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R.I.P. 水戸屋

水府は泉町2の水戸屋主人ご逝去。夏に休業は古呂奈でのことと思つたが近隣の飲食店が再開しても水戸屋はシャッター閉まつたまゝで気になつたが「ご主人が体調崩して検査入院で」とご近所のお蕎麦屋さんで聞いていたので元気になつたら、と思つてゐた。朝、水戸屋のご主人が傾城水戸の裏手を自転車で走つてゆくのは近くの産婦人科(江幡病院)で新生児の生誕があつたからで朝イチでお祝ひの赤飯を届ける時だつた。水戸屋が朝、備前町を自転車で走るのはコフノトリみたいなものでお目出度なのだつた。だから古呂奈で水戸屋がお店を閉めてゐたとき気になつたのは「江幡病院で新生児生誕のお赤飯は何うなつたのだらう?」だつた。それを駿河屋(上述のお蕎麦や)で呟いたら「そんなこと気にしてくれるのは」といはれてこそばゆいことだつたが「もう江幡さんに水戸屋の伯父さんがお赤飯を朝早く届けることがない」と思つたら悲しくなつた。享年六八。あの「いかにも団子やのオジサン」の笑顔。でも一人で団子、おにぎり、稲荷と巻物の寿司を朝早くから用意して昼からはラーメンから丼もの、定食まで何十種類といふ料理を供してゐた。お正月はお餅、春には桜餅、夏の柏餅にお彼岸はおはぎと季節毎に水戸屋は賑やかだつた。今日、母に水戸屋さんの訃報を聞いて燈刻に水戸屋の前を通つてみたら、このお知らせが出てゐた(画像)。いつもならお昼ときだけの営業で、この時間にはもう仕舞つてゐる駿河屋ご夫妻とお遇ひしてお聞きしたら今日のお昼がご葬儀だつた由。荼毘に付され先ほどお家に戻られたさうで商店街でお店があつた皆さんがご焼香を済ませてきたところだつた。これでまた一軒失くなつてしまつた、と駿河屋さん。この今では傾城だが、かつて伊勢甚百貨店の西口は本当に賑やかだつた。
泉町2の角はめぐみや★、戸塚フラワー、その2階は喫茶ロペ★、駿河屋★、その2階にマツオ理髪店、中華の千春、水戸屋、鈴木歯科、アンチノリ、阪場ケーキ店、コトブキ、小貫写真館、喫茶モア、ミラノ、砂時計……もう残つてゐるのは★印だけ。阪場のロールケーキ、千春の婆さんが懐かしい。

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