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量を決めるのは『決断』

【整頓】は『3定』(【定品】【定位】【定量】)で決まると昨日お伝えしました。
その『3定』の中で最も難しいのが【定量】です。

なぜ量を決めるのが難しいのか?
それは様々な要素が絡み合っている中で、決めなければならないからです。
ただ、指標は確実にあります。
『生休死区分』を決める時に、現場(ライン)内に入れる量は、“その日に使うモノだけ” と決めています。
ですからまずは現場内に入れる【定量】を守って、そこから始めるのです。


決める・やってみる・検証する

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現場内に入れるパーツの量を、その日やる分だけに決める。
口で言うのは簡単ですが、これを実行するのは至難の業です。
ですが「こうやる」と決めなければ、いつまで経っても今のままで前に進むことはできません。
【整頓】は決めること」であるとはまさにこのことで、まずは決めて実行して、その結果を検証し続けることが何よりも重要です。

何かを決める時は、必ず反対意見が出てきます。
「ああなったら」
「こんなことが起こったら」
「以前こんなことがあった。同じことが起こったらどうする?」
でも心配ばかりしていては、前に進むことはできません。
ずっと同じことのくり返しになってしまうだけです。

それと反対意見も5Sに反対しているわけではなく、何かが起こった時の心配をしているだけなのです。
でも先の心配を今していても仕方がありません。
何かが起こった時は、それに対応しなければならないのは、新しいことを始めなくても起こるのです。
つまり「新しい取り組み」=「失敗する」と考えているから、先のことを心配しているのです。


人は安心したい。でもそれを自覚していない。

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今やっている在庫減らしでもそうなのですが、在庫数を減らそうとすると、必ず反対する勢力が出てきます。
「週単位の使用量がこれだけあって、在庫数がこれだけあれば足りるから、そこまで在庫数を減らす」
とデータを出して説明しても、ほぼ間違いなく納得はしません。
なぜなら、頭の中は「もし足らなくなったら」という心配でいっぱいだからです。

人は安心したいと常に思っています。
不安を抱えたまま、仕事をしたいとは思いません。
だから口では「在庫は悪だ」と言いながら、在庫を減らすと言うと途端に反対し始めるのです。

だからそういう時私は、この目安を提示するのです。


使用数 ✖️ 余裕率✖️ 納品間隔(日数)= 在庫数

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どんな生産現場でも、1日の生産量は決まっています。
無計画に生産するなんてことは、絶対にありません。
つまり1日の生産量が決まっていれば、部品の使用量も自動的に決まります。

1日の部品の使用量が決まっていれば、それに余裕率をかけた分が、1日の在庫量になります。
この余裕率は、部品不良や組み立て不良などのイレギュラーの発生率になります。

そしてそれに、協力会社さんからの納品間隔をかけるのです。
毎日納品してくれるのであれば、在庫は1日分で済みますが、2日に1度の納品なら、在庫は2日分となります。
このように納品間隔に合わせて、在庫(量)を決めるのです。

在庫量を決める時、一番見落とされるのが納入間隔(期間)です。
協力会社さんからの納入間隔が長ければ長いほど、多くの在庫を持つ必要が出てきます。
これが国内であれば、どれだけ長くても2〜3日分で済みますが、海外だった場合はどうなるでしょうか?
それがもし船便だったなら・・・、30〜60日分の在庫を持たなければなりません。
その分のお金を眠らさなければならなくなるのです。

【整頓】は決めること。
その時「金額✖️ 時間」という、新しい尺度で物の動きを測ってみてください。
【整頓】して、量を抑えなければならない理由が、きっと判ると思います。

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