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反省

 先日、とある場所でフリートークをする機会があった。テーマも内容も自由。時間は1分から2分というものだった。

 その場にいたのは、50代前後の講師の方、同年代の大学生9人(男性2名、女性7名)という構成だった。

 各々が自由にフリートークを展開する。しかし、その内容は、走って登校し昼休みにフタを開けた時に目にする弁当の中身の偏りのように偏っている。ほとんどの方が、1つのニュースを紹介し、そのニュースについて自分が考えたことを述べる、という内容だった。

 正直、つまらない。出てくる人出てくる人皆が同じような内容。聞き手のこっちの集中力が削がれてゆく。

 私は、どんなシチュエーションであれど、喋る機会の1つ1つが全て作品だと思っている。それは、自分が話す内容に止まらず、その前後の流れを組み、その会を通して作品にする。

 だから、まじめにニュースを斬る人がいてもいい。面白おかしい話をする人がいてもいい。好きな映画の話をする人がいてもいい。ただ、偏ることはしてはいけない。どれだけ強打者を集めようと、全員がホームランバッターでは試合には勝てない。アベレージヒッター、バントが上手い仕事人、長打が打てるパワーヒッター。これらの要素が絡み合い、初めて強力打線となり試合に勝てるチームになる。

 そこで私は、前回noteに綴った「味が分かる」の話をした。「大爆笑はいらない、せめて少しでもほくそ笑んでほしい」という思いで、誠心誠意持てるだけの力を駆使して話した。

 50代前後の講師の方、男性2人には狙い通りほくそ笑んでいただけた。むしろ、予想以上の笑いの量をいただけた。

 しかし、その場の半数を埋め尽くす女性たちは、、、目の前で残酷な殺人事件が起きたかのように、話すに連れて顔が青ざめていく。ある人は完全に目を逸らし、ある人は真下を向いて聞かないようにしている。そして、ある人は天敵を真っ向から受け入れる猛獣のように、こちらに鋭い目を向けている。

 「やってしまった、、、この味は女子大生には受けなかったか、、、」それはそれは初めて味わう感覚だった。「人ってこんな露骨に顔色変わんねや」そう冷静に感じ取っている自分がいた。

 全く万人ウケするネタをチョイスするのは難しい。それでも、自分の"味"、"色"だけは見失わないように。

#反省
#青ざめる
#万人ウケ
#難しい

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