7月に聴いたアルバム
●=個人的に良いアルバム/◎=再聴したアルバム
7月1日(月)
・Black Sabbath - Paranoid (1970)
ブラック・サバスの2nd。「War Pigs」めちゃめちゃかっこいい。ギターが一本しか鳴ってないのでこの頃は3ピースなのかな? とYouTubeで「Paranoid」のPVを確認したが、普通にオジーがギター弾いてないだけだった。「Iron Man」イントロのリフに帰っていく展開が良い。基本的にどれもリフがいい。僕が中学生でギター小僧だったらのめりこんでたかも。
・Robert Wyatt - Rock Bottom (1974)
ロバート・ワイアットの2nd。「Sea Song」ただ美しいだけでなく妖艶な雰囲気もあるすばらしい曲。「Little Red Riding Hood Hit The Road」逆再生のような加工や無際限に鳴らされるトランペットに圧倒。「Alifib」なぜかあまりに悲しい。
●Marvin Gaye - What’s Going On (1971)
マーヴィン・ゲイの11th。「What’s Happening Brother」「Save The Children」の歌詞に明らかなように、アメリカの社会問題を中心とした曲が多い。曲間のつながりがとてもいい。「Save The Children」→「God Is Love」→「Mercy Mercy Me」の流れるような進行もいい。「things ain’t what they used to be」という歌詞にあるように、戦争や飢餓、秩序の乱れといった問題のはびこる世界を、キリスト教の愛でもって修復しようとするゲイの力のある声にぐっとくる。「God knows where we’re heading」。
◎Herbie Hancock - Head Hunters (1973)
ハービー・ハンコックの12th。何度目かの再聴。「Chameleon」めっっっっっちゃかっこいい。イントロから完璧すぎる。楽器の一つ一つがちゃんと生きている。「Sly」好きなのが全員でピタッと音が合うところ。バンド音楽の真髄ともいえる。
・Bill Evans Trio - Waltz For Debby (1962)
1961年ヴィレッジ・ヴァンガードでのビル・エヴァンス・トリオのライブ音源。グラスを片付ける音や咳き込みや笑い声が聞こえる。ベース、ピアノ、ドラムの三人のみだが、音の粒が揃っていて、これ以上必要な音がない。ベースとドラムの絡み合いがいい。引き算の美学を感じる。
7月2日(火)
●Bill Evans & Jim Hall - Undercurrent (1962)
ビル・エヴァンス(ピアノ)とジム・ホール(ギター)のセッション。ジャケットが凄くいい。「アンダーカレント」は(思想や水の)底流、という意味。ドラムやベースなどのリズム隊がないため、ギターとピアノがまさしく底から音を作り、支えている。「Romain」アウトロのギターとピアノの絡みがいい。たった二つの楽器で浮き沈みや緊張と弛緩を表現できるのには恐れ入る。
・Donald Fagen - The Nightfly (1982)
スティーリー・ダンのドナルド・フェイゲンの1st。いわゆるAOR。『Aja』も好きなのだが、あの音とはまた違った内省的なサウンド。「Green Flower Street」良い。心なしか音もいい。いかにも80年代の夜の街というような音楽。
・The Beach Boys - Surf’s Up (1971)
ビーチ・ボーイズの17th。ジャケットがいい。暗闇のなかうなだれた騎兵。しかしそのイメージに反して明るい曲も多い。「Disney Girls (1957)」良い曲。「Student Demonstration Time」演説のようなボーカルのロックンロール。B面のだんだんと暗くなっていく演出がいい。きわめつけが表題曲の「Surf’s Up」。コーラスのあまりの美しさに惚れ込んだ。
・レミオロメン - HORIZON (2006)
レミオロメンの3rd。プロデュースは小林武史。日本のバンドあるあるだが、メジャーデビューすると有名プロデューサーが売れやすくするために音をたくさん追加するのでバンドの持ち味が薄れてしまうことがよくある。が、このアルバムは良い。「プログラム」がもろRadioheadのAirbag。歌詞が面白い。いまでいうback numberの立ち位置だったんかなあ。「明日に架かる橋」サビがワンダーフォーゲルみたいでいい。
7月3日(水)
・Nick Drake - Bryter Layter (1971)
