特発性血小板減少症という疾患

「特発性血小板減少症」って病気、聞いたことありますでしょうか。私も自分がかかるまで世の中にこんな病気がある事すら知りませんでした。
現在、日本に約2万人しか患者がいない、難病指定疾患です。

疾患の発覚は、30歳で受けた会社の健康診断の血液検査でした。
午前中に健康診断を終えて午後から働いていたのですが、
健康センターから社内電話で「今すぐ来てください」とのこと。
「会議が詰まってるんで、定時後じゃだめですかね」と言うと、上司に変わってくれとのこと。
え?そんな急ぎなん?と思い、上司に伝えてすぐに病院に向かいました。

医者「血小板の数値が5万/μLしかありません。下限値は11万/μLです。」

どうやら血液中の、血を固めるための血小板が少ないよう。精密検査が必要なので後日、再度血液検査をすることに。
はぁそうなんですか。どこも痛くないんですが…?誤診?それか貧血かなんかかな?と思い、ドラッグストアで鉄分が入った飲むヨーグルトを買って帰ったのを覚えています。この的外れ感。

後日再検査をするも、やっぱり数値は5万/μL。赤血球や白血球の値にも異常はなく、原因はわからず。
血液専門の病院に紹介状を書いてもらい、後日受診しました。
ただ、この専門医で精密検査を受けても原因がわからず、広島市民病院に血液内科の名医がいるそうで、その先生宛に紹介状を書いてくれることに。
そんな、名医に見てもらわないとわからない病気にかかってる?私が?と、この辺から徐々に不安になってきます。

市民病院での精密検査を終えたあと
私「先生、私どこも痛くないんです。だるさとかもなくて元気なんです。」
先生「FMKさん、(足の痣を指さして)この痣は、いつついたものですか?」
私「覚えてないです。」
先生「この腕の内出血は?」
私「それは2か月前の健康診断の時に打った注射です。私、注射打つと必ず内出血する体質なんです。」
先生「普通は注射で内出血はしないし、2か月前の内出血が、こんな風に鮮明に残ることはないんです。
FMKさんは、おそらく『特発性血小板減少症』で間違いないでしょう」

「特発性血小板減少性紫斑病(ITP)」とは?
血小板に対する「 自己抗体 」ができ、この自己抗体により脾臓で血小板が破壊されるために、血小板の数が減ってしまうと推定されています。しかしながら、なぜ「自己抗体」ができるのかについては、未だはっきりとしたことはわかっていないのが現状です。
(指定難病63)

https://www.nanbyou.or.jp/entry/157

そういわれて初めて、あれ?そういえばこの足の痣って、結婚する前からあるな。結婚したのが3年前だから、3年以上痣が治ってないってこと…?
だんだんと、自分の体の中で何が起きているのかを理解し始めます。

この疾患は原因が分かっていないため、根本的な治療方法がない。
ただ、最新の治療方法で、抗菌剤でピロリ菌の除菌を行うと半数以上の患者さんで血小板数が増加することから、ピロリ菌が陽性の場合、まず除菌療法を行なうことを勧められているとのこと。
ピロリ菌の抗体が、血小板に悪さをしている、という仮説だそうです。現在の医学ではこれしか手がなく、これをしても完全に治るというものではない、とのこと。

やれることは何でもやりたいので、すぐにピロリ菌の除去を開始。
2週間の服薬を経てピロリ菌を除去した後、再度血液検査をすると血小板の数値が11万/μL(下限値ギリギリ)まで上がっていました!
血小板の数値は、体調で上下しやすいこともあり、引き続き経過観察となりました。

日常生活で気を付けることは、怪我をしないように気を付ける事くらいです。
今も、傷や痣ができると(クリームを塗り続けても)2年位治らないので、手や足は痣だらけです。痣があるからって、別に何の不便もないんですけどね。
この疾患が次に影響してくるのは、出産の時でした。

FMK




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