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学びなおしの日本語考(JSL高校生)

10月.高校生の日本語も後期に入った.
Ⅱクラスの生徒は2年生.Ⅰクラスの生徒は3年生と1年生.

さて,私は1週間ほど前に,JSLとよなかの田中薫先生の外国籍児童生徒の日本語指導のセミナーに参加し勉強した.
そのセミナーを受けるまでの私は、「JSL中高生が今何に困っているのかという問いを常にたてその解決のために日本語の足りないところを補う」というスタンスで授業内容を組み立てていた.その信念は,高校生の日本語は、日常生活(学校生活)や教科の学習とともに学び(統合学習的)伸びていく方が彼らに負担がないだろうということに起因していた。

たぶん…それも正解の場合がある。
「場合がある」
それは…JSL児童生徒の日本語の力は
①実年齢
②来日年齢
③滞日年数
④母語
などの要素が複雑に絡み合ってそこに「初期指導の有無や深度」も関わってきて「今目の前にいる存在」の中に内在する日本語力になるからだ。

話は戻って私はセミナーで田中先生に質問をした。「高校生の日本語の授業で、教科の教科書などを利用して日本語の足りないところを補うという考え方で勉強していますが、この方法でいいのか悩んでいます」と率直にお伺いした。その答えは「いくら教科の勉強をしようとしても日本語の基礎力が積みあがっていなければのっかっていきません」というようなことだったと記憶している。私は田中先生のお話を聞いて、最近そういえば、このJSL高校生について「日本語の基礎」という観点をおろそかにしていたかもしれない、出会って1年半の彼。日本語基礎力について再び見直してみよう、という考えに至った.1年半前にDLAで判定して,進めた日本語の勉強.その途中でJSLバンドスケールの考え方とも出会い,「豊かな言語活動とは何ぞや」という自分との問題に向き合いながら日々暗中模索様々なセミナーに参加しその時その時の課題に対峙してきた.
さて,そんな中で,田中先生との出会い.後期のスタートのいい機会だった.
そして遅ればせながら田中先生の本を買った。

『学習力を育てる日本語指導
日本の未来を担う外国人児童・生徒のために』
https://www.9640.jp/book_view/?646

小学校・中学校が中心ではあるが、具体的な手法で、十分に高校生の日本語の基礎力を確認できる方法が示されていた。教科の学習がうまくのってくる日本語のレベルも確認できる.積み残し,学び直しのためにどのレベルまで戻ればいいか、漢字の勉強法も書かれている.(なぜ今まで読んでいなかったのか…悔やんでもしかたがないので急ピッチですすめます)

もし外国籍児童生徒の日本語指導で「今のやり方がベストか?」と悩んでいる方がいらっしゃったら一読をおすすめします。

もちろん児童生徒に合わせて工夫していかなくてはなりませんが!日本語基礎力がないのに教科の勉強は進められないということが分かりました.

今後は日本語の基礎力獲得に尽力しながら、教科も積み上げていこうと思います。

もう一冊の教案集の方も購入しました。ボリュームがあってまだ読めていません。

https://www.9640.jp/book_view/?790

次は実践の報告ができればいいなと思っています.

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