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脅迫事件?! 凶器はニッパー。


皆さまお久しぶりです!こんにちは!
堀友美です^ ^

最近かなりバタバタしてて更新がゆっくりで申し訳ありません^^;
有難いことに忙しくさせてもらっております!

私の行っているイベントなどの報告も含めて、なるべくnoteでも活発に発信していきたいと思います‼︎

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さて、今回は題名の通り「脅迫事件⁈凶器はニッパー。」というテーマでお話していきたいと思います( ˘ω˘ )

「なんのこっちゃ⁈」って思った方も多いかもしれません。

ただ、フットケアを行なっている人は、もしかしたらこの事件に巻き込まれる?むしろ巻き込んでしまう⁈可能性があるんです。


脅迫事件を起こさないよう、今回の記事で注意喚起しておきますね!

「あれ?」って思った人がいるかもしれません。

えぇ、そうです。「脅迫事件を、起こさないように」です。

あなたが脅迫事件の被害者ではないですよ。あなたが脅迫事件の加害者になりかねない話なんです。


今回も、私が実際に経験したお話をしていきますね。

当たり前のように使っている道具が、事件のきっかけに。

〇出会い


私は、現在「人生最期まで歩き続ける足作り」を目指して、フットケア、つまり、主に高齢者の足の爪切り、タコ・魚の目ケアを行っています。

仕事で「フットケアお願いします」と言われたら、大体「足の爪切り、タコ・魚の目ケア」なんですね。

以前にもご説明したんですけど、
「フットケア」って広い意味で使われていて、「フットケア」という言葉だけ聞くと、マッサージや足ツボなどのリラクゼーション的な意味合いを連想する方もいるかもしれません( ˘ω˘ )

ただ、今回の話でも「フットケア=足の爪切り、タコ・魚の目ケア」とさせてください^ ^

今から約1年前の話です。

80代男性Aさん。

現役時代は、町工場の社長業をしており、現場の職人でもありました。

「フットケアをお願いします」と依頼をしてきたのはAさんのご家族でした。

「しばらくお風呂に入っていないから汚れている。手足の爪も自分で切れないから、伸びて変形もしている。性格が頑固だから、家族の言うことは聞かないんです。」
といった理由で、依頼がありました。

認知機能の低下が見られているようでしたが、ご自宅での生活には大きな支障はありません。
食事、排泄、歩行は自立していました。


〇不穏な空気


初めてご自宅に伺ったある日。

「こんにちは、お邪魔します。」とご家族の案内で、ご自宅にあがりました。

部屋に居たAさんと目が合い第一声で言われたのが…

「誰や、お前。」


ご家族が、私のことを色々と紹介してくれました。

「この方は、足の爪切りをしにきてくれたよ」とか、「お父さんの足、洗ってくれるって」とか。

ただ、ご家族の言葉に対して返ってきた返事が、「いらん。」の一言。

社長業を行い、職人気質なAさんは、言ってみれば「亭主関白に磨きがかかった感じ」( ;∀;)

ご家族がAさんを説得させようとやりとりするも、Aさんの返事は「いらん」の一点張り。

せっかくフットケアをお願いして私に来てもらったのに、土壇場になって「フットケアはいらん」と…。
そんなAさんに、ご家族も焦りや申し訳なさからイライラしていました。

「お父さんも言うこと聞いて。その長い爪切ってもらって…!」とか。


とりあえず、Aさんと会話するところからだと思い、Aさんに話しかけようとしても、「お前、誰や。俺の家で何してる?」と。


再度、丁寧に
「私は足の爪切り屋です。足の爪を切るお仕事してます。」と自己紹介しました。

それでも「いらん、帰れ。俺の家で勝手に何してる。」と。
場の空気は最悪です(;o;)

今の私だったらご家族に現状をお伝えし、
「今すぐにフットケアは難しいから、徐々に爪を切っていきます。今はご本人の安心できる状況を作らせてください。」と申し出ると思います。

そして「今日爪切りができない可能性がありますが、良いですか?」の許可をもらうのところなのですが…


今から約1年前の私は
視野が狭く、その人を見ず、足しか見てなかったので…

「今日爪切らなきゃ。どうしよう。」なんて焦っていました。

何故って60分のフットケアの依頼で、私はお金をいただくからです。

フットケアの依頼で訪問して「爪、切れませんでした」となる事が、なんだか恥ずかしかったのです。


「爪、切らなきゃ…!」

私の頭の中で、その言葉ばかりがリピート再生されていました。

焦りが徐々にフラストレーションに。

〇「焦り」は脅迫事件へ


家族もイライラ。
私も焦りから徐々にイライラ。

そして、Aさんも誰かわからない私が、勝手に家に入ってきて、色々言ってくるからイライラ。

今振り返ると、その場は悪循環しかなかったです(/_;)


