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SDA王滝に向けたメンテナンス【クランク編】

お客様より王滝前のメンテナンスを依頼された
S-WORKS STUMP JMPER FSR29
確か2013モデルだったと思うので10年前のバイク。

当時購入頂いたお客様とはほぼ毎週一緒になって
山でレースで遊ばせてもらっていましたが、
嬉しい生活の変化もあり、ここ数年はライドもご無沙汰。

そんなお客様から
王滝100kmに出場するのでメンテナンスして欲しいとのことで、
お預かりいたしました。

S-WORKS MTBクランク。
なかなかに年季が入っております。

状態を確認しようと作業台に載せてペダルを回転させようとすると
クランクが回りません。。。
タイヤが作業台に当たって回らないのかなと思ったのですが、
クランクとBBの固着が原因でした。

体重をかけてペダルを回すとゴリゴリという嫌な音とともに
クランクが回り始めます。

クランクシャフトを抜き。。。叩き出したところ
BBが接着されたカップごと抜けてきてくれました。
見事な茶色のベアリングが顔を覗かせてくれます。

当然スチールのベアリングとアルミのクランクシャフトは
完全に固着しており、うんともすんとも言いません。

どうせベアリングを交換するのだから裏から叩けば。。。
と言うわけにもいきません。

SWクランク専用のスペーサーがいくつも使用されており、
万が一そちらを変形させてしまったりすると、
昔のパーツなだけあって入手が困難な可能性も。

ベアリングは汎用品なので問題ないのですが、
スペーサー等使えるものは可能な限り救出したい。

まずはラスペネを浸透させて
ベアリングとシャフトの固着が緩むことに期待。

十分浸透した頃合いを見計らい今回はこちらを使います。
クラウンレースプーラー。

コラムに打ち込んだクラウンレース(下玉押し)を
綺麗に抜くための専用工具。

コラムと違いクランクシャフトは短いため
工具の寸法が足りずそのままでは使えないので
使えるように少し他の工具も使いましたが

無事にベアリングのみ抜き取ることに成功。

新しいベアリングをカップに圧入し

カップはエポキシでフレームに接着します。

10年前を思い出すノスタルジックな作業。

ベアリングは耐水性の高いグリスを使ってさらに保護。
クランク周りでこの状況ですから、ヘッド、ハブ、リンク周り。。。
楽しい事になりそうな予感です。。。😁

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