ニック・ドレイクの2nd。サポートメンバーが結構多い。めちゃくちゃ個人的な好みなのだが、彼の声はアレンジがよりシンプルであるほど映えると思う。「At The Chime Of A City Clock」良い。「One Of These Things First」ピアノが良い。そしてやっぱりギターがうまい。『Pink Moon』よりもアレンジが丁寧で、音はいいが、僕としてはどうしても『Pink Moon』に軍配が上がる。
●R.E.M. - Automatic For The People (1992)
R.E.M.の8th。カート・コバーンが自殺前に聴いていたアルバムだという。アコースティック主体の質の高いバンド音楽。「Everybody Hurts」良い。それから、最後の「Man On The Moon」→「Nightswimming」→「Find The River」がおそろしく美しい。特に「Find The River」。ここまで情感をたかぶらせるピアノもそうそうない。
●Joni Mitchell - Blue (1971)
ジョニ・ミッチェルの4th。『Clouds』が近づきがたい感じだったのに比べると明るめで聴きやすい。表題曲「Blue」疲れた感じが良い。「California」めっちゃ歌詞が良い! 「River」物悲しいが温かみを感じる。やっぱりどこか怖い。
7月4日(木)
●Black Midi - Schlagenheim (2019)
ブラック・ミディの1st。財布の事情で新譜はあまり買わないようにしているのだが、こればかりはどうしても欲しくて買ってしまった。とにかくかっこいい。スリントのような緊張感に、ジョニー・ロットンのような高音、バトルスのような曲構成がどストライク。「Near DT, MI」超クール。きわめつけが「Ducter」。じわじわ迫ってくる感じが良い。名盤。
・Red Hot Chili Peppers - Blood Sugar Sex Magik (1991)
レッチリの5th。実はかなり長いので通しで聴いたことがなかった。リズムを重視したファンキーなバンド音楽。フリーのベースはやっぱいい。おそろしいグルーヴ。「Suck My Kiss」ギターが良い。「The Righteous & The Wicked」良い。「Give It Away」最初に聴いたときの衝撃は凄まじかった。バンド音楽ってこういうものを追求すべきだよなあ。
・Led Zeppelin - Led Zeppelin III (1970)
レッド・ツェッペリンの3rd。「Immigrant Song」ギターもそうだがベースがめっちゃかっこいい。「Out On The Tiles」ギターが良い。ハードロックというよりはブルース色の強いアコースティックの多めなロックという感じ。特に引っかからない。
・Mare - Mare (2004)
カナダのメタルバンド、メアのEP。タメとその発散のバランスがいい。3人でありながら音は重厚で賛美歌のようでもあり、たった5曲だが充分満足できる。「Palaces」良い。ただ問題なのは、日本盤の帯に「来年アルバム発表」とありながら、このEP一枚でメアが解散したことである。
7月5日(金)
・Ween - The Mollusk (1997)
ウィーンの6th。ジャケットがクソ。セサミストリートみたいな曲で始まり、ビーチを思わせる陽気な音楽を挟み、カントリーっぽくなり、パンクっぽくなる。人を食った音楽性。「It’s Gonna Be (Alright)」良い。「Buckingham Green」かっこいい。「Ocean Man」やはり良い曲。
・The Damned - Damned Damned Damned (1977)
ダムドの1st。邦題は『地獄に堕ちた野郎ども』。これとセックス・ピストルズは80sパンクの始祖みたいにいわれている。とにかくシンプルに突っ走っていく感じのアルバム。「New Rose」が一番よかった。ボーナストラックなのだがビートルズの「Help」カバーも良かった。
◎Bon Iver - Bon Iver (2011)
ボン・イヴェールの2nd。「Perth」最高。高1くらいの頃よく聴いていた。「Holocene」完璧。ちょうど僕のような人間でも理解できる音楽というのがいい。正直『22, A Million』は難しくてよくわからない。「Wash.」良い。「Calgary」もいいね。「Beth / Rest」80年代風のアレンジ。名盤。
7月7日(日)
・They Might Be Giants - They Might Be Giants (1986)
ゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツの1st。音自体はとてもコミカルでポップ。「Don’t Let’s Start」良い曲。どの曲も短く、2分かそこらで終わるのでテンポもいい。バラエティも豊富でビートルズのホワイト・アルバムを聴いているよう。「She’s An Angel」良い曲。聴いてると元気になれる。
・King Crimson - In The Court Of The Crimson King (1969)
キング・クリムゾンの1st。「21世紀の精神異常者」を最初聴いたときカルチャーショックを受けた。ガツンとくるイントロ、ジャズのような構成、ギターの音。40年以上も昔に、こんなかっこいい曲が存在したのか、という感じだった。この曲と、Yesの「Roundabout」、ジミヘンの「Spanish Castle Magic」を聴いたときのショックはいまでも強い。「Epitaph」大名曲。
・LOVE PSYCHEDELICO - THE GREATEST HITS (2001)
ラヴ・サイケデリコの1st。デビューアルバムに「ベスト盤」と名付ける度胸。英語の発音がいい。60、70年代のロックを行き来するような音楽。「I mean love me」が好き。
・Grouper - The Man Who Died In His Boat (2013)
グルーパーの9th。過去音源のアウトテイク集。『Ruins』が好きで、たびたび聴くのだが、こっちはそちらと違いギター主体の弾き語り。遠くにマイクがあるように音がこもっていて、歌詞はひとつも聴き取れない。「Being Her Shadow」良い。「Towers」良い。「Living Room」歌謡曲っぽくて良い。
7月8日(月)
・BORIS - PINK (2005)
ボリスの10th。ノイズで塗り固められた音楽。一曲目の「決別」から怒涛の音像に圧倒される。とても3ピースで出す音ではない。ゆらゆら帝国を思い出すが、こっちはよりノイズに特化していると思う。「別になんでもない」かっけえ。「偽ブレッド」良い。「俺を捨てたところ」凄い曲。おおかた曲がぶつ切りなのも良い。
・Broken Social Scene - You Forgot It In People (2002)
ブロークン・ソーシャル・シーンの2nd。バンドメンバーが多い。意外に聴きやすい。曲ごとにだいぶ雰囲気が変わり、トリビュートアルバムみたいな感じ。「Pacific Theme」良い。
●Sly & The Family Stone - There’s A Riot Goin’ On (1971)
スライ&ザ・ファミリー・ストーンの5th。スライ一人でアルバムのほとんどが作られている。全体的に、それまでの曲と比べるととても暗い。アレンジもシンプルで歌詞は余白が多め。なんだかけおされるものを感じた。音質もそんなによくないのだが、より原始的な「ファンク」を感じる。ひょっとしてものすごいアルバムなのではないか。抑えに抑えられたコーラスと、曲を引っ張る太いベースが印象に残る。
7月9日(火)
●山下達郎 - FOR YOU (1982)
山下達郎の6th。「SPARKLE」小気味いいギターのカッティングで始まる名曲。山下達郎は音を多く重ねるが、その配置がどれも見事なので、聴いていてまったく胃もたれしない。「FUTARI」すばらしい。コーラスがいい。「LOVE TALKIN’ (Honey It’s You)」コーラスがいい。好きな曲。ノーナ・リーヴスっぽさを感じた。「HEY REPORTER!」変な声。ファンク。
7月11日(木)
◎Neil Young - After The Gold Rush (1970)
ニール・ヤングの3rd。いつ聴いても良い。「Only Love Can Break Your Heart」サビが美しすぎる。一時期こればかり聴いていた。特に言うこともない。名盤。
◎Steely Dan - Aja (1977)
スティーリー・ダンの6th。再聴。だいぶ金かけて作ったアルバム。音がいい。特に言うことなし。名盤。
7月15日(月)
・Nona Reeves - NONA REEVES (2002)
ノーナ・リーヴスの4th(インディーズ時代のものも含めると6th)。ポップスとして非常に完成度が高い。「欲望」名曲。「Hippopotamus」名曲。YouTubeに8分のライブバージョンがあるがぜんぜん飽きない。MJやソウル、ファンクへのリスペクトが随所に感じられる。「Gimme Gimme」曲全体で盛り上げていく感じ。良い。名盤。
●はちみつぱい - センチメンタル通り (1973)
