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鳥居の値段はどのくらいか

神社といえば鳥居と思っている方も多いのではないでしょうか。しかし鳥居というものは実はお金がかかるものです。
以前、神社をつくる仕事をした時に、「鳥居も一緒に作って欲しい」といわれて鳥居の値段を調べました。小さめの鳥居で大人が一人、腰をかがめて通れるくらいの大きさなモノなのですが、それがいちばん安いプラスチック製ので100万円くらいしたのを覚えています(プラスチック製の鳥居があって、量産されているというのも驚きでしたが)。
これが鳥居本体のお値段で、据え付けるのはまた別です。鳥居は地面に置いただけでは立ちません。地面に刺しただけでもダメです(専門的に言うとネガティブフリクションという力がかかって抜けてきます)。ちゃんと穴を掘って、基礎部分をコンクリートで固定します。そのコンクリート大体4〜50cmの厚みです。コンクリートをいれる前に砂利を10cm程度の厚みで敷きます。北海道みたいな寒冷地では砂利の前にさらに砂を20cmの厚みで敷きます。
さらに鳥居を立てるには、クレーンで吊らねばなりません。そうして立てたら地面に平行になるように調節します。これにはあらかじめ足場を組んで、その上に作業員を配置して、みんなで作業します。
ですから鳥居を立てる作業は、地面の掘削、足場の組み立て、砂・砂利敷き、鳥居立て、コンクリート打設などを経て、埋め戻し、足場の撤去をして初めて鳥居が立つのです。ですからこれらの作業をするための作業員が少なくとも3人と、現場管理者が必要です。
これをやると小型の鳥居を設置するには200万円は行かなくてもそれくらいの金額がかかります。
設置したあとも、人がくぐるものですから、安全点検は必要です。また古井神社ともなると鳥居が崩れてくる可能性もあって危険です。
この時は小さな祠のような神社を造らせてもらいましたが、鳥居だけで社殿と同じくらいの金額がかかりました。
鳥居は神社の存在を示す象徴的な建設物ですが、予算が少ない時は鳥居を造るのはすすめないようにしています。神社を造る側、運営する側にとってはまことにお金のかかるものなので、鳥居のように外見を飾るよりは、神社ができたあとの行事やイベント、境内の清掃などに予算を取っておいた方がいいでしょう。

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