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TPS未経験者が初めてスプラトゥーン3に触った結果。

1.きっかけは些細なことから

 スプラトゥーン。任天堂から発売されている人気シリーズで、武器でお互いの陣地を塗り合う、いわゆるTPSと呼ばれるゲームだ。発表当初からリアル調なことが多いTPSらしからぬ、ポップでキャッチーなデザインで注目を浴び、瞬く間にキラータイトルとなった。
 筆者も、何も知らずとも話に聞くくらい人気なことくらいは知っていた。だが私はこの手のゲームには縁がなかったというか、そもそも自分が3D酔いしやすい体質で根本的にTPSというジャンルに向いておらず、瞬間的な判断力が求められるのも苦手で、気にはなっているものの手を出すことはないだろうな、というタイトル――の、はずだった。

 そんな話題の最新作が発売されると聞いた。発売当日までは特に興味もなかった私だったが、いざ発売されてTwitterで様々な声を聞くと気にはなる。ポケモンの発売する11月まで特にやりたいこともなかった私は、新しいジャンルに挑戦してみるのも良いかもと、購入することを決意した。対人ゲームということで、初心者が多いこの時期を逃したら参入する機会は二度となさそう、というのも理由のひとつである。
 まぁその。色々なたまたまが重なった結果ではあるが、唐突に、そして今更ながらに、筆者の初スプラデビューが決まったのである。


2.ミリしらが始めるチュートリアル

 というわけで、早速プレイだ。
 先行体験版があったことは噂に聞いていたが、そんなものをプレイしていない私は完全に初見である。そもそも普段からスプラトゥーンの配信や動画を見る機会もなかっただけに、ほぼミリしらみたいなものである。
 私が知っていることといえば、インクを塗り合うTPSだというのと、なんか色々なルールがあるガチなんちゃらみたいなものがあるということ、あとシオカラ節を始めとしてBGMが良いということくらいだった。

 だから、TPSであることは知っていても、ジャイロ操作を必要とするなんて全く知らなかったのである。
 上手いこと操作できないカメラにチュートリアルの時点で既に大苦戦。「いや無理無理無理無理!」となってチュートリアルが終わった直後に即ジャイロを切ったのは、きっと筆者だけではないと信じたい。なにせモンハンも3G出身なのにターゲットカメラを一切使えない旧世代ハンターなのだ。ジャイロ操作なんて未来の代物、扱いこなせるわけがない。と、この時点では諦めてたのだが、後々あるきっかけで再挑戦することになる。


3.いざ、初マッチへ

 と、幸先が不安になるスタートから、いざ町に到着。早速とばかりにロビーに向かった私は、ガイドに促されるまま最初のマッチに挑戦することになった。
 だが、これまで様々なゲームで遊んできた私は知っている。最初のマッチは基本CPUだけのチュートリアルバトルみたいなもので、いわゆる最初に勝ちの味を教えてくれるゲーム側の接待みたいなものだ。そう気楽に構えていた私は、オンラインやらマッチングうんぬんかんぬんのくだりを見て、「あれ?」と頭に疑問符を浮かべていた。CPU戦なら、マッチングに時間なんてかからないよね?

 それもそのはず。スプラトゥーンはそんな生易しいウェルカムで迎えてくれない。いきなりガチの実戦にぶちこむスパルタ方式なのである。そのことに気づいたのは、実際に試合に放り込まれてから後の話である。

 スプラトゥーンで最初に挑むことになるのは、このゲームの基本となるナワバリバトル。とにかく最後に塗った面積が多かったチームが勝ちとなる、4VS4のゲーム形式だ。
 とりあえず塗れ。というのは、初プレイの私でも知っていた。が、この頃の私はマップの開き方も知らなければ、スーパージャンプというものも知らない。なんだったら自分の持たされたわかばシューターのスペシャルがどんな効果なのかも知らなかった。
 TPS経験がゼロの私じゃまともに敵と撃ち合っても勝てないのは知っていたので、最初はただがむしゃらに地面を塗っていた。マップも知らないのでどう動けばいいのかも知らないままに、本当にがむしゃらに塗っていた。その過程で何回も死んで、スーパージャンプも知らないのでスタート地点からまた走って――そして、気付いたら初戦に勝っていた。

 ここがスプラトゥーンの最大の良いところである。地面を塗るだけなら初心者でもできるし、そんな初心者でもできることがとても大事なのだ。
 
塗られてない地面は潜ることができないから、隠れることもインクを補充することもできない。イカの状態で素早く移動もできない。キルを取るのも大事ではあるが、それと同じくらいに地面を塗るのも大事だ。特にナワバリバトルにおいては、塗った面積がそのまま勝敗に繋がる。

 他のFPSとかTPSではこうはいかない。バトロワ系のゲームだと生き残るだけでも順位は上がるが、結局この手のゲームはキルを取れなきゃ楽しめない。自分が動いたことで状況が良くなっている、試合に勝っている、という実感がわかないからだ。
 だが、スプラトゥーンは違う。自分がヘタクソでキルを取れなくても、初心者でもできる行動で勝ちに貢献できるのだ。苦手意識のあったゲームジャンルだったのだが、最初の試合で実感した。あ、これめっちゃ楽しい、と。