はちみつぱい唯一のアルバム。「塀の上で」めちゃくちゃ良い! 久々にこんな良い曲を聴いた。表題曲のコーラスが素晴らしい。ジャケットのような日本の原風景を音楽にしたような、いい意味で古臭いフォークロック。「君と旅行鞄」ぐっとくる。名盤。
・スキマスイッチ - 夕風ブレンド (2006)
スキマスイッチの3rd。「藍」良い。ベストアルバムに『POPMAN’S WORLD』と名付けるだけあって、ポップスのセンスがずば抜けてる。あと歌詞がいい。「ボクノート」名曲。「ズラチナルーカ」友達に教えてもらった曲なのだが、あまりに良すぎてずっと聴いていたい曲。展開が少なくてシンプルなのがいい。「糸の意図」に続くのもいい。「アーセンの憂鬱」良い。良盤。
・Interpol - Turn On The Bright Lights (2002)
インターポールの1st。「Untitled」めっちゃ好き。全体的に雰囲気が重々しい。楽曲構成はシンプル。正直あまり引っかかるものがない。The xxの初聴と同じ感じ。「Leif Erikson」良い。
7月16日(火)
・Low - Things We Lost In The Fire (2001)
ロウの5th。アルビニ録音。極寒地帯を思わせるような寒々とした音像。曲自体もあまり展開しない。「Dinosaur Act」名曲。あまり引っかかるものがない。しかしアルビニ録音特有の緊張感は感じられる。
7月19日(金)
・井上陽水 - 氷の世界 (1973)
井上陽水の3rd。「あかずの踏切り」でいきなり面食らう。「帰れない二人」超超良い曲。シングルのB面曲とは思えない。「氷の世界」めっちゃかっこいい。歌詞のナンセンスさがものすごく現代っぽい。ファンク。
7月20日(土)
◎Fugazi - Red Medicine (1995)
再聴。フガジの4th。「Bed For The Scraping」超良い。このバンドほど緊張感でビリビリしたバンドもない。ピアノの曲も入れたり(Birthday Pony)電子音を入れた曲もあったり(Version)実験的な印象。「By You」名曲。静と動の峻別。
◎想い出波止場 - 水中JOE (1991)
再聴。想い出波止場の2nd。プログレとかエクスペリメンタルロックとかの類。「22次元」いきなりわけがわからないが、「取り返しのつかない重大な」でピタッと音がやむのはめっちゃ良いと思った。「太ッ腹」よくわからん。「第三ROCK」唯一まとも。
・怖い卓球部 - スマッシュ1 (2018)
怖い卓球部のコンピレーション。15分以内に作られた曲の数々。「長い昼寝」馬鹿馬鹿しいが良い。「New Guitar」エモいじゃん。「CLONE6」???よくわからん。Tumblrにボツ音源が上がっているので気になったら調べてください。「理由なき坊主」歌詞にちょっと共感。
7月21日(日)
・Squarepusher - Ultravisitor (2004)
スクエアプッシャーの7th。「Iambic 9 Poetry」大大大名曲。あまりに美しい。この曲に何度救われたことか。狂気のなかでふと見せるこの優しさがまたいい。「Steinbolt」いつものスクエアプッシャーという感じの曲。彼の音楽は徹底した破壊とそこから生じる美にあると感じる。「Circlewave」良い。エレクトロニカとジャズの融合。「Everyday I Love」で終わるのもいい。名盤。
●The The - Dusk (1993)
ザ・ザの4th。ジョニー・マーが参加。「Love Is Stronger Than Death」歌詞が良い。「This Is The Night」もいい。「Helpline Operator」の皮肉にまみれた歌詞もいい。「Lonely Planet」めっちゃいい。未来へ向けて新しく踏み出していく感じ。名盤。
7月22日(月)
・山下達郎 - SPACY (1977)
山下達郎の2nd。「Love Space」良い曲。アレンジがシンプルで、楽器も少なく、しっとりした曲が多い。彼のアルバムで一番売れなかったらしいが、たしかに盛り上がりには欠けるので、仕方ないといえば仕方ないのかも。「Solid Slider」張り詰めた空気。名曲。
7月24日(水)
・The Lemonheads - It’s A Shame About Ray (1992)
レモンヘッズの5th。いかにもこの時代のオルタナティブロックという感じ。ポップで聴きやすい曲が揃っている。「My Drug Buddy」良い。あまりに普通なので言うこともない。印象に残ったのは、ニルヴァーナとは違ってアコギ主体でアルバムが進行すること。楽曲全体にみずみずしさを与えている要因かもしれない。