ただ、当時の私は現場で冷静な判断はできませんでした。

家族からも「もう足の爪切っちゃってください。危ないから今日切っておきたいんです。」なんて言われたもんだから、さらに

「爪、切らなきゃ」

の使命感が高まりどんどん視野が狭くなる。

私も口調にイライラが現れてきました。

「Aさん爪切りましょう。危ないこの親指だけでもいいから!」なんて。

そんなやりとりを繰り返していたら、徐々に時間もなくなってきます。

「ちょっと足の指の爪1本でもいいから、爪切り、試してみませんか?」なんて。
Aさんの気持ちも考えず、私の「爪、切らなきゃ」という脳内指令に従って、Aさんの目の前で爪切りセットを広げていました。


いつも通り右手にニッパーを握り、さぁもう一度交渉だ!と思って、「Aさん、足の爪、切ってみませんか?」と言うと、


「おい!ふざけんな!お前、どういうことや!早く出ていけ!警察呼ぶぞ!!」
と。

実際に使用しているニッパー、ヤスリ

一気に現場の空気が変わります。

Aさんは私を睨みつけ、「少しでも動いたら、すぐにでも蹴り飛ばすぞ…!」という勢いで威嚇してきました。


何がなんだかわからなかったけど、とりあえず、わかんないから「どうしました?」とひとまず聞いてみました。

すると、

「俺に、刃物向けんなや。殺す気か?」と。


はっ!
と気付かされました。

私にとって商売道具であるニッパー。
毎日当たり前のように爪を切るために使っているニッパー。

私にとって、普通で当たり前なこの道具は確かに刃物であり、凶器にもなりうる。

Aさんとってみれば

「知らない私が勝手に家にあがってきた。色々何かにかこつけて、俺を説得しようとしている。ついに、右手に持ったのは刃物!俺を殺しにきたに違いない。」

冷静に考えるとそんなことを思っても仕方がない状況ですよね。

当たり前にニッパーを取り出し、当たり前に爪を切ろうとする。

「私のこの考え方が、当たり前ではないんだ!」

そんなことに気付かされました。

得体のしれないものに迫られる恐怖から、威嚇を繰り返していた。

〇関係性の再構築

すぐにニッパーを片付け、Aさんに謝罪しました。

ここでやっと、「爪、切らなきゃ!」の呪縛から解き放たれるのです。

「今日は切るべきではない」と気付かされるのです。


その後、Aさんとは関係性作りを始めました。
ご家族にも説明し、許可をもらって。

爪を切りたい気持ちは山々だけど…

お話ししたり、その中でAさんの手に触れてみて、私との距離感をそのときの反応で確認したり。

交渉して、徐々に足浴が行えるようになったり。

そうするうちに、「足湯のねぇちゃん」と呼ばれるようになりました。


ある日、「そろそろかな…?」と思い「今日足の爪、切りませんか?」と聞いてみたんです。

すると、Aさんから「お願いしようかな」
♪───O(≧∇≦)O────♪


初めて爪を切るまでに、60分×6回の訪問で関係性作りをしてきました。

「爪を切りたい!切った方が安全なのに!」という自己中な気持ちを何度も我慢しながら。


Aさんには、とても多くのことを学ばせていただきました。

ニッパーという道具は私にとって当たり前だけど、相手にとっては当たり前じゃない。

まずは関係性作りから。信頼関係がなければ本質的なケアは出来ない。

〇学んだこと


今では、爪を切る前に、必ず道具を見せるように心がけています。

道具を見せた時に、表情が微妙かなと思ったら、「これ使って切ってもよいですか?」ときちんと説明して許可を取るようにしています。


私が持っているニッパーは刃物で、刃物を人に向けることは、

「傷つけられてしまう!怖い!」

そう思われても仕方がないのです(:_;)


これはフットケアに関わらずですが、慣れてくると仕事が作業のようになっている事ってありませんか?


今回の話は、Aさんと関係性がそもそもできていなかった点が大きいのですが…
私たちにとっての当たり前が、相手にとってどう見えているのか一度考え直すのもいいかもしれません。

場合によっては脅迫事件をおこしかねない、ニッパー。

改めて「刃物である」と認識し、使う時には相手目線で考えていきたいものですね^ ^

〇終わりに

今回の記事は、ここで終わりになります。

いつも最後まで読んでくださりありがとうございます^ ^

今後もさらなる足の沼に、みなさんをお連れできたらと思っています。

どうぞよろしくお願いします‼︎


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著者:堀友美 プロフィール
編集:さんかくしおハッカ



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