【長束恭行×篠崎直也】東欧サッカーナイト イベントレポート
初めまして。こんにちは。
フットボリスタ・ラボ20期生の中本宏樹です。
今回は2021年10月25日にフットボリスタ・ラボ内で行われた東欧サッカーナイトについてレポートします。
【イベント概要】
2021年10月25日 20~22時に開催されたこのイベントは「サッカーから社会が見える?東欧サッカーを語り尽くす」としてサッカーライターとして活躍されている長束恭行さんと篠崎直也さんの対談イベントを開催しました。
テーマは「東欧サッカー」ということで約2時間たっぷりお話しいただきました。
登壇者紹介
長束 恭行
1973年生まれ。1997年、現地観戦したディナモ・ザグレブの試合に感銘を受けて銀行を退職。2001年からは10年間のザグレブ生活を通して旧ユーゴ諸国のサッカーを追った。2011年から4年間はリトアニアを拠点に東欧諸国を取材。取材レポートを一冊にまとめた『東欧サッカークロニクル』(カンゼン)では2018年度ミズノスポーツライター優秀賞を受賞した。
長束さんの記事はこちらです。
篠崎 直也
1976年、新潟県生まれ。大阪大学大学院でロシア芸術論を専攻し、現在は大阪大学、同志社大学で教鞭を執る。4年過ごした第2の故郷サンクトペテルブルクでゼニトの優勝を目にし辺境のサッカーの虜に。以後ロシア、ウクライナを中心に執筆・翻訳を手がけている。
篠崎さんの記事はこちらです。
イベントレポート
「東欧サッカーから見るCLとELの楽しみ方」というのが対談イベントのメインテーマの1つでした。一部ですが、その模様をお届けしたいと思います。
【東欧サッカーから見るCLとELの楽しみ方】
――今季のCLで注目を集めているシェリフはモルドバ代表として出場していますが、彼らも東欧クラブという扱いで間違いないでしょうか?
長束「シェリフが代表しているのは厳密に言うと、モルドバから独立宣言をしている『沿ドニエストル共和国』という非承認国家ですね。南オアチア、アブハジア、ナゴルノ・カラバフというロシア寄りの3地域からしか認められていないです」
篠崎「シェリフが本拠地としているティラスポリには、3割ぐらいロシア系の人々が住んでいるんですよね。ロシア軍も歴史的に駐留してモルドバと綱引きをやっている状況ですが、ロシアからするとシェリフはちょっと遠い旧ソ連の地域という感じで、正直そこまでシンパシーはないです。ただ今回のシェリフの活躍はロシアでも大きく報じられています。ロシア国内リーグの下位クラブより予算が少ないシェリフが、どうやってそんなに勝っているのかという分析特集も組まれていました」
長束「モルドバリーグは、シェリフをヨーロッパで勝たせるために外国人枠を撤廃したんですよ。それでロシアリーグでも外国人枠を撤廃した方がいいという論調が出たそうですね」
篠崎「そうなんです。ロシアリーグの外国人枠は6枠に限定されていますが、ずっと増枠について議論がされています。より外国人を入れて競争力を高めていかないと、逆に若いロシア人選手が伸び悩んでしまうのではないかという意見がある。ヨーロッパで勝つためというよりも自国選手の育成力を上げるために、外国人枠の話をしていますね。ただ今回、シェリフのやり方を見てやはり結果を得られる旨味も感じています」
長束「ただ、モルドバリーグのように完全に外国人枠を撤廃すると、国内の選手が育たなくなってしまいますよね。現地の情報を追いかけていても、やっぱり国内で不満は出ています。モルドバの選手が出てないのはどうなのかと。ただ欧州の舞台でクラブ自体が存在感を示すことで沿ドニエストルだけではなく、モルドバという国の宣伝になっているのは確かです。だからポジティブに捉えているモルドバ人もいます」
参加した感想とイベント参加者の感想など
【参加してみての感想】
東欧サッカーということで、自分が知らないクロアチアやウクライナのサッカー事情が知れて面白かったです。
また、シェリフなどクラブのお話などが聞けました。(挙げ出すとキリがないので、詳しく知りたい方は入会をおすすめします)自分が知らないクラブのことを知れるのは新しい発見でした。
このような対談イベントはフットボリスタ・ラボならではだと感じましたし、他のサッカーライターさんのお話も聞きたいなと感じました。
【サロンメンバーの感想】
このイベントはSNS上でコメントや感想がOKだったので、感想がつぶやかれました。私以外の方の感想も一部ご紹介します。
告知
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文:中本宏樹