見出し画像

企業が取り組むべき健康経営とは

この記事では、経済産業省の資料を中心に企業の取り組むべき健康経営について説明していきます。

1  健康経営が求められる日本の背景

下記の図は日本の総人口長期的推移と将来推計になります。日本の総人口は今後100年間で100年前(明治時代後半)の水準に戻っていくと予想されており、この変化は千年単位でみても類を見ない、極めて急激な減少となります。このような状態を踏まえ、国としても健康への投資を促進し、就労世代の活力向上や健康寿命の延伸等を実現する事が重要であると考えています。

スクリーンショット 2022-09-09 13.24.15

(出典)経済産業省;健康経営の推進の概要について2022.6

国は国民の平均寿命の延伸に対応して、生涯現役を前提とした経済社会システムの再構築を目指しており、就労世代へのアプローチとして企業に健康経営の推進を進めています。

2  健康経営と健康投資とは

・健康経営とは、従業員等の健康保持・増進の取組が、将来的に収益性等を高める投資であるとの考えの下、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践することです。

・健康投資とは、健康経営の考え方に基づいた具体的な取組です。

企業が経営理念に基づき、従業員の健康保持・増進に取り組むことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活 性化をもたらし、結果的に業績向上や組織としての価値向上へ繋がることが期待されます。

国は健康経営を進める企業が増えるように、健康経営に係る各種顕彰制度を通じて、優良な健康経営に取り組む法人を「見える化」し、社会的な評価を受けることができる環境を整備しました。

2014年度から上場企業を対象に「健康経営銘柄」を選定しました。また2016年度からは「健康経営有料法人認定制度」を推進しています。さらに大規模法人部門の上位層には「ホワイト500」、中小規模法人部門 の上位層には「ブライト500」の冠を付加しています。

スクリーンショット 2022-09-09 15.32.23

(出典)経済産業省;健康経営の推進の概要について2022.6


3  日本の健康経営優良法人への期待と現状

健康経営銘柄及び健康経営優良法人への期待として、以下に整理していきます。

・健康経営銘柄;健康経営銘柄の方針は、「東京証券取引所の上場会社の中から『健康経営』に優れた企業を選定し、長期的な視点からの企業価値の向上を重視する投資家にとって魅力ある企業として紹介をすることを通じ、企業による『健康経営』の取組を促進することを目指す」こととしている。
健康経営銘柄企業に対しては、健康経営を普及拡大していく「アンバサダー」的な役割を求めるとともに、健康経営を行うことでいかに生産性や企業価値に効果があるかを分析し、それをステークホルダーに対して積極的に発信していくことを求める。

・健康経営優良法人(大規模法人部門(ホワイト500)) 健康経営優良法人(大規模法人部門);健康経営優良法人の方針は、「健康経営に取り組む優良な法人を『見える化』することで、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから『従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的 に取り組んでいる法人』として社会的に評価を受けることができる環境を整備する」こととしています。
大規模法人に対しては、グループ会社全体や取引先、地域の関係企業、顧客、従業員の家族などに健康経営の考え方を普及拡大していく「トップランナー」の一員としての役割を求めています。

・健康経営優良法人(中小規模法人部門(ブライト500)) 健康経営優良法人(中小規模法人部門);健康経営を全国に浸透させるには、特に地域の中小企業における取り組みを広げることが不可欠であり、中小規模法人部門においては、個社に合った優良な取組を実施する法人を積極的に認定することで、健康経営のすそ野を広げるツールとしています。
中小規模法人に対しては、引き続き自社の健康課題に応じた取組を実践し、地域における健康経営の拡大のために、その取組事例の発信等をする役割を求めています。

令和3年度の報告では、下記のように大規模法人部門、中小規模法人部門ともに健康経営優良法人の認定数が増加しています。

スクリーンショット 2022-09-09 15.40.54

(出典)経済産業省;健康経営の推進の概要について2022.6

スクリーンショット 2022-09-09 15.41.22

(出典)経済産業省;健康経営の推進の概要について2022.6


4 まとめ

この記事では経済産業省の資料をもとに、健康経営が企業に求められる背景と健康経営の説明をさせていただきました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?