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COP27閉幕 途上国支援の基金創設へ

皆さんこんにちは!一般社団法人フォレストック協会事務局の川西です。

エジプトのシャルム・エル・シェイクで11月6日に開幕した、気候変動について話し合う国際会議COP27。当初は11月18日までの予定でしたが、交渉が難航したために、会期が20日まで延期されました。
20日現地時間早朝に成果文書を採択し、無事閉幕しました。

「損失と損害」に特化した資金支援の基金創設で合意


COP27で注目されたのが、「損失と損害」についての議論です。
「損失と損害」とは、海面上昇など気候変動が原因で起こる異常気象や災害で途上国が受けた損害を指します。
 
今回初めて議題に上がり、話し合いの場が持たれました。
 
そして、途上国が受けた損害を補償するための新基金が創設されることが、今回の会議で決まりました。経済的な負担が増えることを懸念して慎重な姿勢を取ってきた先進国側が、歩み寄った形です。
 
国連の枠組みで各国が協調し、損害への資金支援に取り組むことで合意することは、今回が初めてのことで、「画期的な合意」と評価する声が上がっています。
 

credit: UNFCCC_COP27_10Nov22_CivilSocietyActions_KiaraWorth-18

基金創設への課題


基金創設への合意を評価する声が上がる一方で、課題もあります。
 
大きな課題として、「誰が支払うのか」「誰が受け取るのか」がはっきりと決まっていないことがあります。
 
デンマーク、ドイツ、ベルギーなどが資金拠出額を表明しましたが、支援額を表明しなかった国も多くあります。(日本も表明せず)。
また、世界第2位の経済規模でありながら国連が途上国に分類している中国も資金拠出すべきだとEUが主張しましたが、中国は支払いの意思を表明しませんでした。
資金拠出は先進国だけに頼らず、国際金融機関や民間など、幅広い資金源活用を目指していくとのことです。
 
補償を受ける側の定義についてもあいまいです。「とりわけ脆弱な」途上国を支援することを目的とする、と合意文書の中に記されましたが、その「とりわけ脆弱な」途上国の具体的な対象は決まっていません。
影響を被っている国をしっかりと効果的に支援するための資金支援制度を作っていくことが必要になります。


credit: UNFCCC_COP27_10Nov22_FootballSigning_KiaraWorth-1


 
「損失と損害」支援のための基金運営の詳細については、来年のCOP28で話し合われる予定です。
 
最後までお読みいただきありがとうございました!

記事トップ写真credit:UNFCCC_COP27_10Nov22_ES_Youth_KiaraWorth-1 

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