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送り付け商法(ネガティブオプション)とは。これまでとこれからを法改正を踏まえて解説!

実際に何をしたらいいか、対処方法をまとめたのはこちら!
【3分でわかる】自分宛てに覚えのない荷物が届いたらどうしたらいい?!送り付け商法への対応方法解説!

1.送り付け商法(ネガティブオプション)とは

送り付け商法とは、注文していない商品を、勝手に送り付け、その人が買ったものとみなして、代金を一方的に請求する商法です。
知らない送り主から食べ物や化粧品が送られてくると、何故かその費用を請求されるという商法でございます。

今回はこれまではこんなに送り付けられる方が不利だった、それがこう変わったよっていうことを法改正を通して見る回です!

ただ、令和3年7月6日以降特定商取引法の改正より、売買契約に基づかないで、一方的に送り付けられた商品は直ちに処分することができるようになりました

ここでいう処分とは、捨ててもよいし、そのまま飲み食いしたり使ったりしても問題がないということですので、
食べ物が送られてきた場合、それを仮に食べてしまったとしても、金銭を支払う必要はなく、仮に誤って代金を支払ったとしても返還請求ができます。

今後の一方的な送り付け行為への対応3か条は、以下の通りです。
具体的な対応方法については【3分でわかる】へまとめましたので、こちらご覧ください。

今後の一方的な送り付け行為への対応3箇条
その1:商品は直ちに処分可能
その2:事業者から金銭を請求されても支払不要
その3:誤って金銭を支払ってしまったら、すぐ相談

2.法改正前はどうだったのか

端的にまとめると、「何が送り付けられても14日間”そのまま”保管していないといけなかった」。

改正前の条文は以下の通りでした。

(売買契約に基づかないで送付された商品)
第五十九条
販売業者は、売買契約の申込みを受けた場合におけるその申込みをした者及び売買契約を締結した場合におけるその購入者(以下この項において「申込者等」という。)以外の者に対して売買契約の申込みをし、かつ、その申込みに係る商品を送付した場合又は申込者等に対してその売買契約に係る商品以外の商品につき売買契約の申込みをし、かつ、その申込みに係る商品を送付した場合において、その商品の送付があつた日から起算して十四日を経過する日(その日が、その商品の送付を受けた者が販売業者に対してその商品の引取りの請求をした場合におけるその請求の日から起算して七日を経過する日後であるときは、その七日を経過する日)までに、その商品の送付を受けた者がその申込みにつき承諾をせず、かつ、販売業者がその商品の引取りをしないときは、その送付した商品の返還を請求することができない。

こちらを読みますと、このように思われるはずです。
「売買契約を締結した場合」とあるじゃないか、俺は一方的に送り付けられただけなんだ!と。

ここにこの条文の穴といえるような解釈がございます。
受け取った側が「これは自分宛てではない」と思われるということは、送りつけられた商品は、送った業者の所有物ですから、勝手に処分することはしてはいけませんし、送付されてきた物を使用・消費したときは、購入を承諾する行為として評価されます(民法526条2項)。

ここで例えば送られてきたカニを保管していたらそれがダメになってしまったり食べたりした場合、処分・消費したことになってしまいます。
つまり、カニを自分のものとして扱った=事後的にその売買契約を承認した ということになり、この条文の適用を受けてしまうのです。

また、商品を送り付ける際に書類を同封し、「商品が不要な場合は7日以内に返品してください。期間内に返品しない場合は、商品の購入を承諾したものとみなします」などと一方的に宣言する手法も良くあります。

勝手に送られてきた商品を返品しなければならない義務はなく、期間内に返品がないからといって、相手が申込みに承諾したものと勝手にみなすこともできません。
契約が成立するには申込みだけでなく、それに対応する相手の「承諾=買います・代金を支払いますという意思表示」が必要なので、商品を送りつけただけでは売買契約は成立しないのです。

ただ、箱の中に上記のような請求書が入っていたり、代金引換での送り付けが多いうえに、一度代金を支払ってしまうと、一般に売買契約に同意したものとみなされるので、返還請求が大変困難であった。

商品を受け取ってしまった、箱を開けてしまった、だから支払わなければならない、という消費者の心理を利用して代金を支払わせようとするもので、一度代金を支払ってしまうと、取り戻すのは非常に困難です。
その悪質性から特定商取引法という法律の規制対象になっています。

3.特定商取引法59条1項の改正について

この改正があったことで、保管の必要がなくなり対応が簡単になったわけなのですが、その改正内容を確認しましょう。

59条1項から以下の文言を削除されました。
「おいて、その商品の送付があつた日から起算して十四日を経過する日(その日が、その商品の送付を受けた者が販売業者に対してその商品の引取りの請求をした場合におけるその請求の日から起算して七日を経過する日後であるときは、その七日を経過する日)までに、その商品の送付を受けた者がその申込みにつき承諾をせず、かつ、販売業者がその商品の引取りをしないとき」

保管義務がなくなりました!!

これまでは14日以内に承諾をしない(特に何もしなくていいです)うえに、販売業者から引き取りがない(電話とかくると保管義務が伸びる)という要素が必要でしたが、これらがなくなったということは、
一方的に送られてきた荷物はその時点で売買契約と事後的になることがないので、お金さえ支払わなければ処分をしてしまってもいいのです。

だから、商品は直ちに処分可能だし、事後的に売買契約は成立しないので、事業者から金銭を請求されても支払不要となります。

3.結論

これまでもこれからも他のことでも同じですが、気を付けることはひとつです!
心当たりのない荷物にはお金を払わない!!!

もし、今家族に伝えていない代金引換での注文があったらすぐそれを教えてあげてくださいね!

本当にこういった悪質商法にであったことがあったり、他にもわからないこと、気になることなどがあれば、ぜひこの記事のスキ!とフォローとしてコメントやリプライをください!
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Mail: ohitashi24@gmail.com

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