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29歳-27 創造主体としの自己

 坂口恭平ブームがきている。彼の生き方は何かのアンチではなく、ただシステムや決まりをひょいっとくぐり抜け出して、自分の恭平コードをギターで作ってしまう、そんな軽やかさがある。彼にはまた、生きることに対してすごく苦しむ時間があるから、その軽やかさは軽いのではなくて、真摯に生きるためのオルタナティブを描き出す。
 角幡唯介さんが冒険とは、基本的にはシステムの外に出ること、と言っていてそことも重なる部分があった。
 システムの中心からはなんとか出たけど、まだシステムの中にいるなあ。でも角幡さんは日々努力を積み重ねているし、坂口さんは、創造神みたいなところがあってそのチャネルがたくさんあるし、そのチャネルを改に開拓するスピードもセンスもずば抜けている。オールラウンダーでかつ、そこにシステムは自分で作るという基本姿勢が通っているから、どこでも恭平節が炸裂する。
 私はなんとなく良いものを消費する部分がまだある。内田樹の下流志向で、消費主体としての現在の子どもと、労働主体として自己が確立していく昔の子どもが説明されていたけど、坂口さんは創造主体として自己を確立したんだと思う。それはすごいことで、自分はついぞそこの境地には行けないかもしれない。
 でもそこを目指すことはできる訳で、日々、創作を、どうやったら自分の創作ができるのか、坂口さんとしては0円でということだけど、考えるといいんじゃないかなと思う。

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