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黄斑円孔入院記(4)

こちらの内容は後日談含めて自前のブログにお引越ししました。よろしければリンク先からご覧ください ↓


ここで、今までの流れをぶったぎって、「結局どうだったの?」という話をします。理由は文末に書きます。


バラ色の未来が約束されたわけではない

私が黄斑円孔という診断をうけて、することになった手術は
硝子体切除術、というものでした。
説明されたことを素人なりのイメージで書きます。厳密には違うかもしれませんが、ご了承くださいね。

これは、硝子体という眼球にある物体が加齢によって収縮することで
黄斑部分の皮膚をひっぱってしまう。

「ささくれ」が生じて、さらにひっぱることで「ささくれ」を引っ張って穴があく(円孔)のだから
「だったら、硝子体、要らなくね?取っちゃおうぜ」
というものです。

でもそのままだと開いてしまった穴は塞がらない。そのために、硝子体のあったところにガスを注入して、そのガスの圧で はがれかかった「ささくれ」をもとの場所におさめたり、圧で穴をふさぎにかかるのです。

だから、ガス圧が確実に黄斑部分にかかるようにしないといけない。
そのためには黄斑部を常に天井に向けておく必要がある。
黄斑部イコール眼球の奥です。つまり、後頭部を天井に向けておく。
うつぶせです。

なので、
手術自体は「これ以上ひどくならないようにする」ためのものです。「穴をふさぐ」ためには、術後のうつぶせのほうが大切。
そして
それでも穴は塞がるか、すぐに結果は出ないし、穴が塞がってても網膜の「光を感知する機能」が完全復活するかどうかは、別問題。
なのです。

現に、私は術後2か月ぐらいたちますが、意外とまだ見えてない個所もあるし、なんとなくゆがみも残っています。
先生の話だと、視力の回復には半年ぐらいかかることも普通 ということなので、半年後を楽しみに待っていますが、どうなるかわかりません。

それでも手術をした理由、それはひとえに「これ以上悪化させたくない」からに尽きます。そして今のところは「これ以上悪化」のリスクを減らせたという意味で、手術してよかった、と思います。

やっぱり入院は楽

オウハンエンコウ で検索すると、結構ポピュラーな病気のようで、治療・手術ができる眼科はたくさんひっかかります。中には「入院不要!すぐにおうちに帰れます」というのをうたっているところも。
手術が決まって、ネットで検索したときにこれを見て、「なんで私は2週間も入院しなきゃいけないの」と不満でした。
かかりつけの地元の眼科からベルトコンベアー式に大学病院を紹介されて、いわば、診療施設の選択の余地なく、手術そして入院。
最初から「日帰りもしくは1泊2日で家に帰れるんなら、仕事に穴をあけることもないし、こっちがよかったよ」とも思いました。

でも、結果的に、入院で大正解でした。

うつぶせでは、何もできません。ふつうに置いてあるテレビも見れないし、そもそも前を向いて歩くことすら最小限にしてくださいと言われている生活。
その中で、食料品を買い、料理し、ご飯を食べることすら非常に不自由です。
さらに、手術後は眼に傷がついているので、抗生物質の服薬と、数種類の目薬が処方されます。これが1日3~4回さす必要がある。
さらに、診察も毎日のようにあります。

これをこなすことが、日常生活と両立できたとは思えません。

ここはすっぱりあきらめて、仙人のように入院療養にどっぷり漬かること。これがかえって、再手術のリスクも減らすことにつながるのではないかな、と思います。

うつぶせ生活の必需品はストローとスマホ、そしてシップ

ネットの入院記ブログなどを見るとかならず書いてある「ストロー」。
これは確かに必需品です。
下を向いている時間が長ければ長いほどよいので、水を飲むにもラッパ飲みはしないほうがよいです。
私は長い折れ曲がるストローをペットボトルの水にさして、折り曲げてキャップをして冷蔵庫に入れていました。
ストローだと熱い飲み物は飲めないので、熱いコーヒーが恋しかったです。

そして、前を向いて生活もできないので、先ほども書きましたが病室そなえつけのテレビは見ることができません。
どうしても見逃したくないドラマ(私の場合朝ドラだったw)などは、スマホで見られる見逃しサービス(NHKプラスとかTVerとか、今は便利ですね!)を利用して見ていました。あとはradikoでラジオを聴いたり。

