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タスクシュートと四則演算(第四回)

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 人が1人、かなりの速度で道を走っている。ここは街と街をつなぐ街道だが、道幅が広いとはいえ、整備されているとは言い難いほどに砂土を固めて作った道である。荷物を運ぶ馬や、作物を運ぶ牛など大きな動物が通るたびに砂埃が舞って、周辺の旅人や行商人は顔を背けて砂埃をやり過ごす。
 そんな場所を、それこそ馬が走っているのかと思うほどに疾走している1人の人。相当な脚力を持っているのだろう。荷物はといえば、大きな木の箱を背負っているだけである。
 駆ける、駆ける、駆ける・・・・。
遠くから見ると、砂埃という雲に乗って進んでいる・・・筋斗雲に乗っている孫悟空のような・・・。
飛脚という仕事は、脚が命と言いつつも、走るためには全身が強靭でなければならず、マラソンランナーのように長時間走っても大丈夫なように持久力も必要だ。その上、天候にも左右されるので、「雨にも、風にも負けない」精神力も必要となる。これらが全て揃ってこその飛脚なのである。
 その飛脚は、途中の茶屋には目もくれず、休みも取らずに駆け抜けていった。

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 さて、ここからは後半となる乗算と割算になります。まずは乗算(かける)ですが、タスクシュートでは、乗算というと何を思い浮かべることができますか?またはタスクシュートの何が乗算的な効果になるでしょうか?第二回で説明した加算(たす)でいえば、タスクを日々登録(積み重ね)することで習慣化すると言うことについて説明したと思います。
 と言うことは、タスクシュートでも効果を出せるように何かと何かを掛け合わせる、そうすることにより効果が発揮できるものがあると言うことになります。それは一体どんなことなのか、ちょっと深堀してみることにしましょう。

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 タスクシュートでは「プラン」「ログ」「ルーチン」の3つを実施することで、車でいうところの「ロータリーエンジン」(古い?)みたいに力を出せて、リズムができてきます。で、これらの言葉は、いわば「ポイント」(点)になると思います。それらがつながることで、線となり、円を描いて回り出す。回り出すと、自分自身も力を発揮できるわけですが、それにとどまらず、自然と周囲にも影響を及ぼしてくることになります。遠心力のようなものですね。そのようにして、自分も力を出せて、周囲の人にも良い影響を与えられる、それこそがタスクシュートの相乗効果(かける)になるのではないかと・・・・私は考えています。
 なので、最初は自分の中だけでタスクシュートを始めて使いつつ、軌道になる頃には、周囲の方々もその変化があることを感じ始めるのではないでしょうか。
 ただ、タスクを実行する「1分着手」が、そこまで効果を出すためにはある程度時間が必要だとは思いますが、スモールスタートなのですから、順調に進みだしたら、思い切ってみんなを巻き込んでみてください。

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 タスクシュートは深堀すればするほど、奥が深いと感じるものですが、深くに潜らなくても、実践を通じて感覚的に身についてくるものです。しかし、焦りは禁物です。効果は時間と共についてくるものなので、1つ1つ積み重ねつつ、楽しく、豊かに日々を生活していきましょう。

続く


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