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お母様が亡くなられてうつ病を発症された方のお話(あやめ名古屋天白のお話)

あけましておめでとうございます。ブログ担当です。
今年も株式会社ファーストナースをよろしくお願いいたします。

本日はお母様が亡くなられたことでうつ病を発症された方の対応のお話になります。

担当医の先生からのご依頼で訪問看護開始される

 50代の女性の方。病院担当者のお話では、同居のお母様がお亡くなりになられた事がきっかけでうつ病が発症されたとのことでした。

 3ヶ月の入院を経て、退院と同時に担当医の先生の勧めからあやめの訪問看護が開始となった方です。
 精神科訪問看護が入ることが退院の条件になることはままあることで、この方もそのひとりでした。

今回の訪問開始につきましては、担当医の先生からは

「(退院されることがきっかけで通院せず、)受診をすることができなくなってしまうのではないか」
「薬の処方箋等に沿ってきまった容量でお薬を服薬することが出来ないのではないか」

といった心配があるためお声掛けを頂けたものでした。担当医の先生に信頼頂けているのはとても嬉しいことです。

 訪問看護開始にあたり、ご本人様、担当医の先生、相談支援員の方も同席頂き、訪問看護に伺わせていただくことになりました。
が、ご本人様は「退院できるならば」といった感じのようでしたのであまり訪問看護あやめが入ることに対しては積極的ではありませんでした。

訪問開始。目標とともに少しずつ

ご本人様は何に対しても積極的ではなく、意欲が低下されているようでした。訪問当初は、訪問看護介入に対してあまり受け入れているようではなく、
「必要性はない」「何で(訪問看護あやめが)来るんだろう」
といった発言、そしてそれは身の周りの様子(清潔保持)にも見て取ることが出来ました。
また、病院受診もご自身では行けてはおらず、ご本人様は「どうでも良い」という思いがあったようです。 

事業所としてはもちろん「ご自身の生活を取り戻していただく」を目標にしていましたが、そのための第一歩として

【現在の状況をご自身で把握頂き、どうしていきたいかをご自身からお話ししていただこう】

を目標とすることにしました。

「(自分たちあやめが)なぜ訪問させていただいているか」をはじめ、ご自身の状況についてご自身で把握頂くところからはじめさせていただくと、ご自身でも清潔保持の必要性を理解されていることがわかりました。

そのお話し、ご理解いただいたことから、訪問開始してから約3週間後に清潔保持をご自身でいただけるようになりました。

清潔保持をご自身でしていただけるようになったことから、次のステップに移りました。

「通院いただくためには外出できるようになっていただこう」
「ご自身で外出いただくためには自信を持っていただくことからはじめてみよう」

そういった事業所内カンファレンスでの話し合いから、以下の目標がたてられました。

【以前のお仕事のことを鑑(かんが)みて頭を使うような、脳トレやクイズを取り上げ、コミュニケーションから自信につなげていただこう】

 以前されていたお仕事の内容から聡明な方であることは想像していましたが、上記脳トレ等からご自身から説明や解説といったお話をしていただけるようになりました。

 そのことからか、訪問開始してから約4か月後には職員同行にはなりますがご自身から受診いただけるようになりました。

当初は、整容も出来ず、外出も全くしていない状況でしたが
「外出をするにはコミュニケーションが必要である」
と考え、相談支援員さんを通じ、徐々に支援を広げていきました。

ご本人様に訪問介護を導入いただき、週二回来ていただくことで話し相手が広がりました。 

お話をしていく中、ご自身で考えて頂き、そのためには今どうするべきかと、紐解きながら

現在、訪問時は、活動状況の確認や、以前の仕事の事、今後の復職を考え、興味がありそうなことを取り上げています。

こちらから質問をしたことに説明頂いたりし、コミュニケーションの中から自信を取り戻していただけるような状態を作るなどして進めています。

お話をしていく中、ご自身で考えて頂き、そのためには今どうするべきかと、紐解きながら、一つずつの解決をしていきました。今もご本人様との対話の中でそれは続いています。 

以前は全く外出することができませんでしたが、現在は、週1日ではありますが、自分で買い物にも行ける様になり、あやめ職員にもお気遣いいただくようになりました。

来年は、在宅ワークの話を持っていける様スタッフ間だけでなく、担当医の先生や地域担当の方と相談しています。

当初は、「困惑、あやめは必要ない」という様子でしたが、訪問させていただくうちに思いが通じたのか、自身でも変わりたいと思う気持ちが感じられるようになりました。
また、訪問を待たれているようにみられます。笑顔が増えて楽しまれていますから。

社会復帰支援のため、「勝手に自分でやれ」では無く、一緒に寄り添いながら、やれる事(ストレングス)を生かせる様にしていける事の提案をスタッフと話し合い、また担当医の先生をはじめ地域担当者の方と連携をとり、実践していく事で、自信を取り戻していける様に今も奮闘中です。

訪問看護ステーションあやめ名古屋天白