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伊勢丹イベントでモデルさんをスカウトした話。

初めて伊勢丹 新宿店 本館でイベントをした。
ずっと直販とお客様向けの試着会だけをやっていた僕らにはとっても新鮮で、たくさんの出会いや学びがあった。そのある日の話。

平日の閉店間際、あるスタッフに「通りがかったとっても素敵なマダムがシアーのワンピースを気に入ってくれてるのでお話してください」と呼ばれた。

試着室に行くとヘアもメガネもスタイリングが素敵なマダムがfoufouのお洋服の中でも結構勇気がいると噂のワンピースを着てくれていた。

等身大を脱ぎ捨てるがテーマのお洋服


「あなたがデザイナーさんなのね、素敵なお洋服」と声をかけてくださってそこから
”死ぬまで好きなものを着ていくことの美しさ” 
“今年で75歳になるが(全然見えないのだけど)もっと同じ世代の方々にもおしゃれを楽しんでもらいたい!”とずっと考えていたことを目をキラキラさせながら伝えてくれた。そしてこのワンピースを購入してくださった。

お話を聞いているうちに色んな思いが込み上げてきて「ぜひうちでモデルをやってくれませんか?」となんと気づけば僕は彼女をスカウトしていた。
「お力になれるなら!」と快く受け入れてくださった。

foufouは様々な年齢のお客様がいらっしゃるのでモデルさんの幅も広くしたいとはずっと考えていた。

いろんなモデル事務所の方々を拝見させていただいたけどなんだかイメージとぴったり来ず、というよりも「あえてその世代のモデルさんを使うことで世代は関係ないんです」とアピールをしているような気がしてしまってなんだか気が引けてしまった。アピールしたいけど、アピールしたくない、そんな気持ち。(ちょっと伝わるかしら?)

本当に年齢が関係ない服ならばあえてこちらが押し付けがましいクリエイションをする必要はなく、自然なクリエイティブでもいいと思っているからだ。もちろん主張をすることは素晴らしいことだからそれは人それぞれの表現の仕方があるのも知っている。

foufouは現時点でも購入いただいている方はさまざまな世代の方がいる。
高校生から80代まで。本当にさまざまだ。
だからこそ、あえて出すことを控えていたのかもしれない。

しかし恭子さん(伊勢丹で出会った方)との出会いはその出会いそのものに運命を感じた。ブランドを7年やってきて初めて立った伊勢丹というトラディショナルなファッションの交流の場で、出会えたことはなんだかグッとくる。

聞けば恭子さんも「常日頃から思うところがあった」とメールで教えてくれた。

恭子さんからいただいたメール

何よりしっくりくるのは僕自身が彼女の着こなしや考え方やスタイルに惹かれて、年齢なんて関係なくモデルをお願いしたからだ。

その後も何度かメールのやりとりをさせていただいている。
来月あたりに撮影をご一緒することになりそうだ!!foufouの枠が更に拡張し文脈に密度が出る気がする。美しい思想を持った人と出会えたことが何より嬉しい。

※ご本人の許可を得て載せています。

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