M@GICAL☆CURE! LOVE ♥ SHOT!についての覚え書き
4年ぶりリアル開催の『HATSUNE MIKU EXPO 2024 North America』(マジカルミライの海外版)に合わせて実施された『HATSUNE MIKU EXPO 10th Anniversary楽曲コンテスト』でグランプリを獲得した、初音ミクが悪と戦うナース魔法少女という設定の楽曲。
ハイテンポでガシガシガシガシしてるキャラクターソングが大好きなので当然ハマった。製作者は海外の人っぽいけどコールやパロディネタなどモロに日本の萌え文化(という言い方は微妙だけど他に伝わる表現が思いつかないので)を取り込んでいる。
一方で、俺の邪推かもしれないが、この曲には裏面があり、それは「キミによって存在価値の全てを与えられた初音ミクが、キミのために血みどろになりながら戦い続けている」というものである。
理由1:戦ってる環境が過酷
早口かつ英語なのでほとんど聞き取れないが、歌詞を見るとかなりハードな戦いをしていることが分かる。いくつか引用する。
歌詞中に「pain」は5回出てくるが、うち4回は初音ミク側の痛みで、全て(痛みはあるがキミのためなら)耐えられる、怖くないといった表現に続いており、痛みそのものは発生しているっぽい。
ついでにYoutubeのMVで日本語版字幕を表示すると、0:57~の「A wipe is all I need to clean the cherry blush away」の部分だけ赤字になっている。
理由2:PV中に不穏な映像が含まれている
ここからはこじつけパートだが、1:15~の間奏で花が揺れている映像は、「もぺもぺ」を想起させる。
1:35~のMIKU MIKU BEAM中、倒れたまま動かない大量の初音ミクが映される。
サビ中、モノクロになったりグリッチノイズが混じったりしている(ただのオシャレ表現かもしれない)
こじつけでも書けそうな根拠がこれくらいしかないので邪推かもしれないが、Youtubeのコメントでも何かしらの不穏さを感じ取ったっぽい人はいた。
邪推でなかったと仮定して、製作者側が認めなければ、明るい電波ソングとして楽しめるのが本作の秀逸さであると思う。
というのも、美少女キャラクターを取り巻く現実のグロテスクさを裏面として表現しようとするとかなり露骨になり、表面を破壊するため、裏面を表面として押し出すしかなくなるから。
(下記のMAD動画を腐す意図はない)
蓮實重彦が批評で不意打ちしろ!とか言っていたのを思い出したがそれは全然関係なく、オタクを不意打ちするためには裏面が表面であってはならない。
(もし邪推でなかったとしたら)この作品はギリギリのラインの上を歩くことに成功しているように思う。
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