Blackmagic Design Web Presenter HDを使ってみた
更新
※2022年9月5日にサンプルファイルの修正をアップロード
2021年2月にBlackmagic Designから発売されたWeb Presenter HDを使用する機会がございましたので簡単に使用感を書かせて頂きます。
画質などの検証は行いきれていないため使用感や躓いた設定を書かせて頂きます。
Web Presenter HDって?
Blackmagic Designから販売されている配信エンコーダー兼USBキャプチャデバイスです。
公式サイト
前モデル Web Presenterの後継機種となりますが、様々な仕様変更がありました。
Web Presenter HDとWeb Presenterの違い
・イーサネットまたは携帯電話などをUSB接続することでライブ配信が可能になった
・キャプチャできる解像度/フレームレートが720p60から1080p60に変更
・4K60p入力が可能(配信、キャプチャは1080p60まで)
※前モデルは1080p60までの入力に対応
・I/Oポートが変わった
HDMI入出力/RCA入力の廃止、エンコード状況を出力するMONITOR OUTがSDI/HDMIで搭載。HDMI処理されているb
設定
Blackmagicのサポートサイトより専用ソフトウェア(Blackmagic Web Presenter Setup)をインストールし設定を行います。
サポートセンター
起動画面
フロントパネルのセットアップから適切なIP設定を行います。(今回はDHCP)
本体を同一ネットワークにおいてソフトを立ち上げると接続が確立され、設定に入ることができます。
設定画面1(Live Stream)
Live Streamタブでは配信に掛かる各種設定を行います。
・出力フォーマットの設定
・配信設定
・カスタムRTMP配信を行う際のプロファイル読み込みなど
カスタムRTMPの読み込みについて
デフォルトでは下記の配信設定がプリセットとして登録してあります。
・Facebook
・Twitch
・YouTube
・Twitter/Periscope
・Restream.IO
業務で使用する際は、配信プラットフォームにあった専用のプリセットを別途用意することが多くなると思います。
(リサーチが甘かったのかこの設定方法の資料があまり見つからずかなり手こずりました…)
ATEM系のXMLファイルとは異なる点
・XMLには単一のプラットフォームしか記述してはならない
ATEM系のXMLファイルは配信先全ての設定を記述しまとめて読み込みを行っていましたが、本機では単一のプラットフォームごとに登録を行う必要があります。
複数プラットフォームを記述すると読み込まれません。
サンプルコードを添付しましたのでよろしければご覧ください。
Sample01
認証の必要が無い一般的な配信(Streaming+、ZAIKO、Thumvaなど)
Sample02
認証が必要な配信(PIA LIVE STREAMなど)
※こちらは未検証です
Load Streaming SettingsからXMLファイルを読み込むとデフォルトプリセットの下に項目が追加されます。
これを繰り返して設定を追加していくことになります。
設定画面2(Setup)
Setupタブでは下記の設定が可能です
・本体の名前
・表示言語
・オーディオレベルメーターの種類
・ネットワーク設定
・Factory Reset
オーディオレベルメーターの種類
・VU(-20dbFS)
・VU(-18dbFS)
・PPM(-20dbFS)
・PPM(-18dbFS)
MONITOR OUT画面
Web Presenter HDにはMONITOR OUTという配信状況をモニタリングできる出力が備わっています。(SDI/HDMI)
フロントのプレビュー画面からでも絵音の確認はできますが、外部モニタに出力することでより詳細な情報を確認することが可能となっています。
配信前
映像入力前なので画面は真っ暗です。
本体、またはソフトで設定した内容が画面左上で確認できます。
映像入力を検知したとき
入力が確認されると映像や音声等の確認ができるようになります。
この状態で本体のON AIRボタンまたはソフト上から配信を開始します。
配信中
ON AIRランプが点灯します。
検証の際、設定は合っているにも関わらずON AIRできない症状が発生し、FactoryResetを行い再設定することで配信できました。
ATEMでもまれにある症状で原因不明です。。。
最後に
今回はBlackmagic Design Web Presenter HDを使用した記事を書かせて頂きました。
ATEM mini PRO等をお持ちであればXMLファイルの取り扱いに慣れていらっしゃる方が多いと思いますが、記述の仕方が異なったりと初見では躓く箇所がありました。
それを除けば選択肢の少ないハードウェアエンコーダーの中ではかなり分かりやすいUIとなっており、エンコーダーに悩んでいる方にはオススメできる一台ではないでしょうか。
Blackmagic製品は安価で入手しやすいため初心者の方も手を出しやすいようになっていますが、設定方法が不親切であったり原因不明のトラブル(適切な設定を行っていても配信されないなど)がまれに発生します。
仕事柄 配信初心者の方のサポートも行っている中で"XMLって??なぜか配信できない??"といった方々も多くおられますので、
他のシステムでも同様ですが事前にプラットフォームの仕様を理解し、設定やトラブル時のリスクヘッジをしっかりとしておくことが大事だと思っております。
記事中にアップロードしたサンプルデータはご自由に改変して使用頂いて結構です。
こういった記事を通じて、配信管理者の方々と多くの知見を交換できれば幸いです。
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