靴職人が作った、タフな靴底トートバッグ
フットバンクスでは、片足だけ大量に余っている「靴底」を生かしたものづくりに取り組んでいます。
そもそも、靴のソールが片足だけ大量に余る、この現象がなぜ起きるのか。まずはそれをご説明しましょう。
必ず生まれる余剰パーツ
靴の製造メーカーである弊社では、毎日のように新しいデザインや製品の開発が行われています。
靴は機械で大量生産していると思われがちですが、実は様々な工程で人の手が加わっています。商品化までの道のりは長く、職人さんと話し合いながらまずはサンプルを製作し、そのサンプルをもとにサイズごとのバランスやクオリティーの確認と修正を繰り返します。
この靴のサンプルですが、試作の段階では片足のみ製作します。
なぜ一足(ペア)で作らないの? と思うかもしれませんが、設計や素材を検討するサンプルの段階では、片足だけで十分です。
サンプルを「一足」で作ると材料コストは倍になります。それだけでなく、アッパー材の目地や伸び方向を左右対称にしたり、革の厚みやシボ感も合わせたりと、技術面でも無駄なコストが生まれます。
しかし。ソール(ゴム系)だけは、片足で仕入れられません。
ゴム系のソールは熱を加えて焼き上げるため、発砲率が毎回同じではありません。ソールは左右で同じ厚みと密度に調整する必要があるので、必ずペアで仕入れなければいけないのです。
このような、より良いものを求めて確認や設計を繰り返す「ものづくりの過程」から、片足だけが増えてしまうサイクルが生まれています。
SDGsにも取り組んでいる弊社では、この余剰パーツが非常にもったいないと考え、「片足靴底活用」に取り組むことにしました。
こうして制作したのが、今回ご紹介するバッグです。
vibram社製のソールを使ったバッグ
ご存知の方も多い、世界的にも有名なvibram社。
vibram社のソールは元々登山用として1935年に開発され、vibramソールと呼ばれています。
vibramソールは軽く、防滑性や摩耗、耐久性に優れ、多岐に渡るブランドが登山靴やワークブーツ、スニーカーなどの靴底に使用しています。
vibram社の凄いところは、なんとソール専門のメーカーだということ。
それゆえ品質だけでなく、デザインやカラーが豊富なのも特徴です。
耐久性や強度テストをクリアした布を使用
このvibram社の靴底に合わせて使うバッグの布も、試作や生産時に余った材料を活かしました。靴に使う材料なので、耐久性や強度は保証済みです。
素材はナイロン。持ち手はサンダルなどにも使用されるリプロンテープ30mm巾。内側の底面部には革製のインソール。
vibramソールはNo,256Kを使用。
表面には撥水加工を施しました。
最近では靴に撥水加工依頼も多いため、その技術を応用しています。完全防水とまではいきませんが、多少の雨は弾きます。突然の雨や飲み物をこぼした時など、効果を発揮してくれると思います。撥水加工はコーティング効果もあるので、汚れも付きにくいですよ。
靴屋ならではの技術
今回のvibramソールは特殊な形をしているため、ソールの形状に合わせた木型を製作しました。そうすることで、バッグとソールを取り付けたときに隙間が生じません。
バッグの生地とソールは靴専用の特殊ミシンで縫製します。
この複雑な曲線を縫い合わせるだけでも技術が必要です。
まとめましょう!
生地は靴に使われるしっかりした素材で、撥水加工済み。
バッグの底は靴底でできているので安定しており、少し濡れた地面の上においても問題なし。
しかもその靴底は防滑性に優れたVibramソール。
子どもと公園で外遊び。愛犬との散歩。ピクニックやキャンプのお供など……。用途はいろいろありそうです!
サンプルの片足を活かしたバッグなので大量生産はできませんが、確かな品質の素材で仕上げた「靴職人による手作り」の日本製エコバッグです。
「おしゃれは足元から」と言われる靴から生まれたバッグを手元に、楽しんでいただけると嬉しいです!
こちらにてご購入できます。
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