーリー、建物がほとんど存在しない雄大な自然、緊張感の高いBTとの遭遇や戦闘、全てが私の心に響いた。しかし、他でもよく言われているように、このゲームの面白さを伝えるのは非常に難しい。が、私としてはこの面白さを是非購入して体験してほしいので感想を書く。よければ読んでいってください。そして買って。お願いします。

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見えない「誰か」を意識する
このゲームを一言で表すなら、「世界に痕跡を残しながら配達するゲーム」である。こう書いてしまうと何が面白いのか伝わらないかもしれない。だが、この「配達」が病みつきになるほど面白いのだ。

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主人公サム・ブリッジズは、「伝説の配達人」と呼ばれる、配送を生業にするブルーカラーの人間だ。当然、ゲームでも配達がメインになる。このサムがいる世界は「時雨(ときう)」と呼ばれる「当たると時間が進む」雨が降り注いだ結果、建物がほとんどなくなってしまったか、廃墟になってしまっている。なので、サムが荷物を運んでいる途中に時雨が降ると荷物が劣化する。また道路も時雨で劣化しているので車が通れる場所が少なく、足場の悪い土地や山を徒歩で移動しなければならない。

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また、この世界には他人の荷物を奪って暮らす「ミュール」という武装集団が徘徊している。彼らに見つかると根こそぎ荷物を奪われてしまう。サムは配達人ではあるものの、そのムキムキの身体を活かしタイマンで彼らを倒すことができる。しかし基本は集団で襲ってくるのでこちらもそそくさと切り抜けるか、ステルスで一体ずつ処理するか、銃を持って拘束するかなど、きちんと対策をしなければならない。

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更には、この世界では「BT」と呼ばれる黒いタールのような亡霊が襲ってくる。
こいつらに捕まると「対消滅(ボイド・アウト)」し、その場で巨大な爆発が起こりクレーターができる。当然、周囲の人間も消し飛ぶ。つまり、現代のように車で楽に配達するのではなく(後で使えるようにはなるが)、出来るだけ亡霊やテロリスト、時雨を避けながら道無き道を進まなければならない。人々は時雨やミュール、BTに怯えてシェルターの中に閉じこもって暮らしている。故に外の世界には人はほとんどいない。たった一人、荒れ果てた道を二宮金次郎よろしく重い荷物を背負って配達しなければならない。

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そんな時、目の前に梯子が見える。自分が建てたものではない。そう、この道を通った別の誰かがここに梯子を置いてくれているのである。この梯子はオンラインに接続している別のプレイヤーが置いたものだ。他にも、ロープパイルやロッカー、橋や立ちションの跡など、様々な別のプレイヤーの痕跡が存在する。このシステムのおかげで、道無き道を進んだり、実際に姿は見えずともこの世界には確実に誰かが「いた」ということを実感することができる。この感覚は、他のゲームでは味わえない独特なものだ。一人の世界に感じても、自分以外の誰かが存在しているという喜び。会ってはいないけれども、あなたに助けられたという感謝。そして、次にここを通る人のためにいいものを設置しようとする善意のサイクルが、このゲームの中で起こっている。大きなクレバスや川の上に橋をかけてくれていたおかげで、何度配達が楽になったことか。

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繋がりをテーマとした壮大なストーリー
ストーリーも当然、面白い。小島監督が書かれたストーリーだから面白くないわけがないのだが。サムが所属することになる組織「ブリッジズ」には個性豊かなキャラクターが存在する。仮面で隠すボスの「ダイハードマン」、死者との触れ合いを求める「デッドマン」、1日に60回死に60回生き返る「ハートマン」、あの世に子供が生まれてきてしまった「ママー」等、インパクトの強いキャラがいる。彼らにも一言では表しきれない過去があり、それらが終盤に向けて繋がっていく展開は圧巻だ。また敵キャラであるマッツミケルセン演じる謎の男「クリフ」も魅力的である。彼は存在がネタバレのようなものなのであえてここで言及はしない。

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「見ているだけでは伝わりにくい」面白さ だから、買おう
とはいえ、ゲームプレイを見ても「何が面白いの?」となる人もいるかもしれない。だってゲームプレイの大半は歩いているだけだから。だがプレイしている側からすれば神経を使いながら歩いている。このゲームには重心の概念が存在しており、ちょっとでもバランスを崩すとサムはすぐコケる。特に足場が悪い道を通る時はヒヤヒヤしながら歩いている。正直、このゲームはちょっとの段差が1番怖い。そうして悪霊やテロリストを避け、バランスを崩さないように、大切な荷物が壊れないように道なき道を進み、ようやくたどり着いた先で絶景を眺めながら「ずっと君のことを待っていたんだ、ありがとう」と言われる。敵を倒すだけではない、新しい達成感がこのゲームにはある。是非、ここまで読んでくれたあなたには、ゲームを購入してこの新しい体験をしてほしい。よろしくお願いします。

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