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foresDiary︰私を"見せびらかす"
2022/10/26
「これで私が普段行っている業務の発表を終わります。」
割れるほどの拍手。目の前で発表していたのは前に配属していた部署───配送課のベテランである女性パートさん(以下、ベテランパートさん)。異動前は仕事面だけでなく精神面でも大変お世話になり、今でも困ったことがあったら相談しにいくほど信頼している人。休日はお茶や生け花を楽しんでいると聞いてなんて品のある人なんだ…と感じたのを思い出した。
今日は年に一回の研修だった。席が決まっており先輩とは一緒になれなかったけど、私が入社して2週間後に入社した仲のいい女性パートさんが向かいの席だったので安心した。
研修プログラムの中に「業務内容の発表」があった。3つの部署が一人ずつ教壇に立ってパワポを見せながら説明。その中で一番聴き取りやすかったのはベテランパートさんだったわけである。まるで過去にナレーターでもやっていたのではないかというぐらいに。
しかしなぜ発表は全員対象じゃなかったのだろう。時間の尺的に無理だったんだろうか…。ん?ということは来年は私の部署が発表───??いやいや、緊張する。
でも興味はある。私は昔から「引っ込み思案の目立ちたがり屋」と良く言われる。だから目の前で発表するのは完全にあがってしまうが、私自身のことを紹介したり趣味や特技を語ったりする───いわゆる隙自語になってしまうがそんなことが大好きである。
じゃあ、いつか来る発表に備えて練習でもしておくか。そのうちこれが役立つかも。
《皆さんお疲れ様です。法務課の〇〇です。
今回は私が所属する法務課のお仕事について紹介していこうと思うのですが、一つだけみなさんにご理解いただきたいことがございます。
私は他のスタッフと違って電話をあまり取っていません。
恐らく皆さん私の声を聞いたことがない人が多いと思います。これに関してサボっているとか、どうしてなんだろうという疑問が湧いてしまうのではないかと思ったのでこの場をお借りしてお伝えします。
私は耳の聴こえが過敏すぎて些細な音でビックリしてしまう聴覚過敏をもっているのですが、それとは逆に電話の声が「言葉」や「文字」として聴き取れず、「音」として聴こえてしまいます。この症状は先天性のもので、治すことができない障害です。そのため普段皆さんが法務課にかけてくださる内線の声が私には「音」にしか聴き取れないため、上手く回答できずご迷惑をおかけしています。
でも最近はリハビリだと思って、たまにですが電話に出ています。少しずつ慣れていこうと思って、ね。質問に回答することはできませんが、必死に応対している私をあたたかく見守っていただけると幸いです。
では長くなりましたが法務課の業務内容を説明いたします────》
いつかみんなが知ってくれたらいいよ。こんな障害抱えてても必死こいて働いてることをさ。
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