見出し画像

スマホには残らないもの

スマホユーザーになって10年以上が過ぎました。

まだ携帯電話がそこまで普及していない頃は、
地球の歩き方を片手にバックパッカーをしていた私でしたが、
”新婚旅行で道に迷ってはいけない”という理由で、
妻から購入を促され、2010年にスマホを持ちました。

そして今は、携帯電話に起こされ、天気予報をチェックし、
子供が確かに小学校に辿り着いたことをスマホで確認。
その後は、ニュースチェック、メールチェック、そしてAirPods。
空いた時間はfacebook、Instagram、Twitter、Yahooニュース(Newspicksと言いたいですが言えません笑)と隙間を埋めるようにスマホを触っている気がしています。

随分便利になったなぁと思います。
銀行などの待ち時間もスマホを触っていれば気にならないですし、
SNSがなければ同窓会も開かれなかったかもしれません。
「かたつむりって何であんな名前なの?」というピュアな一人息子の好奇心にもすぐに答えてあげることができます。
便利と言っていいのかはあれですが、子供に静かにしてもらいたい時に頼ってしまうこともないとは言えません。

そして、スマホがあって本当に良かったと思うのは、写真・動画です。
私が小さい頃の写真は次男ということもあってか、
残っているのは数枚程度、もちろん動画なんてありません。
それが今や、約1万枚にも及ぶ写真や動画が保存され、
いつでも息子のベストショットをふとした時に楽しむことができますし、
両親にもLINEやYoutubeを使って共有することができます。

まめな性格の私が楽しんでいるのは、旅行記録をスマホに残すこと。
数か月経ってから見ると、「こんなことあったなぁ」と
自分の力では引っ張り出すことのできない記憶の片隅の大切な出来事を保存することができます。スマホがあって本当に便利だ。

そして、私は自分に何度も言い聞かせていることがあります。
「スマホには残せない出来事を、絶対に忘れてはならないぞ」と。

寝かしつけの時に、なぜか不意に見せてくれた笑顔。
自転車に息子を乗せて、サッカー教室に向かう時の何気ない会話。
抱っこで寝かしつけている時の、あの頬の感触。
不意に背中に飛びついてきたときの温もり。
手をつないだ時の小さな手。
文字には残せても、その瞬間を切り取って再現することはできません。
もう、いくつか忘れてしまっているかもしれません。

一人息子で、初めての子育て。
スマホには残せない大切な瞬間。
彼が私と同じ背丈になった時に、彼が小さかった頃の出来事を、
今と同じくらい鮮明に私は思い出せるのか、
彼が何歳になっても、愛おしい大切な瞬間が続くのか。
それは、分からないから、私は、今の彼との時間を目一杯大切にしたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?