道畑 富美 / Foodbiz.asia

神戸生まれの京都→東京そして京都、食品業界に半世紀近く。京都市内の大正時代に建てられた…

道畑 富美 / Foodbiz.asia

神戸生まれの京都→東京そして京都、食品業界に半世紀近く。京都市内の大正時代に建てられた町家に住んでいます。アジア、欧米と世界を駆け巡る食ビジネスブログFoodbiz.asia がシステムダウン。鋭意復旧中ながら、noteで、これからの食や暮らしについて、綴っていきます。

最近の記事

絶滅危惧種の小売市場

海外へ行けば、スーパーマーケットをあちこち巡る私も、今回はサボってあまり見てません。品揃えなどは大きく変わらないなぁと見ながら、もちろん、その裏ではデジタル化とかオンライン化とか進んでいるはずです。 ひとつ気がついたのは、フランスやドイツのスーパーで、以前は、必ず会ったデリカテッセンや温惣菜の対面販売が減っているようです。対面販売は、人手もかかり、若い人には(多分)人気のないでしょう、パンデミックを機会に辞めたところも多いのではないでしょうか、徐々になくなっていきそうです。

    • 欧州から日本の食品を思う

      2022年以来欧州旅、フランス、イタリアへ ヨーロッパでは、ふたつの大きな食品の展示会、ドイツANUGAとパリSIALが隔年、交互に開催されます。今年は、久しぶりにSIALに行ってきました。今年で60周年を迎えるSIAL、5日間の会期中、世界205ヶ国、約28万5千人の来場があるという、巨大見本市です。 今は、ロシア上空飛べないため、羽田からシャルル・ド・ゴール空港まで北極圏周りで14時間もかかります。高いお金と時間をかけていくからと、関西人は、SIALの後、パリから南下

      • ミライのコンビニ

        1974年に1号店が開業して50年、日本のコンビニ市場のトップの座に君臨してきたセブン‐イレブンが揺れています。米国でセブン‐イレブンを運営するサウスランド社のフランチャイズとしてスタートした事業も、国内で21,615店舗(2024年6月)に達しており。1991年には本国のセブン‐イレブン運営会社も買収して、世界市場でセブン‐イレブンを運営しています。なんと、その数は、18カ国で83,579店舗(2023年9月)!セブン&アイホールディングスとは、巨大グローバル企業だったので

        • 令和の米騒動に思う

           若い世代はご存知ないと思いますが、渡辺美智雄さん、愛称、渡辺ミッチーという政治家がおられました。そのお嬢様、渡辺みゆきさんが、ご自身のfacebookで渡辺ミッチー(という愛称でした)生誕101年を機に、ミッチーの生涯を綴っていらっしゃるのですが、第69話では、昭和53年(1978年)、コメの値上げについての逸話がでてきます。当時は、コメの価格は食糧管理法(食管法)という法律で国が決めていた時代、農林水産大臣であったミッチーが、値上げ反対の声うずまくなか、自らご飯を炊いて、

        絶滅危惧種の小売市場

          冷凍食品だけで生きていける?

           スーパーマーケットを見て歩くのも仕事、というより趣味の範疇か、仕事と趣味がボーダーレス。先週末は、カスミストア、マルエツ、首都圏マックスバリューなどを運営するUnited Super Market Holdingsの次世代スーパーを目指すBLANDE(AはラムダΛです)の都内初出店。4号店目は錦糸町オリナスの地下1階、カスミストアのリニューアル店に行ってきました。。同社藤田社長には、フードテックをテーマとするSmart Kicken Summitで何度かお話を伺ったこともあ

          冷凍食品だけで生きていける?

          惣菜容器のリユース 

          食べてくれる人が少なくなると、調理意欲も低下。世帯の人数の縮小とともに惣菜市場は、成長してきました。調理の手間なく、すぐに食べられる惣菜は、重宝します。ただし、食べたあとのプラスチックのゴミには罪悪感を感じます。手間を抜いたことより、プラスチックのゴミを出すことの方が、うしろめたさは重いかもしれません。 実は、日本は、容器包装のプラスチック、一人あたりの廃棄量において、米国に次ぎ、世界2位と、(*)なんとも不名誉な状況です。過剰に「包む」文化、加えて、潔癖への要求も高い性向

          惣菜容器のリユース 

          これからの食と暮らしを考える

          今年は、3歳年下の妹が還暦を迎え、なぜか自分のときよりも深く心に響きます。60年前の2024年は、先の東京オリンピックの年、東海道新幹線も東京モノレールも、カルビーのかっぱえびせんもミスタードーナツも、多くの企業が、新しい商品やサービスをオリンピック開催に合わせて、世に出した年であったようです。 まさに高度経済成長期の頂点、「より早く、より便利に」を合言葉に世の中進んできましたが、ここに来て、伸び切ってしまった感もあり、次はどこを目指すやら、閉塞感も漂っています。      

          これからの食と暮らしを考える