卒業研究振り返り

簡単に卒研について振り返りをまとめておこうと思います。

卒業研究ってのは、大学四年生がやる研究のやつです。本格的な研究の端くれとも言えるけど、実際は学生実験以上実用研究未満みたいなやつなので、あまり壮大なことを考えていても仕方ない部分もある。普通に生きていれば初めての研究体験になると思うので、反省点も多いことでしょう。今回はそういう話です。

研究の詳細は書きづらいけど、大まかには理系&情報系の研究室です。VRです。僕がやってたのは主にVRデバイスの開発でした。

うちの研究室は全部で20人くらいいるので、共同研究も多いし、関連研究も多いです。僕は自身の研究は一人でやっていたけど、関連研究が一番多いやつだったので、チーム内の研究を手伝ったりしていました。そのため、気がついたときには自分の研究を進めないまま年末でした。反省1、研究は計画的に。

加えて、自分からタスクを引き受けてしまうことで、そのタスクだけじゃなくのちのちの関連タスクもこちらに飛んでくることを覚悟する必要がありました。反省2、やぶへび。

そして11月から本格的に研究を始めたものの、序盤は「与えられた研究の目的」と「実現可能性」に悩みました。先生は先生で考えがあって研究テーマを決めたと思うのだけど(うちでは主にテーマが配布される形です)、あまり干渉しない先生なので、僕の考えていた方向性では研究テーマの目的をあまり達成できないのではという流れになっていました。反省3、研究テーマを軸にしよう。

あと、これに関してはもう一つあり、与えられた目的と「自分のモチベが出る目的」もまた違うということです。研究にはモチベが大事です。なので、やっぱり与えられたことをやるだけでなく、自分が何がいいと思うかを考えてやるのがいいなと思いました。

その後だんだん方向性が決まり、なんとか終わりのめども見えてきた1月。しかし卒論審査は2月なので、もう時間がありません。とりあえず作ったデバイスでとりあえず実験を行い、とりあえず取ったデータでとりあえずそれっぽい考察を行いました。ダメです。重要なのは、頭から順番に物事を考えても、求めた結果は得られないということ。何について考察したいかを考え、それに必要なデータを取る。そのデータを取れるような実験を考え、その実験に適したデバイスを作る。このように、研究の目的から逆算して計画をたてることが大事だというのが、今回の卒研を通して得た大きな発想です。正しいかは不明。ちなみにこれはあくまで、「自分の考察のためのデータ収集、デバイス設計」ということであって、「100%求めた結果が得られるデバイス設計」という話ではないことに注意。研究の考察においては、成功した以上に失敗したという結果が重要だと思います。見栄を張ってはいけません。ということで長くなりましたが、反省4、研究の計画は逆算して計画的に。

関連して、実験はパイロットテストと本実験の最低2回を行いましょう。1回じゃ取り忘れたデータも出るし、取ったデータでの分析結果が有意かは見てみないと判断の難しいところです。反省5、パイロットテストを行おう。

こんな感じかな。

上でも述べたように、研究においては見栄を張らないことが一番重要だと思っています。「研究」と「産業」の大きく違うところは、研究は結果を積み重ねていく知的探究行為であり、産業は価値を創造する利益追求行為であるということです。多分。だから、産業では「俺の考えたこれはこんなところが凄いんだぜ!」と主張することが大事です。一方研究では、「これについてはこれが事実として確認されました」と主張することが大事なのです。全ての創造的行為は、事実と仮想の下に行われます。リアルとサポーズドです(仮想はバーチャルじゃないよ)。積み重なった事実に対して想定を立て、新たな事実を見つけていくのが研究なのです。

ということで、うちの研究室がやっているデバイス開発は、全然研究じゃないと思います(小学生並みの客観的感想)。なので、研究的な態度より産業的な態度で取り組みがちなんですが、そこは研究、アカデミックなものの見方・客観的評価ができるようになりたいですね。

ということで、卒業研究振り返りでした。来年度からは大学院修士課程に所属するので、引き続き学生とはなりますが、今度は2年間かけて、これらの反省点を踏まえたより価値のある研究と研究室生活が送れたらと思います。それでは、また2年後。

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