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叶わぬ恋(お嬢様の恋愛物語)

彼女の名前は、
ジョセフィーヌ フランソワ ララー。

南フランスの大自然に囲まれた
豊かな土地にある貴族の娘でした。

心優しい美しいララーは、
ある青年に恋をしていました。

彼は、彼女の親が代々所有するぶどう畑で働いく農夫でした。

いつも明るく、気さくで、活発な彼は
真っ黒に日焼けして、向日葵のような笑顔で
お嬢様とお話をしていました。

彼の眩しい笑顔が彼女の心をとらえ、
いつしか好意は、恋に変わったのです。

ララーは、彼の姿を見かけると
心は高鳴り、胸が熱くなるのでした。

しかし、
彼女は思い悩んでいました。

それは、、、

二人の恋が許されない恋だったからです。

その土地を治める貴族の娘と使用人の恋など
その時代では、とうてい許されるものではありませんでした。

そのことを彼もよく理解していました。
ですから、この恋をあきらめるよう、
ララーに告げました。

告げても尚、二人の愛は深まるばかり
彼女は、思い悩みます。

どうしても一緒になりたい、
その思いから、
彼女は立ち上がりました。

そこには、強い決意がありました。

ララーは、美しいドレスを脱ぎ捨てたました。

私、この家を捨て、
ここを出ます。
あなたと一緒に暮らしたい
お願い、私を、ここから連れ出して。

考えに考えた末に、ララーは名家での裕福な暮らしではなく、彼と暮らす道を選らんだのです。

その気持ちを聞いた彼もまた、彼女への思いを伝え、彼女を幸せにすると誓いました。

若い二人は希望を胸に抱き、新たな人生を始めようとします。その先にどんな苦悩があろうと、二人で力を合わせて乗り切ろうと誓いあって。

二人は家を出て、
近くの村で暮らし始めました。
質素でしたが、笑い声の絶えない幸せな時間が過ぎていました。

一カ月が過ぎた頃でしょうか、
屋敷の者が訪ねて来ました。

ララーお嬢様
ここにおいででしたか、
さあ、お父様のところへ戻りましょう。

嫌がるララーを無理矢理に
連れて行ってしまいました。

彼も捕まって、遠くの村に連れて行かれました。

二人は引き離されてしまったのです。

ララーは泣き崩れました。

しかし、もう、
どうすることも出来ませんでした。

この恋は、叶わぬ恋として
終わってしまいました。

おしまい

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