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【ゲーム感想】METAL GEAR SOLID 3 SNAKE EATER

今回は【METAL GEAR SOLID 3 SNAKE EATER】の感想を。
※Xbox360版HD EDITIONおよびXboxSeriesX|S版MASTER COLLECTION Vol.1での感想となります。

メタルギアソリッドシリーズで最も最古の時代の物語

冷戦下のソ連にて物語は始まる

本作はメタルギアソリッドシリーズの3作目ですが時系列としては最古の時代、冷戦時代を舞台としている。その為、過去シリーズを知らなくても問題ない……がプレイしてるとより楽しめる間口の広い1作だ。

潜入とサバイバルを両立するゲームデザインへの変化

潜入と生存が一対の任務

従来のメタルギアソリッドシリーズと同様に本作も潜入工作任務を題材としているが、本作では潜入に加えてサバイバルの要素を新たに追加された。
とは言え、ガチガチなサバイバル要素ではなくゲームとして遊びやすくカジュアルなシステムにまとまっている。

消えたソリトンレーダーと周囲に溶け込むカモフラージュ

周りに溶け込み気づかれず静かに

潜入のゲームシステムは前作から変化した箇所が二点ある。
まず時代設定が前作より大幅に過去の話となったため、ソリトンレーダー(マップと敵の位置と視界を映し出す)は存在しない。
その上、舞台の大半が屋外のジャングル等で前作みたいに遮蔽物が多くない上、前述のソリトンレーダーが無くなった事により不意に敵兵と遭遇する可能性も高いため、敵の目を掻い潜るのは難しい。
そこで出てくるのが新要素であるカモフラージュ、こちらもゲームとして遊びやすくまとまっている。
ガチガチではなくフェイスとユニフォームと周囲の景色が溶け込めているかどうかで敵兵を欺く事が出来るのは従来のシリーズ作品にはない新たな試みで、これが実に面白い。
この新たな潜入スタイルに適応出来るかが攻略の鍵になるのはいいぞ。

サバイバル要素を体現するFOODとCURE

前述の通り本作はサバイバルの要素が根幹となっている。
前作であるMGS2まではキャラのLIFEだけが生命線だったが、
本作で新たにスタミナの概念が導入された。
時間経過していくと徐々に上限が減っていき、
スタミナが減ったままの状態だと主観攻撃でのエイミングが大きくブレたり、
LIFEの自動回復スピードが遅くなるなどのデバフが発生する。
そんなスタミナを回復する方法がFOODだ。
フィールド上にいる動植物や、敵兵からのドロップおよび敵施設内に配置されている食料などを使用することでスタミナが回復。
その際使用したFOODによってスネークが「美味すぎる!」や「不味すぎる……」等の感想を口走るのは笑ってしまう。
またFOODに使えるアイテムの解説の無線もこれまたネタに溢れていてオイオイ。
その一方で前作とは異なりダメージによっては重症になり、LIFEが減り続ける、スタミナの減少速度が加速する等のデバフが発生する要素も導入された。
これに対してはCUREで解消することになる。
FOODとCURE、いずれも簡易的ではあるがサバイバル感をデフォルメして表現出来ているのは考えたなぁ。
ただこれによりゲームのテンポが損なったと感じる人もゼロではないので何とも……。

史実と虚構を入り交えた完成度の高いシナリオ

本作は冷戦下のソ連を舞台に物語は展開されるのだが、史実と虚構を入り交えたストーリーは、結末が気になるしスリリングな展開にドキドキするし、真相とラストは不覚にも涙を流した。

CQC(CloseQuartersCombat:近接戦闘)初登場

CQC!CQC!

