ライヴや飲み会などが終わった後、会場や店の前で皆が輪になってわいわいしている中に入っていけない。もちろん、演者の人たちに話しかける勇気もなく、離れたところでいつも小さくなっている。

中には、遠巻きに眺めているところに声をかけてくれる人もいるが、そのチャンスは滅多に訪れない。自分も高揚しているのでヘラヘラしてやり過ごすこともできるが、ひとりヘラヘラしていると気持ち悪い、あいつは友だちもいないのに何を待ってるんだ、気持ち悪い、帰ってママのお乳でもしゃぶっときなと石を投げられそうで輪に近づけない。楽しいことを共有したいが、そこにいる人たちにあえて伝えるほどの言葉を持っているのか、はたまた、皆と違う感想を持っていたら、、と思うと足は逆を向き「失礼します」と空気に会釈、ひとりでにそそくさと歩き出してしまう。

夜道、高揚感に任せてひと駅歩き、首を垂れてひとり反省会。苦虫と思い出し笑いを噛み潰す孤独な観客と成り果てる。ほんとうはすごく楽しかったんだよ。

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