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大ガールズバンド時代に思う


私は趣味でギターを弾いています。
X(旧Twitter)を開いていると、今ギターに取り組んでいる人の半数以上は女性。一昔前は男ばかりだったのに、いつの間にかギターは女性も楽しめるものと認知されている。だが、それは「当たり前」のように思うのです。理由は、私が中学生の時に吹奏楽部に所属していた男子は私1人。あとは全部女子だった。もっと遡れば、子供の頃に通っていたヤマハ音楽教室でも、私以外の生徒は女の子でした。

大ガールズバンド時代とは?

大ガールズバンド時代」とは、アニメ『BanG Dream!』の中で登場する言葉で、バンドリ!の世界観では中学生・高校生の女子は友人とバンドを組んでライブハウスに出演し、バンド同士が鎬を削り合う青春時代を送るという設定になっています。BanG Dream!が放送されていた当時は“虚構”とか“設定”の域を出ませんでしたが、10年近い時を経て…徐々に現実味を帯びてきているような気がしています。

アニメにおけるガールズバンド

現実世界でガールズバンドといえば、日本ではプリンセス・プリンセスが先駆者の位置付けになると思うのですが…私も当時の記憶は曖昧です。ただ音楽の授業で代表曲『M』を演奏した経験もあり、その波及力は凄かったのだと思います。

アニメでガールズバンドが脚光を浴びたのは『けいおん!』だと個人的には思っています。けいおん!が社会現象となった当時はアニメ(特に深夜アニメ)に対する偏見は強く、オタク達が数十万円もするギブソンのレスポール・スタンダードを買い求めたのは狂気と捉えられていました。

けいおん!

けいおん!の後、日本のアニメ業界は“二匹目のドジョウ”を追わず…なぜか「日常もの」と言われる女子高校生が何の目的もなく、ただ日々を過ごすというアニメが量産されることになりました。最近はあまり見かけなくなりましたが、ガールズバンドのアニメという点ではけいおん!で一度歴史が途絶えてしまいます。

BanG Dream!(バンドリ!)

BanG Dream!

消えかけていたガールズバンドアニメを受け継いだのは、BanG Dream!(バンドリ!)でした。1〜3期まで放送・配信されていましたが…アニメ業界はラブ・ライブ!を筆頭にアイドルアニメが市場を席巻。バンドリ!はファンを獲得しつつも、2期で放送・配信された内容がゲームアプリをやっていないと話が見えない内容だったりと…けいおん!のようなブームは起こせずにいたように思います。

ただ、このガールズバンドアニメの冬の時代に、ブシロードという巨大資本がBanG Dream!を制作し続けてくれたことで現在に繋がっています。長い時間をかけてガールズバンドアニメの礎を築いてくれた功績や、現実の音楽市場にガールズバンドを何組も送り込んだ功績は大きなものであると思っています。

ぼっち・ざ・ろっく!

ぼっち・ざ・ろっく!

もう『ぼっち・ざ・ろっく!』は社会現象でしたね。ここでもギブソンのレスポール・カスタム(正確にはエピフォンです)が売れました。

放映・配信前の注目度は低く、アニメファンの誰もがこの作品が社会現象になるなんて思っていなかったと思います。私は辛うじて趣味で音楽をやっていたので“音楽アニメは全部観る”を信条にしており、1話目から観ていました。X(旧Twitter)で感想を呟いても、いいね!の1つも付かなかったのを覚えています。

BanG Dream!が繋いできたガールズバンドアニメの歴史は『ぼっち・ざ・ろっく!』の未曾有のヒットにより“大きな流れ”となりました。アイドルアニメが徐々に勢いを失っていくなかで(未だ大きな勢力ではありますが)音楽アニメの中でのガールズバンドアニメが復活した瞬間だと思います。

BanG Dream! It's My GO!!!!!

BanG Dream!  It's My GO!!!!!

社会現象に近い『ぼっち・ざ・ろっく!』の影に隠れてしまい、少し淋しい感じのするBanG Dream! It's My GO!!!!!ですが…メガ・ヒットの直後にも関わらずバンドリ!ファンの拡大に成功しました。

私自身もIt's My GO!!!!!から本格的にバンドリ!の世界に足を踏み入れた向きで、日本中に沢山のバンドリーマー(バンドリ!ファンの総称)を生み出したことと思います。

ただ、このIt's My GO!!!!!は奇跡を起こしています(現在進行形)。なんと日本市場ではなく、中国市場で音楽と共に絶大な人気となっているらしいのです。ブシロードさんが日本市場でコツコツと蒔いていた種は、中国市場で大輪の花を咲かせたようです!!

ガールズバンドクライ

ガールズバンドクライ

そして、この記事を書いている現在『ガールズバンドクライ』が放送・配信されています。実はガールズバンドクライも『ぼっち・ざ・ろっく!』が放送されている時にはプロジェクトが進行している旨のアナウンスがされていて、アニメ放送・配信1年前から楽曲がリリースされていました。アニメのみならず…現実世界でもヒットチャートを駆け上がるべく、声優担当がプロレベルに達するまで楽器の練習をしていたという作品。徐々に話題になりつつありますが、まだまだ不足しています。

バンドリ!と比較して「同じ3DCGアニメだと、バンドリ!の方が…」という意見も見られるのですが。そもそもバンドリ!を製作しているサンジゲンは3DCGの製作では日本のトップ。これを機会に日本の3DCGアニメの発展が広がっていく過程であると…暖かく見守るのが良いのではないかと?

おわりに

おそらく演奏シーンの演出のしやすさから、バンドアニメは3DCGを用いて製作されることが多いのでしょう。このガールズバンドアニメのブームで、日本のアニメ市場でも3DCGの立場が向上すると良いですね!(私はすでに偏見を持っていません)。

そして、多くの人がアニメを通じて音楽に触れてくれることを願ってやみません。今回も長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。


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