昏睡

あの子の好きな歌手が、俳優と結婚した。あの子が知ったら、喜んだろうか、喜ぶふりして内面複雑な気分だったろうか。なんとなく、手放しで喜ぶ姿は想像つかない。TLでは興奮してニュースのrt後に「結婚!した!!!!!!」みたいなツイートしてるだろうが、数時間後に「あ〜〜〜〜結婚か〜」みたいなじめっとしたつぶやきを名前伏せてしていそう。(失礼)

その歌手を見て瞬時にあの子を思うわけではないが、その歌手「といえば」と連想ゲームしたらすぐ出てくるだろう。
かつて労働と結婚のあり方についての話題になり、性別に求められがちな役割とかのことを話したのを思い出す。

そうそう、君の友人も結婚なさったのよ。私は間近に感じる結婚、話したことある人の結婚の知らせというのが人生初めてで、ツイートを見てスッゲー!となっていた。君ならちゃんとお祝いリプをしていたと思う。私はつながっているツイッターアカウントに人間味を出したくないので基本リプを送れないのだけど、心からめでてえな〜〜と思った。(そしてもしかして相手はあの人では?と予想してしまえてワワ!となった。)



ツイッターのタイムラインで丁度いい動物とかのほっこりニュースがあると、rtした後で言及するあの子の何気ないツッコミ、一言を想像する。
昔やったツイートを分析して自動作成するツイートは精度がいい分、それを当人に共有できないという悲しみを持つ。本当にいいそうな文体で書かれる。上出来な文章のスクショが残っていて見たけど、「ないツイート」なのに、ありそうで困る。あの子はもうそれを見て何かを思ったりしてくれない。

深夜のタイムラインに黄緑のアイコンが連続して現れることなんてないわけで、夜は随分と静かになった。
こないだ、庚申待のような夜があって、TL上でエアリプ?しあったんだよ、君について。朝の5時になっていた。なんで会話に混ざってこないの? そうか、エアリプ気づかないようにしたから@つけないといけないんだっけね。

ここ数年くらいそんな夜はなかったというのに、ふと夜に電話をかけてもいいかもしれない相手がいなくなったのだな、と思う。深夜三時に起きてる人はあんまいないんだよ。ツイキャスアプリもほとんど必要なくなった。通知リストに並ぶ君のアカウントが切ない。
君の癖がうつったのかツイッター依存がひどくなったし夜更かしが得意になった。昼寝も得意になった。連絡をすぐ返すのだけは癖がうつらない。

君が好んでいた星野源の「くせのうた」も当分聴けないでしょうね。


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