ロマンス詐欺と損切り
レディコミの女王・井出智香恵先生(御年74歳)が、4年にわたり7,400万円に及ぶロマンス詐欺に遭われたというおはなし、他人事とは思えません。
わたしのFacebookにもイケメンの外国人の方からしょっしゅうメッセージがきます。
パイロット風の制服姿、ホテルでの朝食シーン、筋トレの様子などの写真がアップされていて、おおむね配偶者とは死別。
こんな素敵な人が?とうっかり承諾しそうになります。
聞くところによると、わたしのようなバツイチのシングルマザーが狙われやすいそうですね。
おそらく井出先生は、カモとして最高の素材だったのではないでしょうか?
女でひとつで必死に仕事をこなして、子供を育てて、ふと気づくと人生も残りわずか。おおむね恋愛なんて諦めていたときに(失礼?)、ふと最後の恋のチャンスが舞い降りてきたとしたら?
そんなわけない、と思いつつも、とろけるような甘い言葉を、惜しげもなく自分に降り注いでくれる相手に、ついこころを委ねてしまう。
パートナーに恵まれている人には理解できないかもしれませんが、わたしにはわかります!
仕事人でもなく、母親でもなく、ひとりの女性として受け入れてくれる相手にどっぷり甘えたい。そんなささやかな願いを持つことを誰が責められるでしょう。
今すぐ井出先生を抱きしめてあげたい(何者?)
それはさておき、井出先生もさすがに途中から、騙されているんじゃないか?と思いつつも、いや、そんなはずはないと無理矢理否定しながら、お金を工面したそうです。
最後には、貯金は底をつき、売れるものはすべて売ってお金を用意するような状態。
ここでハタと気づきました。
これは株式投資で損切りできない気持ちとまったく一緒だな、と。
ひとつの銘柄に惚れ込んで、株価が下がってきても「いや、これはたまたま相場環境が悪いから、一時的に下げてるだけでぜったい上がるはず」と、下がったときにさらに買い増しをしてしまう。
さらに下がってきても「大丈夫大丈夫」と根拠なく思い込もうとしてしまう。
さらに下がってきたら、もうこんなに時間もお金もかけたのだからいまさら売れないとなり、いわゆる塩漬けになります。
これはサンクコスト効果と言われるこころの罠で、時間やお金をかければかけるほど、なんとか取り返したいと意地をはってしまうのです。
ロマンス詐欺も、まさにこれ。
結論。
損切りを躊躇なくできる人だけが、井出先生を愚かと笑うがよい!
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