カシマのこけら落とし

2019年8月30日

鹿島アントラーズの社長が、筆頭株主の株式会社メルカリ社長である小泉文明氏が就任したことが発表されました。

ニュースの記事で小泉新社長は、93年の県立カシマサッカースタジアムのこけら落とし、鹿島アントラーズ vs フルミネンセ戦を観戦されたようです。

その試合に関わっていた者として、とても懐かしく、そして観戦されていた方が、社長に就任された事に、時間の経過を感じる次第です。

鹿島アントラーズを宜しくお願いいたします。

良い機会なので、あの時の裏話を思い出して、書き綴りたいと思います。

イタリア遠征に同行していた事もあり、帰国してすぐにプレシーズンマッチの準備に加わりました。まだ当時は、海外からの連絡手段としては、携帯電話どころかメールも無く、手書きのFaxを送るか、時差を考えて電話するぐらいしかありませんでした。

毎日、広報用にイタリアからチームの様子をFaxで報告する際に、プレシーズンマッチに関する事なども書き添えていました。

今考えると、のんびりとしているかも知れませんが、当時はこれが限界でした。(笑)

カシマスタジアムのこけら落としに向けて、クラブのスタッフは、毎日遅くまで準備に勤しんでいました。

カシマスタジアムは、日本で初めての屋根付き全席背もたれ付き個席のサッカー専用スタジアムがセールスポイントでした。「凄いスタジアムが出来たなぁ〜!」としみじみ思いました。

セレモニーの進行、来賓者の出欠、場内の準備など、ともかく新スタジアムでの初めての試合開催でしたから、バタバタしていた記憶しかありません。手本もないし、データもゼロですから、全てが手探りなり、仮説で進めていきました。

初めての試合開催という事では、スタジアム側の方も同様で、ゴールの準備、ライン引きなども、初めてのことでした。

試合は無事におこなわれましたが、終わって数日してから発覚したのが、ゴールネットの付け方を間違っていた事です。本来ならば、ピッチに固定する部分をゴールに固定してしまい、ネットの形状がちょっといびつになっていました...。(汗)

ラインも、この時は石灰を使っていて、開幕してしばらくしてから、ライン用の専用塗料が使われるようになりました。石灰だと、大量の雨が降ると、流れてしまって、見づらくなってしまいます。(こけら落としは、快晴の中でおこなわれました)

あと懐かしいネタとしては、W杯開催に向けて改修するまでは、大型ビジョンはなかったので、両チームの選手を名板を使って掲出していました。

開幕からカシマスタジアムに足を運んでくださっている方だと、「あるある」ネタでしょうね。

本番のリーグ戦前に、こけら落としをおこなったおかげで、ゴールネットの件をはじめ、いろいろな問題点が見えて、改善に取り組むことが出来ました。(渋滞は、さすがに道路が今以上に整備されていなかったので、ご迷惑をおかけいたしました)

チームも、スタジアムの芝生を確かめ、そして屋根のあるサッカー専用スタジアムスタンドから送られる声援などの雰囲気を味わうことが出来て、開幕に向けてモチベーションを上げた事でしょう。

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