エル・クラシコ 見た感想

やはり世界最高のダービー戦はこの一戦だ

今シーズン2回目のエル・クラシコはレアル・マドリードの本拠地サンティアゴ・ベルナベウでの開催。

「世紀の一戦」であるマンチェスター・シティ戦で敗れたベルナベウだが、その余韻を全く感じさせない盛り上がり様は、この一戦は何物にも代えられない特別な闘いであることを、改めて認識させられた。

レアル・マドリードとバルセロナ、この2チームについて最早多くを語る必要はないだろう。両チームの信念を懸けた闘いは、レアル・マドリードが(リーグ戦では)14-15シーズン以来の勝利を収め、現時点でのラ・リーガ首位に返り咲いた。

私は、後半アディショナルタイムという時間とはいえ、マリアーノに出番が来るとは思っていなかったので、予想を裏切ってくれたというところは、流石ジネディーヌ・ジダンだと感じた。しかもその交代から1分足らずでマリアーノがゴールネットを揺らすなんて想像もつかなかった。

マリアーノがゴール後に流した涙は、この重要な戦の勝利を決定づけたゴールという意味だけでなく、たくさんの想いが込められていると思う。このゴールはマドリーにとっても、マリアーノにとっても貴重な一点になったし、自分にとっても彼のゴールを見られたことがとても嬉しかった。

内容としては、前半はともかく後半はサンティアゴ・ベルナベウが好むフットボールをレアル・マドリーは展開していたと思う。このスタジアムは、守備的フットボールを嫌う傾向にある。かつてファビオ・カペッロ監督時代にはその傾向が強く出ており、彼は実績を残したのにも関わらず、ベルナベウにふさわしくないフットボールをしたことで、1シーズンで解任されてしまっている。

だが、ただ攻撃的な姿勢を見せるだけでは、バルセロナというチームに勝利することはできない。パッションとアドリブが持ち味になっている現在のマドリーは、組織的な動きを得意としなくても、「個」が強いので、綻びを何とかごまかせてしまう。エル・クラシコにおいては、この「個」を生かすことが重要になる場合が多い。そしてこの「個」は時に監督にも要求される。今回のジネディーヌ・ジダン監督のように、予想を裏切る采配というものが勝敗を分けることもある。彼の場合は、半ばギャンブル要素も含まれているような気もするが…。

今回のクラシコは、均衡すると予想してはいたが、フットボールは予想できないスポーツだということを、改めて我々に教えてくれた一戦だったと感じている。

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