腰椎圧迫骨折

圧迫骨折(腰椎) 簡単まとめ

圧迫骨折の病態をかいた記事です。
安楽姿位(腰への負担を減らす姿勢)や注意点なども書いています。
なったばかりで症状も強い時期にも参考にしていただけます。

※予後を良くするために正確な診断が大切です。自己判断ではなく、早目の整形外科受診をお勧めします。

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圧迫骨折は、 尻もちや転倒によって衝撃が加わり腰椎が潰れてしまった状態です。
腰椎の変性などで徐々に起こる場合もありますが、寝込むほどの強い痛みがなく後々レントゲンなどでわかるということも多いです。

【症状】

骨折による痛みと腰の不安定性によって寝返りや起き上がりで背中や腰に痛みが出ます。
痛みが出ずに症状に気づかない方もいますが、レントゲンなどで圧迫骨折がある場合は腰が不安定な状態ですので注意が必要です。


【痛みが強い時の対処法】

痛みの強い時期の対処法の基本は、予後をよくするため、
・さらなる骨折(変形)を防ぐ
・痛みを感じる時間を短くするまたは痛みを少しでも抑える

です。

意外かもしれませんが、腰への負荷が少ない姿勢を順に並べると寝る・立つ・座るになります。
(姿勢良く座っていても、立位の1.4倍もの負荷がかかってしまうのです・・!)

寝転がることが難しい場合は立っていた方が楽ですが、立ち続けることもできないので、寝た状態に近い姿勢で対応すると良いと思います。
楽な姿勢を選んでください。
立ち上がりを考えるとベッドが理想です。

○基本の姿勢
なるべく腰から背中で浮いている部分がないようにします。
脚も曲げた方が腰は楽です。


○横向きの姿勢
(腰痛がある方は股関節の硬さなどで横向きの方が楽な方もいます。)
こちらも腰が浮かないようにして、上になる脚もクッションで支えると楽です。


○うつ伏せがの姿勢
下にクッションを入れ腰が反ったりお腹が浮いたりしないようにします。


【起き上がる・立ち上がる】

基本的に一度横を向いて腕の力で行います。
起こしてもらう時も同様です。
仰向けのまま起きようとすると腰周りに力が入り難しいことが多いです。
立ち上がる際も前方につかまるものがあると楽です。

リクライニング機能がある寝椅子やベッドがあれば、そちらを使うと良いですね。


【洗面台などでかがむ動作が必要な時】 

基本はかがまないようにしたいですが、もし必要な時は片脚を少し曲げておくと楽です。


【圧迫骨折の経過】

通常1ヶ月程度で骨折部の癒合が始まります。硬めのコルセットで痛みの軽減と固定を行います。
その後骨折部の治癒に伴って、動いた時の痛みが減っていきます。
しかし、コルセットによる筋力の弱化などもあるため、少なくとも半年程度は機能改善や再発予防が大切です。


【骨折部はどうなるのか】

もともと姿勢不良や骨粗しょう症がある場合は骨折を機にさらに変形が進むことも多いです。
一度骨折した部位は再発予防も必要で、骨折による痛みが減ってきた段階で
・かたくなった腰や脚の柔軟性改善
・適切な体幹〜下肢トレーニング

を行うことが再発予防の観点からも望ましいです。

その際は、マニュアル化されたメニューではなく、あなたの体の状態にあった適切な指導をしてくれる場所でメニューを組まれることをお勧めします。
リハビリに行かれている方はその病院などが良いでしょう。

人の身体は千差万別で、これさえやれば大丈夫というものはありません。
ネットの偏った情報によって症状が悪化してしまった方も多く見ています。

これから先も付き合っていく体のこと、ぜひ大切になさってください。





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