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「金利生活者の安楽死」を受け入れられぬ積極財政派の矛盾



積極財政派の中には色々な者が居るが、その中でもよく見るのは、「高齢者福祉は国債を刷れば良い。高齢者を見捨てるな。」と主張する積極財政派である。それこそ、

観光業が栄え、他産業の賃金が伸びたことで労働者がそちらに移動してしまい介護施設が閉鎖されたというこのニセコのニュースに、「高齢者への福祉を犠牲にしてまでやることではない。観光業は基幹産業足り得ないのだから」(意訳)という風に言っていた積極財政派も居た。そういうことを言っている積極財政派の人らは、大抵「積極財政で景気を良くしよう」みたいなことも言っている。しかし、このニセコのニュースに対してそう言ってしまう姿勢に、自らの主張とのそもそもの矛盾が存在する。それは「積極財政と高齢者福祉が両立しないのに、その両方を主張してしまっている」という矛盾である。どういうことか、順を追って説明しよう。

そういう人たちの言う「積極財政による好景気」は、政府支出や減税などの財政政策による需要刺激を念頭に置いている。それは基本的にインフレと賃金上昇を伴うし、また労働需要も伸びると考えられるため、売り手市場になり、労働者の「仕事を選ぶ自由」も増え、「やりたくもない仕事をやらなければならない状況」は減る。

この文を見て、気付くことがあるかもしれない。それは「ニセコの例はその積極財政による好景気のミニ版なんじゃないの?」ということである。産業が栄え、賃金も上がり、労働需要も上がり、労働者の「仕事を選ぶ自由」が増え、「やりたくもない仕事をやらなければならない状況」は減っているというのがニセコの地で起きていることである。だからこそ、介護施設という「やりたくもない仕事」から抜け出すことが出来るために、また「仕事を選ぶ自由」も増えてしまったために、介護施設から労働者が実際に抜け出し、介護施設は閉鎖に追い込まれた訳である。つまり、ニセコで起こったようなことは、積極財政で好景気を実現すれば高確率で「全国的に」起こり得るということだ。
現に福祉産業が反景気循環的産業であるという証拠はまさしく山のようにあり、
研究 、

引用元→ https://himaginary.hatenablog.com/entry/20111223/why_boom_times_kill
himaginary’s diary
Hatena Blog
2011-12-23
(参照2024-5-13)
引用元→ https://himaginary.hatenablog.com/entry/20111223/why_boom_times_kill
himaginary’s diary
Hatena Blog
2011-12-23
(参照2024-5-13)

統計、

引用元→ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA205120Q3A021C2000000/
日本経済新聞
2023-10-23
(参照2024-5-13)

そのすべてが「福祉産業は反景気循環的産業であり、景気が良くなると人が減る」と示している。そしてこうも言える。そして積極財政には「自由を増やしてしまう」というメリットであり、またデメリットでもある効果が存在するということだ。

このように見ていけば、どこに矛盾があるか詳しく理解していただけるだろう。

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