そのほかにも、朝の目覚ましや日中の目薬タイミングを知らせるためのアラーム、「5分置いて違う目薬を差す」ときのタイマーをセットしたり、もちろんメールをしたりSNSのぞいたり、と、やっぱスマホ万能!と思ったものです。(そもそも自分は若干スマホ依存のケがあるのですが・・)

と、昼間のだいたいの活動は、病室のベッドに腰かけてうなだれてスマホやタブレットの画面をのぞきながら、だったのですが、これを続けているとテキメンに首のうしろと肩にキます。もうバッキバキです。
しまいには、45分の大河も続けて見れないぐらい、首と肩が痛くなってしまい、シップを処方してもらって看護師さんに貼っていただくことになってしまいました。

首の後ろや肩は、自分でシップを貼るのもやりづらい位置なので、アンメルツヨコヨコ的な消炎鎮痛剤のほうが、より便利かもしれません。
あ、入院時に外部からの薬の持ち込みは、いかに外用のシップといえども制限がある場合があるので、確認してくださいね。

2週間、には理由がある

最初に言われた「入院期間2週間」には理由がありました。
手術後、ガスを注入したあと、うつぶせ生活をしながら毎日を過ごすうちに、そのガスはすこしずつ抜けていきます。
そして、ある程度ガスが抜けた後でないと、黄斑部分の状態を確認することができないのです。
この「確認」までに要する時間が、大体手術後1週間でした。
ここで、なんとなくでも「お、うまいこと圧がかかって塞がりつつあるな」となれば、その後数日様子を見て、さらにガスが抜けて、さらに確実な確認ができて、退院の判断がされるということです。
逆に、その時期に「あれ、これダメだったかも・・?」ということもあるようです。そのときは再手術ということになる場合もあるでしょう。

どちらにしても、
確認の診断が下りる前に うつぶせ生活が何日かあるので覚悟しときましょう。そしてその時期こそがうつぶせ生活に全集中すべきとき!
ということです。

・・で結局、私の場合

私の場合は、おかげさまで「わりと経過良好」なほうでしたが、
手術後のうつぶせ生活が1週間 
その後3日間「普通に顔をあげて生活しても良いけれど、仰向けにはならないで」と言われ、
退院は手術後10日経ってから。(というわけで、当初の2週間からは若干早まったということになります)

さらに、外来での診察を経て「洗顔OKシャンプーOK、仰向けに寝てもOK」が出たのは手術後2週間を経過した後。
コンタクトレンズの装用OK、運動OKが出たのは、手術後2か月近く経ってからでした。


さて、なぜ、この入院記(4)でまとめ記事っぽいことを書こうと思ったのかについて、最後に記しておきます。

私が入院・手術を前に「黄斑円孔」をキーワードにしてネット検索をしたとき、なかなか思うような記事にヒットしませんでした。それはなぜか。
この病気の原因には「加齢による硝子体の収縮」が多く、そのため罹患している人の年齢層はおおむね高めです。
実際入院時、周囲を見渡しても私は多分若いほうだったと思います。(私も50代後半ですが)

そういった年齢層と、Noteなどを利用してネットに記録をアップする年齢層にはやっぱり隔たりがあるのですよね。
だからこそ、手術することになったとき、他の人はどのような経過をたどったのかの参考として、このような記録をアップしておくことには意味があるのではないかと思ったのです。

私は、幸いなことに体が丈夫で入院生活自体が目新しく、そのことで多くのことに気づいたことがありました。そんなことをつらつら書くあまり、入院になる前に記事が3本になってしまった時点で、「本当に手っ取り早くほかの人の経過を知りたい人にとっては、これって冗長すぎるんじゃないの?」と思い至りました。

ですので、まだまだつらつらと記録のようなものは書かせていただくと思いますが、ここでFAQじゃないけど、「とりあえず診断を受けた人が検索して見たときに手っ取り早く参考になりそうなこと」を一本、まとめて置いたほうが良いのだと思いました。

あくまでも私の場合、ということでご理解いただいたうえで、参考にしていただければ嬉しいです。




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