1127たらたりたる

“あの子はもういない“って観劇中の脳内に吹き込んだ奴は誰だ。
後半、リフレインしていたぞ。集中して一つになるはずの我が分離して、遠くて近い事柄に悲しむ自分と、目の前のことを観ている自分に分かれてしまった。
あの子はもういない。
あの子は、もういないんですか?
メトロに乗って隅田川に行こうかと思った。もう本当に苦しくってなんだかどうしようもないなあって思う。隅田川には立っていそうな気がする。あの子は隅田川が好きだから。
でもたまたま同じ劇を見ていた先輩に丸ノ内線の旅に連れ出されてしまった。劇場は観客にライトは当たらないし、マスクをしているし、最前列は役者にしか見られない。しかも私の水分の味は感動だっていい。連れ出されてよかった、んだと思う。ありがとうございました。
旅をして、旅を終えたら、やっぱり鈴の音が足りなかった。

あと一週間だなと思う。今年は金曜日だった。去年は木曜日。
私を祝った5日後にはもう。
そして当時の私はまさか今日だなんて気づいてなかったんだ。第六感も虫の知らせも無能だよ。心のうちを少しは知っていたつもりだったのに、物事が起きるときはいつも気づけなかった。

こんなに苦しいならもう執着なんてできないよ。水がいくつあっても足りない。
これ以上誰かを想いたくない。
永遠の命を持たない誰のこともこれ以上好きになれない。不死身以外好きになれない。

この一週間、足りないことばかりだったな。時間も体力も足りないけれど、復活も節約もできないのはもはや。
あの子のいない街。あの子のいない音楽。

あーあ、今日は記念すべき日なんだ。27日、しかも11月のだ。だのにどうして。
あの子が褒めてくれた色の組み合わせ。あの子が大事にしてくれた私の過去の話。
会いたい。いったいどこに行ったら

帰り道、空き地に向かって名前を口にしてみる。何度も繰り返したことがある行動なのに、行動自体は昔と何一つ変わらないのに、どうしてこんなに。
顔に当たる外気が冷たい。

27日の出だしがこんな感じでいいんだろうか。11月は毎日が「いい〇〇の日」と言われるけど本当は「よくない〇〇の日」だってある。本当に自分がよくない、わるい。
ごめんも届かないからもう口があっても仕方がない。

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