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「SPY×FAMILY」から学ぶ、『繋がり』

おはようございます。

今回は大人気漫画「Spy×Family」から学ぶ、『繋がり』についてです。

物語は東西平和を脅かす存在である東国の総裁ドノバン・デズモンドの動きを探るため名門校潜入を命じられた凄腕スパイ・黄昏が、正体を隠して仮初めの家族を作るところから始まります。

黄昏はまず、ロイド・フォージャーという精神科医に扮してミッションをこなすために子ども役を探すべく孤児院を訪れます。

そこでアーニャという少女と出会い、その知力の高さに驚き少女を引き取りますが、実はこの少女は人の心を読める超能力者でした。

少女もまた、その超能力により周囲から気味悪がられてきた過去を持ち、ロイドに引き取られるもいつか捨てられてしまうのではないかと恐れていました。

捨てられないようにと、アーニャは自分が超能力者であることを隠してロイドの期待に応えられるよう受験勉強に励みます。

アーニャが嫌われないようにとロイドや周囲の大人に気を使う姿を見たときは、初めはなんとも言えない気持ちになりました。

こんな小さい頃から周りの顔色を伺って生きてきた姿に、自由に自己を表現することはなんぞやと改めて考えさせられる描写でした。

また名門校に入学するためには母親も必要であったため、ロイドは母親役も探し始めます。

その中で出会ったのは市役所で働くヨルという女性です。

彼女も27歳で未婚であることを周囲から珍しがられることに嫌気をさしており、同僚主催のパーティーで恋人役を演じてくれる存在を探していました。

2人の利害は一致し、ヨルはアーニャの母親役を引き受けますが彼女にも裏の顔があり、実はいばら姫と呼ばれる凄腕の殺し屋だったのです。

スパイであることを隠すロイド、超能力であることを隠すアーニャ、殺し屋であることを隠すヨル、それぞれがそれぞれに隠し事を抱える中で3人は1つの家族として生活を始めます。

偽りから生まれる信頼関係

スパイを続けてきた黄昏は、ロイド・フォージャー(夫)として娘と妻に接しますが、必ず「ミッション遂行のため」「世界の和平のため」と、いつも自分自身に唱えていました。

しかしそんな彼も娘の入学準備や、妻の赤の他人だけれども母親になろうとする姿にミッションのためだけではないこの偽りの家族へ感情を抱き始めるのでした。

特にそれを感じられるシーンは、娘・アーニャの入学試験の面接場面です。

面接官より現妻のヨルと前妻とどちらが好きかと問いかけられます。

面接官もフォージャー家の容姿端麗、漬け込む隙きのない回答にイライラと感情を露わにし、アーニャへいたずらに心のない質問をするのでした。

「しょせんまがい物の家族、中傷されたところでそれがどうした」「我慢だ黄昏」とロイドは心のなかで考えていましたが、実際起こした行動は真逆でした。

椅子から立ち上がり、振り上げた拳を面接官の目の前の机に叩きつけるのです。
叩きつけた拳の下には蚊がいましたが、机は粉々になり面接官は引っくり返ります。
「本日はありがとうございました」とくるりと身を翻し、フォージャー家は面接会場を後にします。 
面接官よりまだ終わっていないと叫ばれますが、ロイドは「子どもの気持ちを軽んじるのが貴校の教育理念なのでしたら選ぶ学校を間違えました」と冷たく言い放ちます。

偽りから始まる家族の絆

これまでの黄昏であればミッションや目的達成のためには手段を選ばずに実行してきましたが、この偽装の家族を通して黄昏の価値観や考え方が変化し、そして各々が大事な存在になっていき家族の絆が生まれます。

隠し事だらけの偽りの家族が本物の家族になっていく過程を見ていくと、心が暖かくなって来ます。

近年、家族の繋がりが薄くなってきている現代社会において、フォージャー家は「家族とは何か」と私たち読者に伝えてくれているようにも感じました。

私はこれは家族だけでなく、人と人との繋がりに対しても同じことが言えるのではないかと感じています。

初めは皆、生まれた場所も育ってきた環境も生活環境も全く異なる中で成長を重ねてきた他人同士ですが、接した時間関係なく、どれだけ相手のことをよく理解し受け止めることができるかが信頼関係に繋がっていくと考えています。

私も仕事やプライベートで様々な方と出逢います。
その時に目の前の方の表面だけを見るのではなく、その方自身の考えや価値観を大事にしていて、表面的な付き合いではなく真摯に相手と向き合って関係を築くことを心がけています。

これからも私は私と出逢う方とのご縁を大切にして、関係を紡いでいきます。

金現珍


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