【Shadowverse/EOP環境】秘術ウィッチに想像の具現化を入れるべきではない話。
■はじめに。
今期、EOP環境の秘術ウィッチにて《想像の具現化》が採用されたデッキレシピを見たことはありませんか?
筆者は今期GrandMaster0に至るまで秘術ウィッチを使い続け、それ以降もMPを盛っている、多少なりと秘術ウィッチを使い慣れてる自負がありますが、そんな私が断言できることがあります。
秘術ウィッチに《想像の具現化》は入れるべきではありません。
その理由をこれから説明したいと思います。少し長くなりますが、もしあなたが今期の秘術ウィッチに興味があるのであれば、ご覧いただけると幸いです。
■秘術ウィッチとは。
まず、先に秘術ウィッチはどういったデッキタイプなのか説明します。
私の認識としては、秘術ウィッチはバーンや疾走を主体とした攻撃的な中速アグロデッキに該当します。
一般的なアグロデッキと違い、秘術ウィッチは『スタックを溜める』行為が必要になるため、序盤からガンガン攻めるデッキではありません。意外かもしれませんが、攻めよりも受けよりな展開になることが多いです。
ですが、溜めたスタックを消費して攻めに転じた時の瞬間火力は高く、手札によってはコントロールデッキですら貫通することも可能です。
攻めるためにはスタックを消費する都合上、継続的に攻め続けるのは難しく、進化権が切れるとフォロワーの大半が動きにくくなるため、一般的なアグロよりは多少ましではありますが、長期戦は苦手。
だからこそ、リーサルまでの先を見据えながら相手に回復の暇を与えず攻めきる判断力が必要になります。
平均リーサルターンは「7」。
基本的には、
《アシッドゴーレム》+
《アシッドゴーレム》+
《スペリオルコントラクター》
による7コスト17点、
または
《アシッドゴーレム》+
《大地の魔拳》+
《スペリオルコントラクター》(1/1盤面当たり)+
《スペリオルコントラクター》
による7コスト18点のリーサルを目指すデッキになります。
■秘術ウィッチに想像の具現化が不要な理由。
さて、ここからが本題になります。
どうして秘術ウィッチには《想像の具現化》が不要なのか。
理由は2つあります。
1つ目が、秘術ウィッチにおける《想像の具現化》の期待値自体が低く、採用するメリットが薄いから。
2つ目が、7ターン目にリーサルを目指すべきデッキなのに、7ターン目のリーサルを放棄するに近い行動だから。
順を追って説明します。
1.想像の具現化の期待値自体が低いため。
まず、秘術ウィッチにおける期待値が低い理由。
それは、デッキリストを見てもらえばわかると思います。主体となるカードのコストは1~3コストであり、結晶といった要素を加味すれば、それらのカードがデッキの大半を占めています。
《想像の具現化》自体の効果は7コストを支払い、3枚のカードを0コストにする効果です。ド派手な見た目の効果ではありますが……つまり、1枚あたり約2.33コストに変える効果とも考えられます。 ……そう聞くと、なんだかこのデッキだとあんまりお得な感じがしないですよね?
次に、引いて嬉しいカードを考えてみましょう。
嬉しいカードは、一枚で強固な盤面を形成できる高コストの《極冠の幻想獣》や《ルインソーサラー》ですね。そこにコストダウンをしてない《プレデターゴーレム》なんかがくっつけば理想的ですが……さて、みなさまはお気づきになられたでしょうか?
既に場に土の印があると仮定した場合、実はこの時点で5面埋まってしまっているのです。
さらに言うのであれば、《極冠の幻想獣》や《ルインソーサラー》は引いて嬉しいカードでありながら、1枚で3面も埋めてしまうため、複数枚引いても嬉しくないのです。
そこまでして作り上げた盤面も、実は《プレデターゴーレム》を3ターン目から順当にコストダウンできれば、6ターン目の時点で似たような状況を作り上げられます。7コスト払って運良く作り上げても、実はそこまでのものなのです。
2.本来目指すべきリーサルを放棄する行動なため。
盤面形成という意味では上記の結論に至りますが、じゃあ打点に寄せた場合はどうなんだ、という話になります。
秘術ウィッチは極端な話、打点の種となる《アシッドゴーレム》と《スペリオルコントラクター》をかき集めて叩きつけるデッキだといえます。
ですがこれらのカードはコストが軽いため、コストを下げるメリットは効果的とはいえません。3ドローで引きに行くという観点でも、既に引いてあるカードとは組み合わせられない以上、リーサルを取りたい場合はトップ3枚で十分な打点を引く必要があります。それはあまりにも運否天賦ですし、最初からドローソースで打点をかき集める方が現実的ではないでしょうか。
仮に運が良かったとしても、《想像の具現化》では12~15点を出すのが限界でしょう。最初から見据えている7コスト17点18点といった打点には届きません。
《想像の具現化》の適応下では《極冠の幻想獣》が5点疾走に変わる最も良いカードに見えますが、打点という観点だけで見た場合、実はスタックを3も消費してスタック7消費済みの《スペリオルコントラクター》と同等の仕事しかしないのです。
運否天賦なものの一枚で盤面形成と打点の両立を目指せる。それ自体は聞こえは良いですが、それは同時に本来目指すべき7リーサルを放棄し、わざわざデッキ的にも期待値の低い不要な賭けをするような真似なのです。
さらに言えば、《想像の具現化》自体も7コストと重いため、入れること自体がデッキ事故の要因となります。
冷静に利点と欠点を分析した場合、今環境の秘術ウィッチには不要なカードであると考えられるでしょう。
■最後に。代わりにオススメするカード。
最後に。『でも、そんな都合よく7ターン目までにパーツ集められないよ』という人に向けて、私のオススメのカードを紹介します。
《栄光の華・エレノア》。
進化権を切ることで、後々カードを増やせるカードです。これによって1枚目の《アシッドゴーレム》や《スペリオルコントラクター》を増やすことで、後々のプランを見据えて動くことができます。
秘術ウィッチは順当に動ければドローも回せるデッキなので、1枚目を引き込むことは難しくないでしょう。加えるまでのタイムラグも、5ターン目までに進化を切れば、目指すべきリーサルターンの7ターン目に間に合う計算です。
ファンファーレで加える《美麗なる術式》も1コストの除去として活用できる場面は多々あり、手札をそこまで減らさない秘術ウィッチであれば、意識すれば加える条件は容易に満たせます。
もし《想像の具現化》の代わりに入れるカードに悩んでる人がいれば、ぜひ一度お試しください。
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