東京の工房 糸、箱、漉

2024年4月17日(水)

午前中から、先日北千住で彷徨った件の続き。
革を使った商品に携わっていただいている技術者さんの工房訪問

今日は田園調布から。
自宅と事務所のちょうど間で微妙なところですが、
一旦事務所に行ってから電車で多摩川まで。
いい天気、もうすぐゴールデンウィークなので、
河原はバーベキューで混むんだろうなとか、
10年間子供の野球でこの辺もよく来たな、
などと考えながら10分ほど歩く。

一軒目は革にステッチを入れてくれる方。
組み立ては貼り合わせなのでこちらではデザイン的なステッチ。
革と糸のちょっとした配色で「おーっ」と声が上がる。

2軒目は浅草橋の化粧箱屋さん。
この件とは関係がないが、
撮影で箱を使いたいという要望がよくある。
箱といっても本当に物を入れるわけではなく、
ギフトのディスプレイ風のセッティングだったり、
商品を載せる台だったり、小道具的な使い方。
クライアントは軽く「こういうのありそうじゃないですか〜」と軽くいってくれるのですが、色とか、サイズ感とか、プレーンで継ぎ目のないものってありそうでなく、
お皿でもグラスでもサイズが微妙に違ったり、余計なデザインが入っていたり、
大抵ありそうなものって意外とない。
本当になくはないのだが、大抵予算が合わない。
撮影に使いたくなるセンスのいいものは高いのだ。
なので手作りする。
撮影より時間がかかるが、撮影代より沢山くださいとは言いにくい。

なので箱屋さんに、
撮影で使える箱って作ってもらうと高いんですかね〜
と聞いたら、浅草橋の自分ところの店舗を勧められた。
いい感じのってあります?
と聞いたら、
「ないね」
とのこと、やっぱり箱はないのだ、作っている人が言うのだから間違いない。
これを見たクライアント様よろしく。

3軒目は浅草の革漉きやさん
なかなか難しい加工だというので、
手作業で一枚いちまい薄く削ぐのかなと思っていたら、
回転するベルト状の刃で一瞬で薄くなって出てくる。
どうもこちらがかなり無茶なお願いをしているらしい。
ただ、機械はすごい、こういうの大好き。
革を漉くのも紙を漉くのも同じ「漉」の字。
革は削いで薄くして、紙は繊維を集めてある程度の厚さにする。
真逆なのに同じ字で面白いなと思い調べたら、
漉:①こす。水や酒をこす。したたらせる。 ②すく。紙をすく。
革を薄くするような意味はないらしい。
でも漢字の中には「鹿」がいて、
漢字の成り立ちが気になる。

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