小ロットでもできること。
最近、アッパーにニットを使用する「ニットスニーカー」が増えています。パーツとパーツを縫いわせるのではなく、靴下のように編み上げることにより作業効率も上がり、素材ロスの減少にも繋がるという、新しいジャンルのスニーカーです。
ニットスニーカー製作はこの先、ボタン一つで昼夜問わず機械が稼働し、オートメーション化になるとまで言われています。
このような技術の進歩により、浅草では製甲屋さん(ミシンを使って裁断されたパーツを縫い上げてくれる場所)が激減しています。裁断したパーツを海外に送って縫い上げ、送り戻してもらっている会社も多々あります。
靴に携わる人が少なくなってきていることもあり、ニットスニーカーなどの新たなジャンルは将来的にオートメーション化になるのは必然なのかもしれません。
技術進歩のデメリット
技術進歩に伴い、様々な表現が可能になってきましたが、実はデメリットもあります。ニットスニーカーで例えるなら、ロットが大きいという事です。機械で編み込むわけですから、それなりの糸をセットし稼働させないと採算が合いません。
ナイキやアディダスのようなナショナルブランドであれば可能でも、小さなブランドや会社では作ることができないのです。
お客さまから「こんな靴が作りたい」とナイキやアディダスの参考靴を見せてもらうことが多々ありますが、作りたくても作れない。ロットの壁が存在します。
実現の可能性を模索する
小さなブランドや会社でも、「新しい」「斬新な」スニーカーを作ることはできるはず!
例えばニットスニーカーは、「靴下に底を靴付けたスニーカー」と解釈すれば、ちょっと作れそうな気がしませんか?
例えば、既製品のダウンソックス。
このダウンソックスに底を付けると……、ダウンスニーカーになりました。
白い底、黒い底どちらもいい感じです!
さらにベルトや紐のアレンジも。
なかなかかっこよくなりました!
全てを1から製作するのはロット的に難しくても、既製品を使って+αの工夫をすることで、小さなブランドや会社でしか作れないモノづくりが生まれるのではないかと思います。
以前、ブログで書いた「エアマックス95底を貼り替えてみた。」のように、靴の修理屋さんも底の種類を充実させることで、スニーカー修理の可能性が広がりました。
ニューバランス、ナイキ、アディダスなどのスニーカーにVibram底を付けカスタマイズし、修理を楽しむ人も増えています。
フットバンクスでは常に「どのようにすれば表現可能なのか? 生産可能なのか?」ということをお客さまと一緒に考え、形にする可能性を模索し続けます。
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