MGS3において象徴的と言うべき要素、それが本作で初登場となる概念であるCQC、CloseQuartersCombatで日本語に訳すると近接戦闘だ。
詳しくは Wikipedia先生のこのページ に任せる。
一応前作まで(MGS1およびMGS2)にも似た様なアクションはあるものの、パンチ系以外は武装を一旦解除しないと行えなかった。
だが、本作では武装を解除しなくてもOK(ただしライフルやショットガン等の長物は武装を一旦解除しないと不可)になっただけでなく素手による攻撃はCQCボタン一つに集約された。
短押しでパンチやキック、長押しで掴み系のアクションとなり、掴みからは他の技に派生できる。
これについては実際にやってみてもらった方がいいかも。最初は難しく感じるかもしれないが慣れて来ると前作と比較して格闘の操作周りがワンボタンに集約された快適性を感じるかもしれない。

(サブシスタンス以降)3Dカメラ視点初導入

あらゆる角度から見渡せるようになった
従来のフカンカメラも引き続き使える

完全版となるサブシスタンス以降になりますが従来のフカンカメラに加えて新たに3Dカメラが初めて導入された。
前作まではカメラの範囲外を観察する際は主観ボタンを押しっぱなしにして先を見る事しか出来なかったが、当該機能の導入により スプリンターセル のような自由にカメラを動かして進めれるようになった。
とは言え、これで主観視点の出番が無くなったわけではないし、フカンカメラとの切替が可能なので上手く両立していると感じた。

HD EDITION版で削除された要素が多い

2011年発売のHD EDITION版では、オリジナル版およびオリジナル版の完全版であるサブシスタンスから削除された要素が多い。
箇条書きすると下記の通りとなる。

  • メタルギアオンライン(オンラインモード)削除

  • BOSSDUEL(ボスラッシュ)削除

  • シークレットシアター削除

  • コラボレーションカムフラージュ削除

  • 悪夢ゲーム(ガイサベージ)削除
    ※関連イベントも含む

  • ミニゲーム「猿蛇合戦」削除

  • アイテム「SARUMASK」、カムフラージュ「BANANA」削除

せめてBOSSDUELとシークレットシアターとメタルギアオンラインとガイサベージは残して欲しかった……。

【総評】システム面での集大成でありシナリオの集大成でもある名作

ゲームシステム面では現在から見ると古臭いものの、シナリオの完成度の高さやメリハリのあるゲーム展開はMGS1、MGS2を経た上での集大成と言ってもいい。
また、新要素となるカムフラージュとCQCはカジュアルながらもステルスアクションゲームとしての遊びの要素を拡張している。
ムービーはやや長いがストーリーは必見。
過去作をやってから始めるもよし、本作から始めるもよしと間口が広いので気になる人はやってみては?

【評価点】87 / 100

  • <DIFFICULT:16 / 20>
    前作と比較するとソリトンレーダーの廃止とカモフラージュの要素が絡んで一筋縄では行かないゲームデザインになっている。
    慣れてしまえばどうってことはないが慣れるまではやや煩雑に感じる。

  • <VISUAL:17 / 20>
    現行世代から見ると古くさいが、当時のオリジナル版が出てたハードを考慮すると処理が重いジャングルの描写をリアルタイムレンダリングで描ききったのはすげぇ。
    HD EDITION以降では60fpsだが、当時のハードでは30fps前後とMGS2と比較してフレームレートは低下したが、それでも描画負荷の重いジャングルに挑んだ当時のグラフィッカーやプログラマーに拍手喝采。

  • <SYSTEM:17 / 20>
    基本は前作と変わらないが新たに追加された要素が簡易的にまとめられているのは良き。
    相変わらずしゃがみ状態での移動は無いけど……。
    ※しゃがみ状態での移動はニンテンドー3DSで発売された METAL GEAR SOLID 3D SNAKE EATER で実装された。

  • <SOUND:19 / 20>
    BGM、声優による熱演は引き続き妥協無し。またジャングルなどの自然の環境音もそこにいるかのような感じでいい。

  • <VOLUME:18 / 20>
    全体的なストーリーの長さに加え、収集要素のやりこみ等遊びごたえは満載。

  • <OTHER>
    当時のメタルギアオンラインやったことないですorz

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