間違いなく愛し合ってできた

44歳3児のシングルマザー、ミソノです。

今、私のお腹にやってきてくれた4人目の子、ミカゲちゃん。(このnote上の胎児ネームです)

ミカゲちゃんは、お付き合いをしている彼、シクロさん(46歳、未婚)との間に授かりました。


私とシクロさんは出会って3年以上になりますが、お付き合いは決して順調ではありませんでした。

今までに3度別れ、3度復縁しています。

1度目の別れの時は、1ヶ月で復縁。
2度目の別れの時は、1週間で復縁。

2度別れても、2度復縁し、なんだかんだ相性が合うというか、居心地の良い相手だと思っていました。

ですが、3度目の別れの時は違いました。
2023年の11月に別れ、今度こそシクロさんではダメだと諦め、私は別の方とお付き合いを始めました。

けれど新しくお付き合いした方と上手くいかなくなり、やはり私にはシクロさんが合っているのだと思うようになりました。

3度目にシクロさんと別れた時、私は自分に非がないと一方的にシクロさんを悪者にしてしまいましたが、思い返すと別れに至るまでに私にも改めるべきところがたくさんありました。言葉が足りないまま、一方的に私から別れを切り出したので、私はシクロさんにきちんと喧嘩の原因を説明し、感情的になって強い言葉でシクロさんを傷つけたことを謝りました。そして、やはり私はあなたといたいと、復縁を乞うたのです。2024年の4月のことでした。

そして私たちは5ヶ月ぶりに復縁しました。 

シクロさんは、まだ私の全てを受け入れることはできないと言いました。私は、これからはシクロさんをより一層大切に思い、意識をして言葉遣いや態度を改めるから、少しずつ受け入れてほしいと言いました。

三度目の正直です。

シクロさんを今度こそは大切にしよう。そのためには一緒に過ごす時間を増やして、たくさん話をしよう。言いたいことをずっと一人で抱えてないで、きちんと話し合うべきところは、冷静に話し合おう。そう思って、彼との日々を大切に過ごしてきたつもりです。


私たちは復縁してから2度、セックスをしました。
一度目は復縁をしてすぐ。仲直りの意味もありました。

それからしばらく間が空きました。
復縁してから何度目かのデートでした。私たちは、他には誰も人がいないような自然に囲まれた場所で、手作りの弁当を食べ、一緒にコーヒーを飲みました。空と山と遠くに湖を眺めながら、鳥の鳴き声と爽やかな風を感じました。私たちは無言で、自然の心地よさを全身で享受していました。何も言葉を交わさなくても、ずっとここに二人でいられそうな気がしました。

ふとレジャーシートの上に目をやると、先ほどのお弁当のおかずに使われていたちりめんじゃこが一匹落ちていました。そしてそのちりめんじゃこを、ちりめんじゃこより遥かに小さな働き蟻が運んでいたのです。

「シクロさん、見て。蟻がちりめんじゃこを運んでる。自分より10倍くらい大きいのに、すごいね」

「蟻からしたらすごいご馳走なんやろう。巣に持ち帰って子孫を残そうと、一生懸命なんやろう」

「ここで独り占めして食べてやろうとか、思わへんのかな。偉いねぇ」

「蟻も生きるのに必死なんや。俺も頑張らないあかんな」

そんな会話を交わす、山奥のたった一組の中年男女。その後も私達は、働き蟻とちりめんじゃこの行方を長々と眺めていました。

私はこの時、確かに幸せだったのです。

蟻を一緒に見て、すごいねと語り合ってくれるシクロさん。
私は彼と一緒にここに来れて良かったと、心の底から思いました。
人間のスケールの何百万の分の一の、ミクロの世界に目を向けて、蟻の気持ちを代弁してみたり、この蟻達の働き方から何かを学び取ったりという感性が合うことがとても嬉しかったのです。

そして彼も、蟻に夢中になる私のことを可愛いと言ってくれました。44歳にもなって誰かから可愛いと言われるなんて、本当に気恥ずかしいのですが、シクロさんは時々、本当に私の態度や言動が可愛いと思ったらそのまま口にしてくれます。照れずにサラリと。シクロさんのそういうところも、私は好きなのです。

その日、私たちが2度目のセックスをするのは必然のようでした。ちりめんじゃこと蟻のおかげです。可愛いと言われて舞い上がって、シクロさんのことを愛おしく思う気持ちが溢れ出したのです。私たちは自然な流れで、そうすることが決められていたかのように愛し合いました。

実はこの時、コンドームをしていませんでした。コンドームを持ち合わせていなかったものの、愛し合いたいという衝動を抑えられませんでした。

年齢的に妊娠する可能性は極めて低いと思っていましたし、生理周期的に安全日だと思っていましたし、外に射精すれば大丈夫だろうと思っていました。

私たちは、子どもを作らないでおこうという話も、子どもを作りたいよねという話もしていませんでした。シクロさんには結婚願望もなければ、子どもを持ちたい願望もなかったからです。

けれど、彼は一度こんなことを言ってくれました。「ミソノさんと娘さん達の関係を見ていたら、子どもを持つことって良いのかもしれないと思うようになった」「ミソノさんとなら家族を作れるかもしれない」と。

だから、子どもができる可能性は低いけどけれど、もし妊娠できたら、それはそれですごく嬉しいな、と思いながら、コンドームなしでセックスをしたのです。



そして3週間後。

あの日愛し合った証拠が、確かに私の子宮に宿りました。確率論で考えると、奇跡としか言いようがありません。お腹の中のミカゲちゃんは、大きなメッセージを私たちに伝えてに来てくれたと思っています。

私にとっては4人目の妊娠。
シクロさんにとっては初めての、パートナーの妊娠。

私は無事に出産できるのでしょうか。
シクロさんは無事に父親になれるのでしょうか。
複雑な環境に生まれることが定まっているミカゲちゃんは、無事に産まれ、健やかに育っていけるのでしょうか。

前途多難ですが、きっと良い方向に進んでいけると信じています。










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