西瓜士からのあいさつ

初めまして、もしくはこんばんは、西瓜士と申します。

読み方はにしうりつかさ、気軽ににしうりとかつかさとか呼んでください

このたび「地雷忍者るるの失恋」をコミックDAYSで連載させていただくことになりました。

かつてモーニングにて読み切りを掲載した「地雷忍者るるの失恋」

がネット上でまあまあ好評だったということで、じゃあいっちょ読み切りを0話として、企画これで作ってみましょうという話になり、担当さんの手腕もあってあれよあれよと企画が通ってしまった正式な続編となります。

ですます調があんまり得意じゃないのでここからはいつもの調子で

2021年の年末ごろに漫画賞初投稿の「インサイド・ザ・ボックス」がちば賞入選を取ったという報を受けたとき、担当さんは電話口で「一年で連載勝ち取ろう」とおっしゃった。

あれから1年半ちょっとかかってかつてのようやく約束を果たすことができたのだが、現在は締め切りに間に合わずひーこら言っており、次は目先の約束を果たそうねという話だ。

自分はすごいと常に言い聞かせないと暴れまわってしまいそうなので自画自賛タイムを挟むのだが、

2021年夏 漫画賞初投稿⇒ちば賞入選 DAYS・Dモ掲載
2022年春 ちば賞二回GO⇒再度ちば賞入選 DAYS・Dモ掲載
2022年秋 モーニング読み切り掲載
2022年冬 DAYS・Dモ読み切り掲載
2023年5月24日 連載開始

すごくないか?すごいと思う もう少し神輿担いでくれ

で、なんでわざわざ過去の話をし始めたんだ、もう年寄りの真似事かと言われるかもしれないのだが、半分は正解である種の心境の変化について読む人だけが読むnoteにでも書いておこうと思ったからで、

「インサイド~」から「ふたりの告白」あたりの西瓜と、それ以降の西瓜で漫画的なマインドが全く異なっているのはなんとなくお気づきの方もおられるだろう。

ちば賞トライ時代、おれの好きな作家は黒田硫黄であり、画面でやりたいことはガロであり、アメリカ人が二本指を屈伸させて表現するダブルクォーテーションの"作家様タイプ"、いわゆる「やりたいこと先行」の漫画家になろうとしていた。

自分でもこれは正解だと思っていて、逆に言えばそこから「誰かが読みたいもの」を描きたい、という方向にスライドしていく決意も正解だったと思う。

絵の下手さを、分かりづらさを「新人賞」という下駄でごまかしてもらっていた時期を終え、商品の話になったとき自分になにができるかと考えたとき、賞の講評でも頂いていた「キャラ」というのは一つ自分の強みとして大事にすべき点だった(キャラがなければ関係もあり得ない)。

「顔漫画」「ぼっ立ち会話」について知り合い漫画家とよく話す。カメラor人間がアクションしていなければそれを漫画でやる意味がないという趣旨の話で、ところがキャラ漫画をやる場合、この顔こそが大事になってくる。
じゃあカメラの中心にしっかりキャラを捉えて、それでいて顔漫画でない漫画をやるにはどうすればよいのかというのは、これまでの方法論からまたガッとやり口を変えなくてはならない。

「るる」を描くにあたって、「ふたりの告白」などで得た読者が何人かおれに失望する様子もTwitterで見かけた。
こっちの方向じゃない、読みにくくなったという感想だ。
全てを得ることはできないので、おれは失ったものがなにもないかのような顔をしていなければならない。が、離れていった以前の読者はもし待てるのならもう少しだけ我慢してほしい。

おれは漫画も絵もなにもかも下手なのだが、漫画を練習する方法がもう連載しかなかったので、現在進行形で「良い漫画を描くために」漫画を描いている。だからあなたたちが本当に読みたい漫画が描けるようになるのはもっと(10年とか)先かもしれない。本当に読みたかった漫画になったらその旨おれに教えてください。

西瓜士

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