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ダンジョンRPG『世界樹の迷宮X』 何が起こるか分からない、これぞ冒険譚

祝・『世界樹の迷宮 X(クロス)』発売!!

『世界樹の迷宮』シリーズ……ATLUSが手がける、3DSの2画面・タッチペン操作を活かしたダンジョン探索RPG。昔ながらの厳しい難易度、情感あふれるテキスト描写を始め、「実際にペンで地図を記しながら冒険する」という独特なゲームプレイが特徴となる本格ファンタジー。

スピンオフならでは、「王道を外す」独特な構成

王道のコマンド戦闘・ダンジョン探索のRPG『世界樹』シリーズ。僕はⅣから入り、新2、新1、Ⅲ(未クリア)、Ⅴ(未クリア)と各ナンバリングタイトルをプレイしてきましたが、今作『世界樹X』(10ではなく"クロス")は「3DS最後の世界樹」と銘打たれた集大成となる一作です。

『X』はシリーズ人気の職業、迷宮、キャラクター、エネミー、楽曲などをふんだんに盛り込んだ、ファン待望のスピンオフ作品となっています。スピンオフと言っても基本はシリーズを踏襲し、内容もナンバリングに並ぶ本格的なRPGです。

今作ではシリーズ5作品から選抜された人気職業を中心に、19種がクロスオーバー。キャラメイクだけで7時間悩みました(おかしい)

正直世界樹は良くも悪くも煮詰められてきていて、特にナンバリング最新作のⅤでは整えられた完成度を誇っていたわけですが、果たしてそれが世界樹として面白いのかどうかという話がありまして。

僕が世界樹に求めるものは何かと言うと、「未知の樹海を探索し解き明かしていくワクワク感」なんです。分かり切った階層構成やテンプレ化したパズルFOE(フィールドボス)、一定ペースでのクエスト進行では、やはり世界樹の本質であるワクワク感・ドキドキ感が薄れていると感じていたのです。

それに対して、今回発売された『X』は実に「これだ!」と思える作品でした。詳説するとネタバレになるので伏せますが、とにかく様々な世界樹の「らしさ」をパーツとしては組み込んだまま、シリーズとしてのゲームデザインのステレオタイプをことごとく外してくるのです。

迷宮はテンポよく、新鮮な驚きが充実

例えば、今作では初のワールドマップ画面を採用し、Ⅳと同じく、世界樹の迷宮一本ではなく細かいダンジョンをバラバラに配置しています。それでもⅣはまだテンプレ寄りだったのですが……まあ、これ以上はご自分の目で。

さらにダンジョンを進んでいくと、今まで見たことのないような驚きの展開が続々と襲いかかります。分かりやすいところで言うと、ビルギッタなどNPCの同行探索パートとか。NPC同行自体はシリーズでもチラホラ見られますが、「ただ順当に探索するだけではない」というちょっとした変化がたくさん盛り込まれており、常に飽きさせない構成になっています。

そして「うわっ、やりやがったなATLUS!?」と口に出ることも多々。しかもそうした状況下でも、hage(ゲームオーバーせ)ずにギリギリで切り抜けられる絶妙なバランス。

とにもかくにも、Xの最大の良さは「次に何が起こるか分からないワクワク感」が非常に期待できること。これにはスピンオフであるということも手伝って、スタッフの遊び心が存分に発揮されているなと感じます。

迷宮の量、キャラメイクの幅、声優とどれも豪華

付け加えて、「迷宮の区切りにも緩急があり、間延びしない」「キャラメイクイラストが(おかしいほど)豊富すぎて自由にキャラが作れる」など、過去作のリソースを使い回せるお祭り作品だからこそできる、ボリューミーな内容が素晴らしくまとまっています。あと声優が豪華。真礼さんもいるぞ!(真礼さんがいなければ買ってなかった)

また、世界樹で採用されてきたシステムのうち最も気に入っている、「フォースブースト/フォースブレイク」システムが採用されているのもポイント高。毎タイトル試行錯誤されてきた必殺技要素ですが、フォースは分かりやすく爽快なのでよいです。

欲を言えば、ビルド要素にはグリモア(スキルを結晶化して自由に装備できるシステム、新世界樹シリーズで採用)が採用されれば完璧だったけど、さすがにあれはバランスブレイカーの温床なので。今作で採用されたサブクラス(2つ目の職業を選択できるシステム)も、妄想が膨らむいい要素になっています。ヒーロー/パラディンでパーティーを守る主人公とか、メディック/プリンセスで癒し手の道を極めたお姫様とか。

とにかく『X』は、シリーズの中でも一、二を争うほどに「世界樹としてのエッセンス」を見直し、叩き直したタイトルになっていると思います。「アタリマエを見直す」ってやつですね。世界樹未プレイ勢にもおすすめできます。

動画に載っているのはビルギッタちゃん(CV内田真礼) かわいい

おまけ ギルド「ハバート」メンバー紹介

最後に、我がギルドの冒険者たちを紹介。これまで五つの世界樹を渡り歩いてきた(踏破したとは言っていない)ギルド・ハバートですが、今回の冒険では各地に散らばった精鋭たちが飛行都市に集結し、絶海の孤島レムリアへ挑みにやってきました。最後の冒険にふさわしく、僕がこれまで様々な作品で使ってきたお気に入りの名前たちを採用しています。

『X』をお持ちの方はぜひギルカもらってください

フォルト(ヒーロー)……今作Xより参戦した新職業、ヒーローを務める主人公。伝統の青髪。使い勝手はオールマイティーですが、残像が出せるようになってくると万能な強さを誇ります。盾役 兼 属性も使える火力担当。

シノノメ(セスタス)……立ち絵は世界樹Ⅲのモンク販促イラストより。セスタスは敵の頭・腕・足を封じる縛り職で、火力は中堅なものの安全な探索にかなり貢献してくれています。縛って火力削減 兼 連撃で火力補助担当。CV前田佳織里。

ヘイゼル(レンジャー)……立ち絵は世界樹Ⅲのバリスタ販促イラストより。探索補助(採集など)要員でしたが、すっかり遠距離ダメージ担当に。盲目とか結構助かってます。あとアドベンチャーエピソードで身軽なキャラ代表として活躍してくれています。対応力の広い殲滅・火力担当。CV佐倉綾音。

コヨミ(ゾディアック)……立ち絵は世界樹Ⅳのルーンマスター販促イラストより。シリーズ伝統の属性火力職。世界樹の魔法職はとにかく自分のTPを枯らして戦うので、まさに高火力高燃費って感じですね。特化型属性火力担当。CV小倉唯。

アーティ(メディック)……立ち絵は「10周年の冒険者たち」より、プリンセスのイラスト。メインヒロイン。蘇生の関係もあって今回も採用した回復特化職ですが、いつもの運用じゃつまらないので殴りメディ構成に成長してもらっています。回復 兼 火力補助担当。CV内田真礼。

以上の5人で冒険の旅をお送りしております。

テンプレを見事に脱却し、本来のワクワク感を取り戻した王道ダンジョンRPG『世界樹の迷宮X』。まだまだ序盤の数迷宮なので、これからのストーリー展開にも注目していきたいです!

3DSならではのタイトルとはいえ、そろそろ新ハードへ移行しないといけない……果たして、新たな世界樹シリーズはどんな作品となるのか!?

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