7月25日(木)
・山下達郎 - 僕の中の少年 (1988)
山下達郎の9th。「新・東京ラプソディー」のっけから良い。「ゲット・バック・イン・ラブ」これも良い。デジタル録音になって楽器の使い方が多少変わった?と感じる。「踊ろよ、フィッシュ」音の配置が完璧。「ルミネッセンス」コーラスが良い。「蒼氓」名曲。表題曲も良い。最初に聴くならこのアルバムが最適なのでは、と思う。
・The Postal Service - Give Up (2003)
ポスタル・サーヴィスの1st。デスキャブのボーカルとDntelが組んだユニット。「Such Great Heights」名曲。「Nothing Better」音がいい。デスキャブにあった暖かみとはまた別な、電子音を主としたヒーリングミュージック。「Clark Gable」良い。
7月26日(金)
●PJ Harvey - To Bring You My Love (1995)
PJハーヴェイの3rd。生々しさのある音作り。「Working For The Man」緊張感が良い。ビブラートやこぶしの利かせ方がそのまま楽曲の雰囲気に直結していて○。「Long Snake Moan」で一気に爆発する構成もいい。ジャケットからは想像できない音像だが、非常にかっこいい。どの曲もいい。
・The Jesus & Mary Chain - Honey’s Dead (1992)
ジーザス&メリーチェインの4th。「Reverence」キリストみたいに死にたい。良い。シューゲイザーを踏まえたポップ。「Far Gone And Out」ギターがいい。「Catchfire」良い曲。このフレーズだったら10分くらい聴ける。「Rollercoaster」もいい。「Sundown」ゆったりしている。こういうのに弱い。良いアルバム。
7月28日(日)
・Isis - Panopticon (2004)
アイシスの3rd。全7曲59分。インストに近い。クリーントーンとディストーションの使い分けがいい。劇的な展開や、テクニックに凝ったフレーズがあるわけではないが、音作りが緻密で想像性に富む。内省的な音使いが、さながらパノプティコンの様相を呈した現代社会への警鐘だろうか。アルバムの終わり方がめちゃくちゃいい。
7月29日(月)
◎Joy Division - Unknown Pleasures (1979)
再聴。ジョイ・ディヴィジョンの1st。「Insight」にみられる本気か冗談か判断のつかないような音作りが、本作をより陰鬱なものにしている。なにより「She's Lost Control」の音の作り方が怖い。イアン・カーティスがすぐ近くにいるような音の配置。安っぽいシンセの音やスネアの音が切羽詰まった人間の苦し紛れのギャグのように聴こえる。
7月31日(水)
・capsule - FRUITS CLiPPER (2006)
capsuleの7th。Perfumeのベスト盤が出たのと同じ年。意外に中田ヤスタカが若くて驚く。「jelly」名曲。スムースに進むので正直曲名をあまり見てなかったのだがどれもいい。「dreamin dreamin」名曲。いつまでも聴き続けられる名盤。
・The White Stripes - Elephant (2003)
ホワイト・ストライプスの4th。「Seven Nation Army」超名曲。ギターとドラムの2ピースでここまでやれるのは正直異常ともいえる。音の薄さをガレージロックに昇華しているのも良い。長尺の「Ball And Biscuit」もいい。「Little Acorns」ニルヴァーナみたいな曲。普通に聴きやすい。特にひっかからなかった。
・大瀧詠一 - A LONG VACATION (1981)
大瀧詠一の5th。「君は天然色」あまりに良い曲。まったく衰えない。「カナリア諸島にて」も良い。真夏のビーチを思わせるような音。普通にいい。
◎Joy Division - Closer (1980)
再聴。ジョイ・ディヴィジョンの2nd。「Atrocity Exhibition」のようなリズムパターンのループが多い。「Isolation」シンセが怖い。「Passover」じわじわ迫ってくる。B面からはまるで葬送音楽のような雰囲気さえ漂ってくる。「Eternal」重い。みずからの死期を悟ったような曲。きわめつけの「Decades」。シンセがパイプオルガンに聞こえる。真剣に心の病気になりそうなのであまり聴かないでおこう……。
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