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本気だからこそ悔しく、苦しく、何よりも楽しい

この3月で長崎大学フットサル部FORZAを去る卒業生9人が記す、最後のnote
土のグラウンドでの練習に始まり、全国ベスト8に至るまで。
今の「FORZA」を造った彼らの想いを、ぜひお読みください。

最後は、サテライトから2年間キャプテンを務め、4年間を全力で取り組み抜いた、#7 柴田 諒 です。

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こんにちは。
これがFORZAで書く、最後のnoteになります。
自分の内面をつらつらと書くのは気恥ずかしく、書いたらFORZAとしての活動が終わってしまうような気がして先延ばしにしていた所、締め切りギリギリになってしまいました。

拙い文章ですが、最後までお付き合いいただければ嬉しいです。

思い返してみると大して勉強をすることもなく、大学生活の多くをFORZAに費やしてきました。
良いことも悪いこともひっくるめて、全てが充実した4年間でした。

遊びやバイトを両立できるという謳い文句に誘われて、サークル感覚で入部したフットサル部。(あの勧誘は今でも詐欺だと思っている笑)
いつのまにか大学生活の中心になり、本気で取り組んでいた。
まさか大学生になって、フットサルに本気で打ち込む事になるなんて思ってもみなかった。
人生で一番熱意を持って取り組めたことだと言っても過言じゃない。
それくらい本当にいい経験をさせてもらえたなあと思っている。

ただ本気で打ち込んだ分、思い悩むこともすごく多かった。

プレイヤーとして。

まず、プレイヤーとして活躍できないことが4年間の最大の悩みの種だった。
努力していないわけじゃない。
真剣に取り組んでいないわけじゃない。
それなのに結果を出せない自分が、心底情けなかった。

毎年、才能のある後輩たちが入部してきてあっという間に追い抜かれた。
頼もしいとも思いつつ、やっぱり内心すごく悔しい。
重要な試合では決まってベンチから見守った。
自分の至らなさを痛感していたから、奏太さんの采配に異論はなかった。
みんなが活躍している中でただ座っているだけの自分が、惨めに思えていた。

一年生の時には気持ちの整理が付かなくて、チームの勝利を心から祝えずに早く帰りたいなあ、なんて思っていた。
そんな自分が嫌で嫌でたまらない。
いっそのこと、もう辞めてやろうとさえ思った。

そんな時でも、必死に努力するみんなを見ていると不思議と頑張ろうという気になる。
みんなの存在はライバルでもあり、心の支えでもあった。
それはFORZAの誰もが思っている事じゃないのかな。周りにすごく恵まれた環境だったと思う。

年次が上がっていく中で次第に、試合に出ていない時の振る舞い方を考えるようになった。
出れない悔しさがなくなることはなかったが、自分の声かけひとつで出ている人に何かプラスの影響を与えれないか、少しでも力になれないか。
そう考えることができるようになった。
四年生でベンチにいるからこそできることがある、伝えられることがあると思っていた。
これは4年間を通じて、自分が成長できた点の一つだ。

フットサルという競技がすごく好きになれたかというと、そういう訳じゃなかったんだと思う。
結果が出ない中で努力を続けることは、出口のないトンネルをひたすら歩いてるようで苦しかった。
サッカーみたいに上手くはいかなかったし、人生最大の挫折でもあった。
それでも、みんなとフットサルをするのは好きだった。
一体感を持って目標に向かっていく感覚がすごく好きだった。
だからこそ、こうして最後まで続けることが出来たんだと思う。
結果として、プレイヤーとして思い描いたものとは程遠いまま引退を迎えてしまったが後悔はない。
思うように結果がついていない中でも、最後まで手は抜かなかった。向上心を持って取り組んだ。

何より最後まで諦めずにもがき続けた自分をカッコ悪いなあと思いながらも少し誇らしく思う。

キャプテンとして。

3年生になる直前の2月、秀さんからキャプテンを引き継いだ。
目標はプレイヤーとキャプテンの両面から、チームを引っ張れる存在となること。
やる気に満ちあふれていた。

ただ、そのやる気が空回りして上手くいかなくなったんだろうと思う。
あの頃は毎日毎日、FORZAのことに追われていて、深夜までのミーティングやチームとしての新しい試み、事務作業、とにかく忙しい毎日で必死にこなしていた。
キャプテンとしてもプレイヤーとしても、活躍しなくちゃいけないという思いが空回りして、プレーもどんどん悪くなり心の余裕がなくなっていった。
そして、キャプテンとしての自分とプレイヤーとしての自分のギャップに苦しめられた。
キャプテンマークを巻いて、ベンチに座ることが辛いと思うようになった。
それでもキャプテンとして求められる振る舞いは理解していたから、プレイヤーとしての自分の気持ちに蓋をした。自分の振る舞いがチームの模範になればという思いだった。
試合中は雑念を払うかのように誰よりも声を出した。そうでもしないと色々な感情が溢れ出しそうな気がしていた。
どんな方法でもいいから、チームに貢献したかった。


そんな思いを抱えて、迎えた大学選手権の九州予選。
もちろん目標は全国にあった。
去年の悔しさを晴らしたい。何よりいつも指導してくれている奏太さんに、勝って恩返しがしたかった。
自分たちのこれまでの取り組みは他に負けていないという自負もあり、勝ち進める自信はあった。
準決勝まで進み、相手はライバルの北九州市立大学。
全国まで後一歩。
自分はセットメンバーに入れず、やはりベンチから応援することになったがこの際、それはどうでもよかった。
ただ、勝ってみんなで全国に行きたい。それだけだった。
力になるのかはわからない、それでも声が枯れるまでみんなを鼓舞し続けた。

