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勝ち負けにこだわる心をゆるめて: 発達障害のあるお子さんへの寄り添い方

子供たちの世界において、勝ち負けは避けて通れないテーマの一つです。

特に、発達障害を持つお子さんの中には、この勝負事に強くこだわり、負けた際に強い感情を示す子がいます。

このような状況は、親御さんや支援者にとって大きな課題となります。

本記事では、この課題にどのように向き合い、お子さんの健やかな心の成長を支えることができるのか、その具体的な方法について掘り下げていきます。

勝負事への固執とその背景

小集団活動中に自分が一番でなければ「もうやらない」と言ってしまうお子さん。

このような行動は、ただ単に勝ち負けにこだわっているだけではなく、自己の価値を勝負事の結果に見出してしまっている可能性があります。

発達障害のあるお子さんは、周囲との比較からくるストレスを内面化しやすいとされており、その結果、勝負事における「勝ち」という結果に異常なまでの価値を置くことで、自己肯定感を得ようとするのです。

負けを受け入れる心の育て方

勝ち負けに固執する心をゆるめるためには、まず「負けてもいい」という安心感を伝え続けることが重要です。

これは、子どもの認知レベルに合わせて、負けた時の考え方をゆるやかに変えていくプロセスです。

大人でさえも抱える「0か100かの思考」を、子どものうちから柔軟にしていくことで、将来的に心の健康を保つための大切なスキルを身につけさせることができます。

支援の具体的な方法

  • モデル行動の見せ方

大人がゲームで負けた際に笑って見せることで、負けた時の健全な反応を示すことができます。

子どもは大人の反応をよく観察していますので、このようなモデル行動はとても効果的です。

  • 負けに対するステップアップ

じゃんけんなどの単純なゲームから始め、徐々に負けに対する耐性を育てます。

また、「負けた方が勝ち」というゲームを取り入れることで、負けの概念を柔軟にします。

  • 能力に依存しないゲームの導入

黒ひげ危機一発のように、勝敗が能力ではなく偶然に左右されるゲームを通じて、負けに対する認識を変えることができます。

  • 勝てるものと負けるもののバランス

子どもが成功体験を積める活動と、挑戦が必要な活動をバランス良く組み合わせることで、勝ち負けへのこだわりを和らげることが可能です。

勝利を喜び、負けから学ぶ心構えを、遊びを通じて育んでいくことが重要です。

安全な環境での失敗の大切さ


子どもが自分の感情と向き合い、負けたときのフラストレーションを健康的に処理する方法を学ぶためには、安全な環境での失敗が欠かせません。

家庭や学校、支援の場など、子どもが安心して自己表現できる場を提供し、失敗を経験する中で、挑戦する勇気と失敗から立ち直る力を育てます。

この過程で、保護者や教師、支援者からのポジティブなフィードバックと、失敗を受け入れる姿勢が、子どもの心の成長を支えることになります。

家族で創る勝負ごとへの新しいアプローチ

家族全員で勝負事の楽しみ方を再定義することも、勝ち負けへの固執を和らげる一つの方法です。

家族でのゲームの際には、勝敗よりも過程を楽しむことを重視し、それぞれの参加者が互いの頑張りを認め合うようなコミュニケーションを心がけましょう。

このようにして、勝ち負けを超えた、人との繋がりや共感を育む機会に変えていくことができます。

まとめ

発達障害のあるお子さんにとって、勝ち負けにこだわる心は、時に大きな壁となりますが、正しいサポートと理解あるアプローチによって、これを乗り越えることが可能です。

負けたときに感じる感情は、人間として非常に自然なものであり、それを受け入れることができれば、子どもたちはより強く、柔軟な心を持つことができるようになります。

負けに対する健全な見方を育てることで、子どもたちは人生の様々な挑戦に対して、前向きに取り組むことができるようになるでしょう。

なお、フォレストキッズでは毎朝全教室を繋いで、よりよい療育のために各教室の療育ノウハウを共有するミーティングを行っています。

今回のブログでお伝えしたノウハウはミーティングで共有された情報をまとめたものです。


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