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【書いてみた】短編|三日月のオブジェ
夕暮れと夜の境界線。
青くて赤い空に、月が登り始める。
今夜は、月が鳥居を照らす。
私の学校の隣には、神社がある。
木々が生い茂る、地元ではパワースポット的な場所。
この神社には昔から、ちょっとした噂が囁かれている。
『逢魔が時以降、決して1人で神社に足を踏み入れてはならない。』
逢魔が時。
大きく禍々しい時間だから、この世の者ではないモノを見やすい時間だと言うけど⋯
実際は大人が作っ
【書いてみた】短編|ネイル
『ねぇ、時間ある?いつものやってくんない?』
「え⋯」
『自分じゃ上手く出来ないし、ネイルサロン行く余裕もないんだもん。』
「そんな」
(そんな見え透いた嘘、つかなくてもいいのに⋯)
味はしないが少し重たい嫌味を、私はそのまま飲み込んだ。
ネイルを塗ってとせがんで来たって事は⋯
今日は大事な仕事でもあるのかな。
私はセッティングをした後、あの子の爪に彩りを付け始めた。
「⋯今日はどんなお