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foresDiary︰縁の下のMVP

2022/11/01

「fores子さん、おめでとう」

 朝10:45頃に出社すると、突然上司の口から発された最初の言葉。
 疑問とともに何に対しての"おめでとう"なのか。私は祝われるような人間じゃない。人違いなのではないか?いやでも最近は頑張って電話取ってるしな…いやそれは関係ないか…等々、体が静止したままぐるぐる考える。

「MVP受賞、おめでとうございます」

 MVP───仕事で頑張ったり、業績や結果を残した人の中から月ごとにお偉い人に選ばれ、贈られるもの。まさか。私は底辺パート社員でやってる事が私の得意とする雑務なんだが。書類をコピーして印鑑押してもらって宛名シール作って封筒に貼って郵便局へ───あれ、結構頑張ってんな?

 本当か確かめるべくMVPのお知らせを見ると、なんと法務課の(上司除く)メンバー3人が選ばれていたのだった。いや、ヤバすぎ。社員さん2人は分かるのよ、だってすごく頑張ってたし私よりめちゃくちゃ苦労しているだろうし絶対しんどかったはず。なのに私も含まれていたとは。お偉い方本当にありがとうございます…

 この10月は怒涛の日々だった。詳しい内容は言えないが書類を特定記録で送付したり、メールを送ったり、ミーティングをしたり……毎日100件を超える社内メールをさばき、荒波に飲み込まれそうになりながら法務課のみんなで頑張った。その努力の賜物がMVP…エモい、エモいな!!??

 でも私は正社員2人より底辺でかつ雑務しかこなせないパート社員。正社員にとって"当たり前"のことしかしていないと思う。私にとっては"当たり前"じゃなくて、"自分の実力で出来てここまで"なので相当ダメダメな人間なのである。なのにお偉い人は私を見てくれていたのか。

「fores子さんはいつも"どうしたら上手くいけるか"って考えてくれて行動してくれるじゃない?それは素晴らしいことなんだよ。」

 上司の言葉。そこは盲点だった。私の考えでは"どうしたら助けてあげられる"だったから。こんなちっぽけなやつでも一応MOS(Microsoft Office Specialist)の資格は持っているので、Office系苦手な法務課3人を助けてあげられる。でもそれは物事を上手く動かすことになり、自分だけじゃなくて周りにも知識を与え、効率アップに繋がる。はえ〜、私結構いい仕事してんじゃん?一応褒めておこう。

 これを「縁の下の力持ち」と言うのだろう。いや、今回の場合は「縁の下のMVP」なのだろうか。みんなを支えてる。みんなを見守っている。みんなを助けている。みんなと乗り越える。無駄な存在だったやつが、些細な行動一つ一つで大きな成果を成し遂げられるんだ。凄いことだよな。

 ちなみに11月下旬にお偉い人が参加する会議で賞状と報奨金がもらえるらしい。その代わりスピーチを2分間しなきゃいけないとのこと。緊張するぞ…まぁまだ時間はある。じっくり考えよう。あー、今のうちに額でも買っておくかね……

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