藤井聡太と逆張りオタク〜あるいは悪役(ヒール)としての藤井聡太〜

2月11、12日の二日間に渡り東京都立川市「SORANO HOTEL」で行われた第71期ALSOK杯王将戦七番勝負第4局、藤井聡太竜王(王位・叡王・棋聖の四冠)は渡辺明名人を114手にて下し、保持タイトルを4から5に増やし、史上4人目、そして最年少の五冠王となった。

五冠を達成した棋士はこれまで故・大山康晴15世名人(名人・十段・王将・王位・棋聖の五冠。39歳10ヶ月で達成。)、中原誠16世名人(名人・十段・王位・王座・棋聖の五冠。30歳5ヶ月で達成。)、そして羽生善治九段(竜王・王位・王座・棋王・棋聖の五冠。22歳10ヶ月で達成。)の3人のみであり、藤井竜王はここに新たに五冠を達成した4人目の棋士となっただけでなく、羽生善治九段の持つ22歳10ヶ月の記録を3年以上更新する19歳6ヶ月での五冠達成を成し遂げ、将棋界の覇者としての歩みをさらに進めることになった。

将棋界初の10代五冠王。「魔王」の異名を持つ渡辺明名人をストレートで下してのこの快挙。魔王を討伐する勇者と見るか、より強力な魔王による代替わりと見るか。

私が思う正直なところを申し上げると、現在の将棋界は藤井竜王が強すぎてあまり面白くないというのがぶっちゃけた感想である。
プロデビューからこっち、兆候はあった。10代の若者らしからぬ落ち着いた言動、青いところがない渋い指し回し。経験値の差などで落とす将棋もあったが、それでも少しずつほんの少しの弱点を削ぎ落とし克服し、それはまるで魔王の幼生が魔王に羽化していく過程のように私には感じられた。

藤井聡太は魔王を討伐する勇者などではなく、新しい時代の魔王そのものである。

これから先、「タイトルを獲得する」ということはすなわち「藤井聡太に勝つ」ということになるだろう。それはすなわち「藤井聡太VS全世界」という構造の確立に他ならない。

藤井聡太よ強くあれ。その首を人の勇者に落とされるその日まで。嘘。強くなくていいです。高野山で対局して昼食にキノコ出したら勝てたりせんかな。
羽生七冠王誕生のときも他の棋士のファンの方は同じような心境になったんでしょうかね。藤井竜王強すぎるナーフしろ


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