結果は1-3で敗北。全国大会ベスト4の目標は叶わなかった。
ホイッスルがなった瞬間、悔しくて涙が止まらなかった。
試合で負けて泣くのはあの日が最初で最後だった。
小中高と試合に負けて涙する仲間を見て理解できなかった自分が、この時は悔しくて涙が止まらなくなった。
全国に行けなかったこと、自分の不甲斐なさの全てが悔しかった。
試合後の挨拶で「また一からみんなで頑張ろう。いつかあの日負けて良かったと思えるくらい強くなろう」と泣きじゃくりながら想いをみんなに伝えた。

リベンジに燃えていた。
もうこんな悔しさは味わいたくない。
冬の九州大学リーグを見据えて、また頑張っていくことを決意した。

そんな矢先の出来事だった。
大切な人が亡くなった。
ひどく落ち込んで、何も手につかなくなった。
フットサルもFORZAも全てがどうでも良くなって、意味を見いだせなくなった。

なぜ今のタイミングなのかと、何度も思った。
キャプテンとしての責任やプレイヤーとしての現状の全てが当時の自分には重く、捨ててしまいたいと思う日々だった。
そうしてみんなには何も告げず、FORZAを逃げるように辞めた。
キャプテンがシーズン途中で投げ出すなんてありえない。示しがつかない。
そうも考えたけれど限界だった。
本当にごめんなさい。

それからは現実逃避の毎日。
特に何をするでもなく、ダラダラと現実から目を背けていた。
みんなの活躍が眩しくてFORZAの活動をできるだけ見ないようにした。
もうFORZAのことは忘れてしまおうと思っていた。

そんな生活が半年続いた頃、県リーグの最終節でFORZAの優勝が決まるということで久しぶりに試合に足を運んだ。
正直、試合自体は終始FORZAが圧倒するもので面白いとは言えなかった。
ただ、みんなの必死にプレーする姿。ベンチの活気。
何より優勝して喜ぶみんなを見ていると、自分の中に押し込めていた感情が湧き上がってきた。
悲しさのあまり、一番大切にしていたものを捨ててしまったことに気づいた。
FORZAの存在は自分にとってすごく大きく、かけがえのないものだった。
ようやく気づけた。本当はずっとみんなとフットサルがしたかったんだと。

その後、チームに復帰させてもらい、コロナの影響を受けながらも1年間活動することができた。
コロナの影響で満足に活動はできず、相変わらず試合には出たり出れなかったりだったけれど、みんなと一緒にフットサルをすることはやっぱりすごく楽しくて、また前を向いて生きることができるようになった。
FORZAのみんなのおかげです。本当にありがとう。
失った半年間はあまりにも大きくて、あの時投げ出してしまったことには後悔が募るけれど、キャプテンを任せてもらえたことは本当に嬉しかった。
至らないところもたくさんあったけれど、ついてきてくれてありがとう。


後輩に向けて
今までありがとう。
そしてたくさん困らせてごめんなさい。
最後に一つお願いがあります。

どうか最後まで、FORZAでの活動を続けて欲しい。

選手層が厚くなり、組織が肥大化していく中でプレー内外で思い悩む人も多いと思う。
努力しても試合に出られる訳じゃない。
思うように結果が出ない。
年次が上がればやりたくないこともしなくちゃならない。
就活や研究室等の活動もどんどん忙しくなってくる。
悩みは十人十色だと思う。
そんな悩みを抱えていると、ふと辞めたいと思うこともあると思う。
その気持ちすごく良くわかる。思い通りにいかない中で続けることが誰にとっても難しい。

それでも一時の感情に流されず、どうか続けて欲しい。
引退した今、思うことは本当に最後まで続けて良かったということ。
4年間で培った仲間との関係性、本気でフットサルに取り組めたことは絶対みんなの宝になる。
もう、こんな本気でぶつかり合える仲間なんて出会えないのかもしれない。
だからこそ4年間を大切にして、最後まで本気でフットサルに挑戦して欲しい。
後輩たちは僕らよりももっと強くなれるはずです。陰ながらずっと応援しています。がんばれ!

奏太さんに向けて
4年間ありがとうございました。
FORZAがサークルの延長からここまで強くなることができたのは、間違いなく奏太さんのおかげです。
奏太さんのことをずっと尊敬していました。
就活中の最終面接で唐突に聞かれた「尊敬する人は?」という質問に真っ先に浮かんできたのは奏太さんでした。
奏太さんを見ているとできないなんて言えない、妥協せずに本気になればなんでも実現できる。
そう思わせてくれる存在でもありました。
選手から見える所はもちろん、見えないところでも多大な時間を割いていただいている事。
僕のプレーが少しでも良くなるようにと、個人的に指導していただけたこと。
奏太さんの求める水準が高く、キツいと思うこともあったけれどそれも含めて本当に感謝しています。ありがとうございました。
少しずつですが、恩返ししていけたらなと思います。

最後に
同期のみんなへ。

4年間、本当にありがとう。

ふざけているようで真剣で
なんだかんだ仲間思いで
誰よりもフットサルが大好きで
いざという時は団結できる

そんなみんなが大好きです。

飲んで熱く語ったこと。
一緒にたくさん馬鹿なことをしたこと。
本気で喧嘩したこと。

何よりこのメンバーで本気でフットサルに取り組めたことは、最高の思い出です。

本当にありがとう。この8人で本当によかったよね。
4年間で得た一番大きなものは、四年生のみんなです。
出会えたことにすごく感謝しています。

どうか元気で。

また会いましょう。


#7 柴田 諒
学年:4年
学部:経済学部
出身地 / 出身高校:長崎県 / 長崎南高等学校

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