4.ブキ選びにショップに

 その試合の後、私は違うブキを買いにブキ屋に訪れていた。
 バンカラの町がどこに何があるのかわかりにくいこともあって、「ブキ屋ってどこだよ?!」と探し回ったのは内緒だ。(※メニューを開くことで目当ての場所に一発で移動できるようにはなっている)

 最初に買えようになるブキは3種類。
 わかばシューターの弾のブレを少なくしたような、シンプルに撃ち合いに強くなったスプラシューター。ライフルのように遠くの敵を狙い撃つことに特化したスプラチャージャー。そして、近距離の敵なら振れば一撃で倒せる他、地面を転がして塗れるスプラローラーの3種類だ。
 これらのブキは試し打ちもできる。元々エイムに自信がなかった私は、スプラシューターやスプラチャージャーを試したものの早々と挫折した。しかしエイムは特に必要とせず、当たれば一撃で敵を葬れるローラーは手に馴染み、このブキを担いで再びナワバリバトルに挑むことに。


5.最初の挫折、そして初心に返る

 最初こそ順調だった。転がすことで広範囲を塗ることができ、転がしてる最中に敵を轢けば、一撃で倒すことができる。が、当然ながらこのブキにはこのブキの欠点があった。
 それは、相手に気付かれていると簡単に対処されてしまう点だ。正面から突撃しても引き撃ちされるだけで一方的にやられてしまい、相手の背後に回り込むにも塗り負けているとそれもままならない。何も考えずに使っていた初心者が勝てなくなるまで、そんなに時間はかからなかった。

 違うブキを試してみようと色々試し打ちしてみたが、私のエイム力だと普通の銃じゃ当てられない。恐らく経験者だとわかってもらえると思うが、私は最初にジャイロ操作を切っていたのだから尚更だ。

 そんな私が一周回って戻ってきたのは、なんと最初に渡されたわかばシューターだった。

 このブキは弾が非常にバラけるため、正面からの撃ち合いには弱いブキである一方で、エイムに関わらずある程度当てることができ、広範囲の塗りも得意なブキだ。サブには使いやすいスプラッシュボム、スペシャルは弱い撃ち合いをカバーし味方のサポートもできるグレートバリア。
 癖のない構成で、欠点もあるが使いやすい構成になっている。手始めに銃に慣れることを考え、わかばシューターに戻ってきたのは間違いではなかったと思う。

 撃ち合いは最低限に、無茶な動きを控えて塗ることを中心に、銃で牽制しながらサブのスプラッシュボムを活用することを覚えた。それから、拠点に戻る時や安全な時に、時々マップを開くように意識しはじめた。
 マップを開いて他の生存している味方を選ぶことで、スーパージャンプができる。これによって復帰も早くなるが、着地する場所はマーカーで表示されるため、無防備な相手をキルする絶好のポイントだ。何度も着地狩りされた私は、危険そうならあえてジャンプしない判断も必要だと学んだ。
 他にもマップには塗り状況が表示されている。これも大事だ。敵の移動経路や戦況の目安になるため、ちょくちょく確認できるようになるといいのだろう。初心者の私にはまだ難しいが、少しずつ意識するようにはしている。


6.再びジャイロ操作に

 何度もナワバリバトルを重ねて、ある程度活躍できるようになってきたかも、と思ってきた私は、ここで最初の課題に戻ってくることになる。
 それは、最初に断念したジャイロ操作だ。あの時は無理だと諦めていたのだが、Googleで検索したらやっぱりあるとないとでは決定的に違うらしい。

 練習のためにヒーローモードで触ってみたところ、不慣れなジャイロ操作ながら痛感したことがある。それは、微調整に関してはスティック操作とは絶対的に違うレベルの差がある、ということだ。そりゃあ毎回エイムで負けるわけだ、と納得するレベルで違う。

 身体を変な方向に曲げ、上手いこと向かないカメラに悪戦苦闘しながら、諦めずに練習してなんとかコツを掴み始めた。
 ジャイロ操作はエイムの時の微調整でのみ使うこと。普段のカメラを回す時はこれまで通りスティックを使うこと。これらを意識することで、少しは思った通りに動かせるようになってきた。もちろん元々のエイムが苦手なこともあって、これだけで劇的に改善するわけではないのだが、使わないよりは着実に良くなっていると思いたい。


7.最後に

 と、ここまでが発売からわずか数日間の出来事。
 お気づきの通りだが、私はスプラトゥーンというゲームに完全にハマってしまっていた。そりゃあみんなハマるわけだ。だって楽しいもん、これ。気付いたら何時間もやってるもん。

 今はナワバリバトルで遊ぶだけだが、今後はバンカラマッチにも挑んでみたいと思うし、防具のギアパワーも厳選していきたいところだ。とりあえず今は適当にスロットの多いものを選んでいるが、後々はこれを好きなパワーで揃えたりもできるらしい。楽しみだ。

 私のようにTPSに苦手意識があって、気になっても手を出せない人もいるとは思う。私もそんな一人だったが、それでもここまでハマれるゲームだということ、そして、誰でも楽しめるようなゲームであることは、声を大にして言いたい。特にスプラトゥーン3から始めた人は私以外にも結構いると聞くし、初心者の多い今こそオススメしたい。

 それでは最後に締めの言葉を述べて、この記事を終わりたいと思う。

「イカ、よろしく~~~」


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